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2010年 02月 28日

<Vol.740> 春はまだ先・・・早春の十勝川にて

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Freestyle DiaryのJunさんがblogの中で紹介していたThe xxというグループは、いつの間にか僕の中でのお気に入りのグループのひとつになっていた。

無駄なものを一切省いたようなシンプルな曲作り。
懐かしいものと新しいものとが混在したようなメロディー。

Joy DivisionやDurrutti Column、それにEverything But The Girlなどといった僕がまだ20代の頃に輸入盤店に入りびたって耳にした懐かしいUKサウンドを彷彿させてくれるのだけれど、もちろんそこには単に懐かしさだけではなく新たなエッセンスも加えられていたりしていて僕に新鮮な気分をもたらしてくれた。


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まるで高級なスウィーツのように表面だけがパリっと薄く冷え固まった雪原の上をチープなプラスチック製のスノーカンジキを履いてフィールドを目指す。前を行く友人は最近手に入れたというスノーシューの恩恵にしっかりとあやかっているようで、そのあとに続く僕はというと、時々ズボっと深く足をとられてしまうものだからなかなか気を抜くことが出来ず、そんな訳で残念ながら早春の十勝川の白く彩られた風景をゆっくりと見渡す余裕というものがなかったかもしれない。


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きっとこれからはこの雪原の上にたくさんの釣り人の踏み跡がしるされていくのだろう。でも、この日はほとんど釣り人の踏み跡というものを見ることはなかった。あとでお話しを聞いたローカルの釣り人の話によると、この辺りのフィールドの氷が落ちて釣りが可能になったのは昨日ぐらいからということだったから、確かに釣り人がつけた踏み跡が少ないのもうなずける訳だ。

芽吹き始めた背の低い河畔林の間を抜けると、2ヶ月ぶりに見る氷の落ちた十勝川の流れが僕の視界に飛び込んできたのだった。


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早朝の引き締まった空気感がフィールドを包み込んでいた。気温はもちろん氷点下。春の訪れはまだまだ先のように感じられる。ランニングラインをリトリーブするとグローブをはめた指先には、すぐさまシャーベット状の氷の塊が出来上がっていた。
アメマスの作り出すライズというものを僕はほとんど見かけることはなかった。
水温の低さはアメマス達の活性をますます低下させているのだろうか。もしかするとボトム付近でじっとしているのかもしれない。それともはるか向こうの到底届きそうもない流芯付近なのだろうかとつい考えてしまう。


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午前中はMeiserのS2H14078MKSにハンドルをリメイクしたCascapedia#8/9をセットし、Skagit Compactの540grにType8のティップを繋げる。フライは前夜に巻いたホットオレンジとチャートリュースのマラブーを組み合わせたコーンヘッド仕様のチューブフライ。
ペリーポークでクロス気味にキャストし、しっかりとボトム付近でフライをトレースというかスイングするのをイメージする。コツ、コツというフライがボトムにタッチしているのを感じていると、あのふっという何とも言葉では表現しにくい感触が指先に訪れたあと、それは徐々に早春のアメマスの躍動感へと変わっていったのだった。
少し痩せ気味のこのフィールドではアベレージサイズのアメマスだったけれど、そのボディは道東の太陽の日差しを浴びてキラキラと輝いていた。


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午後になると本流の水温は若干上がったのかもしれない。それに伴い水位は少し上昇し、濁りも加わり始める。畳数枚分はありそうな大きくて分厚い氷の固まりもいくつも流れてきた。そんな氷の塊にフライやラインを引っ掛けでもしたら目も当てられない状況になるのは分かっているから、何度も何度も上流を見ては流れてくる氷の塊の位置を確認することになる。

そんな氷の流れてくるタイミングを見計らいながらキャストを繰り返していると、ある時フッとボトム付近をスイングするフライに何かが触れた。それはリールをAFSのType4のフルシンクヘッドが巻き込まれたST. Johnに替え、フライをバックテイルをメインに黒とグリーンを基調にしたSHUさんスペシャルと僕が勝手に命名し、僕なりに少しだけアレンジを加えたシンプルなチューブフライに結び直してからのことだった。
コン、コンと軽く2度ほどノックするような合図は、もしかしたらこのあとに続く大きなアメマスとの出会いのほんのプロローグのようなものだったのかもしれない。

