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2009年 12月 27日

<Vol.734> Skagit Style

今日のBGM : Lee "Scratch" Perry / Brazillian Jungle



1ヶ月程前に自宅のPCを、とうとうリニューアルした。
壊れてしまって、うんともすんとも言わなくなったものだから、こればかりは仕方がない。
おかげでCPUもかなり賢くなって、何かと作業効率も上がり、これまでコマ送りでしか見れなかった動画もスムーズに見れるようになった。

上の動画は、Mattさんも紹介されていたEd Ward氏のDVD"Skagit Master"のダイジェスト版。Ed Ward氏は確かIntruder Patternを考案された方。
それにしても、僕としてはEd Ward氏の手にするG-Loomisのロッドにくっついているリール、おそらくHardyのPerfect 37/8の方が気になるなぁ。








こちらは僕のお気に入りのロッド、MeiserのMKS(Mike Kinney Special)をデザインした
Mike Kinney氏のスカジットラインを使ったキャスティングデモ。
Mike Kinney氏のなかなかゆったりとしつつも、下手にはしっかりと力が入っているコンパクトなキャスティングスタイルも個人的には好みかなぁ。
上手の肘の角度についつい注目してしまう。





水面上でキャスティングデモを見せてくれる動画が多い中、もちろんフィールドでのスペイキャストは水面上で行うわけだから当然と言えば当然なのだが、この動画はなかなか新鮮だった。
これまで、スカジットスタイルの場合、水面からラインを引き剥がす負荷も重要な要素だと思っていたけれど、実際にはそれほど重要な要素ではないということを僕に実感させてくれたから、なかなか貴重な動画のように思えるなぁ。





こちらは、Scott Mackenzie氏のDVDのダイジェスト版。
僕のキャスティングスタイルとはかなりかけ離れているけれど、長いベリーのラインを見事に操っているし、これはこれで、とても豪快なキャストのように思えるなぁ。





パワフルなキャストというと、トキさんの紹介していたこの動画もなかなかのもの。
スカジットキャストから放たれた尖ったループが気持ちよく伸びていく。
体格的に差がありすぎるから、僕にこんなトリッキーなキャストは到底出来ないけれど、彼が手にするロッドは、なぜか同じくMeiserだったりする訳で・・・笑。

by d-yun5-fly-elise | 2009-12-27 16:16 | movie | Comments(8)
2009年 12月 24日

<Vol.733> 漁港のアメマス

今日のBGM : Komputer / Like A Bird
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鉛色の冬の色をした厚い雪雲が、道南の空を隅から隅まで覆いつくしていた。
北西の風は、せたな町にそびえ立ついくつもの風力発電用の風車から伸びた巨大な白い羽根を勢いよく回していた。
海は北西の風で白く波立ち、そこには12月らしい寒々とした冬の様相が広がっていた。
冷えきった車のシートに座り、自宅を出たのは朝の3時。
ちょっと前には6本ほどのイワタスペシャルのニューバージョンを巻いたばかり。もしかしたら、ヘッドセメントすら乾ききっていなかったかもしれない。
向かった先は道南の鵜泊漁港だった。


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14’1”#7番のC.F.Burkheimer(バーキー)で、Rio社のAFS#7/8Hoverの先端3mからをチェンジャブル仕様にしたものをキャストする。ティップは15’のType3(#8)。
時折、漁港に舞い込む向かい風は、フライのターンオーバーを困難なものにした。スカジットスタイルからコンパクトなキャストを心がけて、極力低い位置でのラインの軌道を意識する。
外海から響いてくる波の音を耳にしながら、僕にとっての静かな時間が流れていった。
ロングストロークのピッチの速いリトリーブに、不意にゴンと鋭角的な衝撃が走る。
アメマスにとって海はやはり栄養が豊富なのだろうか。お腹の周りが白くふっくらとした道南のアメマスだった。そんなアメマスたちが、忘れかけた頃に僕の巻いたヒョロっと長くて、おまけに小さくもあるフライに興味を示してくれた。

それにしても、アメマスの背中の色というものは急激に変化するものなのだろうか。
アメマスとのやり取りの最中、背中の色が海の色を映し出したかのような美しいグリーンバックだったのに対して、斜路にランディングしてフックを外そうとすると、いつの間にかあの美しいグリーンが薄れ、ほんの少し褐色の色合いが混じり始める。映像でしか見たことはないけれど、それはまるでシーラのようだった。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-12-24 22:26 | spey fishing | Comments(2)
2009年 12月 18日

<Vol.732> オレンジ色の季節

今日のBGM : Depeche Mode / Wrong
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今回のタイトル、本文、写真は、相互にまったく関係性がないので、あしからず。


「鍋焼きうどんと醤油ラーメン」

晩秋から初冬にかけての十勝川でのアメマス釣り。
僕らは毎回十勝川へと足を運ぶ途中、決まりきった慣例のように夕張のセブンイレブンに立ちよっては、お買い物。オレンジ色に近いプラスチック製の買い物かごの中には、飲み物やパンにおにぎり、それにちょっとしたスウィーツなんかが次々に放り込まれていく。そして最後に、いや時には店内に入って最初のこともあるのだが、その日のランチのメインとなる冷凍食品の麺類コーナーの前で、鍋焼きうどんにするか醤油ラーメンにするかで悩むのである。
「今日はやっぱり冷え込みそうだから鍋焼きうどんでしょ」
「horiさん、生卵を持って来ましたか?」
そんなたわいもない会話の末に、その日のランチが鍋焼きうどんになったり、また時には醤油ラーメンになったりする。
でも、何というか実に不思議なもので、誰かが鍋焼きうどんに決めると、全員がおのずと鍋焼きうどんになってしまい、じゃぁ僕は今日は醤油ラーメンにするねと別の麺類を買い物かごに入れる友人がいないのは、今考えても本当に不思議な行動パターンである。

セブンイレブンに入る前から、今日は醤油ラーメンと決めていても、horiさんが「生卵、持ってきましたよ」と言ったなら、やっぱり僕も鍋焼きうどんにするんだろうね。結局のところ、僕も優柔不断ということか・・・。

それにしても、セブンイレブンの冷凍の鍋焼きうどんにしても醤油ラーメンにしてもとても便利な食材で、ただ火にかけるだけで水入らず。凍えた指先で苦労しながらビニールの袋を破くという作業がいらないから、寒い時期のフィールドではとても重宝する存在。それにお味の方も悪くはないからね・・・。

注意 : セブンイレブンの冷凍の麺類は、暖かい車中に置いておくと、凍ったスープが溶け出すので、決して傾けず、平らなところに置くようにしましょう。


「ブルーのマイザーSロッド」

今週の月曜日、郵便局の窓口でロッドの代金を国際郵便為替に立て替え、EMS(国際スピード郵便)でマイザーさんの住所にそれを発送した。きっと2~3ヶ月後にはマイザーさんから新しいSロッドが僕のところに届くのだろう。
今回オーダーしたロッドはMeiser S2H13667S-4というマイザーさんのHPのカタログにはないスペック。現在フィールドテスト中のロッドのようだが、無理を言ってカスタムで組んでもらうことにした。
本当は14フィート#6番のSロッドが希望だったが、これは今のところマイザーさんの構想の中にはないらしく、13フィート6インチの#6番のSロッドだったら作れると言うことだったので、マイザーさんの薦めもあり、こちらでお願いする。Sロッドに関してはakiranさんや東京のTさんの14フィートの#7番を振らせてもらったことがあるけれど、印象としてはMKSよりも若干張りのある感じ。きっとMKSとHighlanderの中間的なアクションなんだろうと思うし、ショートヘッドに適したアクションと言うのにも頷けたが、おそらくオールパーパスなロッドなのだろう。
マイザー独特のフェザーインレイも、僕の拙い英語でのメールのやり取りを経て、Guinea Evlerという鮮やかなブルーの羽をメインに、少し周囲にアレンジを加えてもらうことに。いったいどんなコスメのロッドが届くのか、今からちょっと楽しみかな。

最初に手にしたMeiserのMKSのオーダーはguchiさんにヘルプしてもらい、2本目以降はfishordieさんに多大にサポートしてもらった。でも、今回は拙い英語でのメールのやり取りながら、最後まで自力でオーダー出来たのは、ちょっと自信になったかなぁ。もちろん過信は禁物なのだが・・・。

1ドル=約122円。これは僕が最初にMeiserのロッドをオーダーした時の為替レート。
それが今回のオーダー時には1ドル=約89円。ずいぶんとレートが変わったものである。
リールシートをウッドインサートのニッケルシルバー仕様に変更し、カスタム仕様。今回は、送料込みで895ドル。高いのか安いのか、それはもちろん個人の価値基準に拠るところが大きい。