プロローグは本当に短かった。ラインにはまるで根掛かりのように負荷がかかり、ゆっくりとした鱒の躍動感ともいうべき振幅だけがそれが根掛かりではないということを僕に知らせてくれる。僕が手にするMKSはバット付近からグンニャリとのされてしまう。リールからは何度も巻き込んだラインがジリジリと引き出されていった。その鱒はまるで潜水艦が急に浮上するように2度ほど水面に飛び出した。こんなジャンプを見せるアメマスに出会ったのは初めてだったし、まるでサーモンサイズのそのアメマスの姿に僕は一瞬息を呑んでしまった。
アメマスを無事にランディングすると、目の前を大きな氷の塊が流れ過ぎていった。
72cmのオスのアメマス。その顎にはSHUさんスペシャルが小さくぶら下がっていた。
アメマスのサイズに関しては、きっとくじ運みたいなものなのだろう。今日はたまたまツキが良かったのかもしれない。
本流の流れに戻っていくアメマスの姿を見届け、何かひと仕事終えたかのように僕はフッと大きく息をついた。寒さがまた身に堪え始めた2月最後の土曜日、十勝川にて。


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今日のBGM : The xx / Basic Space



by d-yun5-fly-elise | 2010-02-28 19:24 | spey fishing | Comments(22)
2010年 02月 03日

<Vol.739> Hardy Cascapedia MkⅡ #8/9 のリメイク

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今回のBGMはラテン調のテイストがふんだんに散りばめられたNu-Jazz。
Samba Skindimの心地いラテンリズムやIntensoのスピード感あふれるイントロもいいけれど、個人的にはMambo Souce STARDISHのGerardo Frisina remixが一番好みかも。


まずもって美しいS字のメタルハンドルの描き出すラインに僕は目を奪われた。
リメイクしてもらったS字のハンドルは、僕のイメージ通り少しスリムになり、そしてその贅肉が削がれた分だけ強度を増すために若干厚みを増していた。
バーミンガムスタイルのS字ハンドルというものはやはりこうであって欲しいものだと、僕は見た瞬間そう思った。

なかなかそのデザイン性に納得のいかなかったHardy Cascapedia MkⅡ#8/9の穴がいくつもあけられたS字ハンドル。
行きつけのフライショップ "THAMES"(テムズ)の店長さんに相談し、札幌でバーミンガムスタイルのハンドメイドリールを作っておられる"THE VIATOR FLY REELS"さんにS字ハンドルのリメイクをお願いした。
ちなみに"VIATOR"(バトゥール)とは旅人という意味だそうだ。
実は僕自身"THE VIATOR FLY REELS"さんとは直接面識は無いのだが、"THAMES"にサンプルとして置いてあった上質のハンドメイドリール(バーミンガムスタイル)は何度か拝見したことがある。なかなか簡単には手が出せないプライスタグであったが、それは思わずため息が出そうなぐらい美しい出来栄えであった。
店長さんを通じてダメもとでリメイクの依頼すると、なぜかすんなりと了承していただけたのは、全くもって嬉しい限り。
店長さんからのまた聞きによると、バーミンガムスタイルの特徴とも言えるS字ハンドルのデザインの起源は、もともと音楽記号のフォルテシモからデザインされているそうで、僕はこれまですっかりサーモンの"S"からデザインされているんだと思っていた。
まぁそれはともかく、おそらく新たな設計図を起こすことから始まり、S字ハンドルの切り出しに研磨、つまみやすいようにと若干テーパーの付いたハンドルノブ、それにバランサーやセンタービスの製作に至るまで、きっととても大変な手間の掛かる作業だったと思う。

出来栄えには全く文句のつけどころが無かった。
S字ハンドルがリメイクされたHardy Cascapedia MkⅡ#8/9、僕はフィールドでこのリールを使う日が今から待ち遠しかったりする次第。


今日のBGM : Gerardo Frisina / Mambo Souce STARDISH, G. F. RMX





by d-yun5-fly-elise | 2010-02-03 22:32 | fishing goods | Comments(14)