「Hardy Perfectと気になるリール」

「なかなか品のいい音色だったし、
遠くから響いてきても、なぜか心地よく耳に残る音色だった」
これが僕が初めてフィールドで耳にしたHardyのPerfectというリールの音色に関する感想。
実はこれまで、HardyのPerfectというリールに対して、ほとんど関心がなかったし、それほど興味もなかったというのが、僕の本音なのかもしれない。でも、十勝川のフィールドで、あの音色を聞いてからというもの、僕の中で何かが変わったような気がする。つまりのところ、あの音色に惹かれてしまったのである。
もちろんHardyのPerfectというリールの市場でやり取りされる相場はそれなりに知ってはいるつもりだけれど、惹かれてしまったものはどうしようもない。いつか僕の手元に巡ってくるチャンスがあるかは別として、僕の使うロッドのスペックからすると、31/2か33/4のWide Spoolあたりだろうか。でも、37/8のNarrow Spoolも気になる。外見にはこだわらないつもりだし、僕の耳元であの音色さえしっかりと響かせてくれれば・・・。

気になるリールといえば、昔イナガキさんで扱っていたSiskiyou Designという会社のリールがあった。深いグリーンと淡いシャンパンゴールドのコントラストがメチャメチャ美しく、機能だけでなくデザイン的にもとても惹かれるものであったが、何度かオーダーするチャンスはあったものの、半年待ちという状況についに諦め、気が付いたときにはその会社そのものがリールの製造を中止してしまっていた。
どうやら、その会社がHodge & Sonsという名前に変えてリールの販売を再開したようだ。以前は#7/8までのサイズしかなかったが、今ではさらに大きなサイズまで。でも、相変わらず気になるリールであることに変わりはないが、やっぱり高い。

このHodge & Sonsのリールも両軸リールであるが、同じ両軸リールでも、バーミンガムスタイルのSaracioneも気になるリールのひとつ。同じく高価なリールに変わりはないのだが、やはりその全体的なフォルムの美しさには、どうしても惹かれてしまう。最近HPも少し変更されたようで、現在新しいHPを準備中とのこと。スペックが少し減ったのだろうかと心配していたら、更新時にさらに充実するといった内容。それはさておき、オーダー時にはSilver/BlackとGold/Blackフィニッシュのどちらかが選べるようになったようだから、これも少し悩ましい話なのかもしれない。
僕なら33/4のサイズでSilver/Blackフィニッシュだけれども、Goldがもう少し薄い色なら迷ってしまうかもね(笑)。


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                  original photo by Mr.SHU

by d-yun5-fly-elise | 2009-12-18 22:33 | slow fishing | Comments(4)
2009年 12月 13日

<Vol.731> 12月、雪舞う十勝川にて

今日のBGM : M.TS'TA / Fotorany
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                   original photo by Mr.SHU


深夜のアスファルトは、12月の細かい雨で濡れ、ヘッドライトに照らされて黒くテカテカとした鈍い光をいつまでも放ち続けていた。
夜空を吹きぬけていく風は思っていてよりもその吹き方が強かったりする。
深夜営業中のマクドナルドでハンバーガーとホットコーヒーを買いながらSHUさんともう一度相談した時、すでに時計の針は土曜日の朝の3時半を過ぎていた。

「どうしようか?」
「・・・・・・」と、分かりきってはいるのに、車の外を眺めながらお互いに長い沈黙が続く。
「きっと今回が今シーズン最後の十勝川になるだろうから、もしも行ってダメでも・・・」
そういえば、こんな会話の末に、一度だって釣りに行くことを取り止めにした事はなかったような気がするのだけれども。

僕らの気がかりをよそに、車は何事もなかったかのように北広島のICを通過する。


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細かい雨は、やがて小さくて白い雪の結晶へと変わっていった。
池田町のICを降りた時には、フィールドに吹く風のことが気がかりで仕方がなかったが、実際にはそれほど強くはなかったのかもしれない。
ニットの帽子の上にレインジャケットのフードをかぶると、カサカサと乾いた雪がフードに当たる音が絶えることはなかった。


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今シーズン最後の十勝川では、バーキーの14’1”#7番のロッドで一日を過ごした。
ラインシステムは480grのSkagit CompactにType8のティップ(#8)。
ティペットの先にはコーンヘッド仕様の1.5インチのプラスチック・チューブ・フライ(チャートリュース&オレンジ)を結ぶ。
バックスペースのほとんどないバンクポイントを過ぎ、少し背後が開け始めたところで、この日最初のアメマスからのコンタクトが僕のロッドに訪れた。


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水温はきっと2℃前後なのだろう。
ネオプレーンのウェーダーのブーツの中で、僕の足先はやはり冷たさでしっかりとかじかんでいった。
道東は十勝川で見る久しぶりの雪景色だった。
グレーの空から降る雪は、少しずつ大きな結晶となり、一段と降り方が激しくなった。
アメマスの姿を求めて、少し下流へと雪道を歩く。


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                   original photo by Mr.SHU


緩やかな流れの本流の表層には、少しずつ白いかたまりが目立ち始めた。
それらは集まり、やがて大きなシャーベット状のかたまりへと成長していく。
これらは川面に降り落ちた雪が水温の低さで溶けきらず、集まって出来上がったもののようだった。そんな柔らかい皮膜のようなシャーベット状の氷の帯が、いくつもいくつも上流から流れてきた。


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                   original photo by Mr.SHU


シャーベット状の氷の帯は少しずつ厚いものとなり、ラインやフライの沈下を妨げた。
ラインをシンクティップ・システムからType4のフルシンクSHに交換し、キャスト後はラインを強制的に沈めることに注意を払う。
フライは1.5インチのプラスチックチューブに巻いたチューブフライ(チャートリュース&オレンジ)。きっと底近くをズリズリと引きずりながらスイングしているのだろう。ティペットの通るチューブの穴には細かな砂がたくさん入っていた。


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                   original photo by Mr.SHU


スイングの終わりかけからは少しずつショートストロークでリトリーブを加える。
グローブの上に次から次へと降り積もる雪が溶け、すっかり僕に指先は冷え切っていた。でも、そんな指先の痺れすらつい忘れさせてくれる冬の十勝川のアメマスの持ち合わせた力強い躍動感を何度も感じた。
激しく降りしきる雪の中で、アメマスと僕とをつなぐギリギリのテンションが掛かったラインとティペットとが、風に吹かれて寒々しい糸鳴りを奏でてくれる。
雪降る冬の十勝川に似つかわしい60クラスの均整の取れた美しいアメマスだった。


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やはり12月の釣りは、なかなかタフなコンディションだったと思う。
雪の降り方が激しさを増すにつれ、ますますラインとフライとを沈めることがより困難なものになっていった。それでもSHUさんは、相変わらず、まるで十勝川のアメマスのことを知り尽くしたかのようにロッドを曲げていく。今回もフライとその流し方のコツを最後まで聞きそびれてしまった。


おそらく12月のこの時期まで十勝川に足を運んだのは初めてのことだったのかもしれない。きっとこのエリアも少しずつ厚い氷に閉ざされていくのだろう。
来年の3月、何事も変わらず、また友人達とこの地を訪れることが出来ることを願って・・・。
ふと、そんなことを雪舞う十勝川で僕は思った。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-12-13 17:09 | spey fishing | Comments(12)
2009年 12月 08日

<Vol.730> Meiser(マイザー)熱

今日のBGM : Fetaka / Gasikara
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上のロッドはS2H14067MKS-4 Custom
下のロッドはS2H12646C-4 Custom (ロッド表記はS2H126456H-4)


「スペイ熱は未だ冷めやらず」
確かそんなタイトルでNA誌に記事を書いたのは2年前になるだろうか。
それは今でも僕の中で脈々と続いていることだし、ここ数年の釣行のすべてがスペイキャストを原点したものであることが、何よりもそのことをよく物語っているように思う。
でも、最近は僕のフィールドでのキャスティングスタイルが少しずつ変化していって、このキャストの基本であるシングルスペイというものを、ほとんどやらなくなってしまったが・・・。

そんな中で、近頃の僕はというと、
「Meiser(マイザー)熱は未だ冷めやらず」
と言っても過言ではないのかもしれないなどと思う。
ちなみにMeiser(マイザー)とは、北米のオレゴン州にある、とびっきり美しいカスタムスペイロッドを作り出す小さなロッドメーカーのことである。


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もともとこの2本のロッドは同時期にオーダーしたものだったから、ロッドスペックはそれぞれ違っていても、バットラッピング、スレッドワーク、特注のフェザーインレイなど、ロッドのコスメはまったく瓜二つと言ってもよく、まるで見るからに兄弟ロッドのようなものだった。
S2H14067MKS-4は今でも本流での僕のメインロッドだし、S2H126456H-4の方は、初夏の渚滑川や十勝川のイブニングでもずいぶんと活躍してくれた。
でも、今年の晩夏の空知川でS2H126456H-4がバットセクションにトラブルを抱えてしまい、急遽マイザーさんの工房へ里帰り。10月になって僕のところへと無事に修理を終えて戻って来た時には、フェザーインレイが以前とは異なる新たなものに変わっていたのだった。

ピーコックのグリーンが鮮やかにより映え、両サイドにはオレンジに染められたグリズリーがまるでホーン(角)のようにシンメトリックに施されていた。
彼のセンスには驚きつつも、個人的には非常に満足そのもの。
来シーズン、このロッドを携えてフィールドに赴くのが今から楽しみの一つであり、きっと初夏の日差しに眩く煌めくのだろう。


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上のロッドはS2H15956C-5 Standard (ロッド表記はS2H15956-5 Highlander)
下のロッドはS2H14056MKS-4 Proto


上の画像の2本のロッドは共にスタンダードビルドであるが、下のプロト(試作ロッド)のコスメは、やはり例外的なものなのだろう。
実は、修理を終えたS2H12646C-4と共にマイザーさんからS2H14056MKSの試作ロッドが北米のスティールヘッダーのテストを経て僕の元へと送られてきていた。

S2H14056MKS-4 Proto :
Grain window : 350-550gr
Skagit head : 400-450gr, Tip to 150gr
Scandi head : 350-400gr

これが僕の予想するスペック。
確かにdeep flexと表現されるMKS独特のバット部分からグゥンと曲がるロッドアクションは、この試作ロッドにも継承されているし、重たいフライやシンクレートの高いシンクティップも心地よくキャストできるように思う。今年の晩秋から初冬にかけての十勝川下流域でのアメマス釣りでも、ずいぶんと良い仕事をしてくれた。
まだまだ各種のラインを乗せてキャストをした訳ではないから、このロッドの魅力を確信に満ちて語ることは出来ないけれど、中規模河川ではきっと活躍してくれるロッドだと思う。何しろ、鱒がフライをテイクしてからが、一番ワクワクするのではあるが・・・。
来春以降になるが、このロッドではAFSの#6/7(400gr)やSkagit Compact(420gr)にティップ、それに各種シンクレートのSTS(450gr)を短くカットしたものをボディにしてティップを組み合わせたラインシステムで、テストしてみようと思っている。

ところでこのMKSのアクションだが、かなり癖のある(ある意味、病み付きになる)ロッドアクションのようで、このロッドを振ってみた友人の中には、ロッドアクションに戸惑い、自分にはまったく合わないと断言する友人もいれば、すっかり気に入って、もうMKSしか考えられないと言いきる友人がいたりと、評価はまるっきり二つに分かれるから不思議なものだ。もちろん僕は後者の方なのだけれども・・・。


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S2H14056MKS-4 Protoのコスメに関していえば、やはり例外的なものなのだろう。確かマイザーさんは、このロッドのコスメに関しては気にしないでと言っていたように思う。でも、なかなかどうして、赤のスレッドとメタリックなスレッドとがさりげなく落ち着いた雰囲気を趣きをかもし出しているし、僕にはこんなスタンダードのコスメがあっても良いんじゃないかとさえ思えた。

スタンダードビルドのガンスモーク・カラーのリールシートはロッドスペックによってリールシートの径が異なるようだった。個人的にはクラシカルなウッドインサートのニッケルシルバー仕様が好みだが、意外とこちらのリールシートも悪くはないと思う。

冒頭に述べたように、僕の中では「Meiser(マイザー)熱は未だ冷めやらず」なのである。
以前どこかで読んだ文章の中に、Meiserロッドの持つ魅力の虜になってしまうと、手持ちのすべてのロッドを売り払って、手持ちのロッドは数本のMeiserだけにしたくなる、といった内容のものがあった。
確かに僕にとっては十分うなずける内容だし、とても共感できる内容でもあった。
実際にこの兆候は僕だけという訳ではないらしく、このロッドの持つ魅力の虜になった釣り人は、僕の周りでもすでに数人。
皆さん、Meiser(マイザー)熱は未だ冷めやらずのようでして・・・。
きっと釣りの愉しみ方としては、とても偏ったものなのだろうと思う。
でも、こういった愉しみ方があってもよいのではと思った次第。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-12-08 20:05 | Custom Spey Rod | Comments(10)
2009年 12月 06日

<Vol.729> 指先の痺れ

今日のBGM : Massive Attack / Psyche(Flash Treatment)
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指先に残るチリチリとした痺れ。
きっとこの感覚は数日は続くのだろう。
キーボードのキーを叩きながらも、そんな指先の違和感を、絶えず感じ続ける。
僕にとっては、いよいよ本格的な冬の釣りが始まったという感じがする。


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12月の初めとはいえ、土曜日の十勝川はかなり冷え込んでいた。
車の外気温計は、マイナス二桁の数字を表示する。
キュっと引き締まる、カサカサに乾燥して、芯から冷え切った空気感。
そんな空気感が荒涼とした風景に拍車をかける。
上流から吹く風に、体感温度はさらに下がった。
防寒対策は十分しているとはいえ、全身に無用な力が入る。


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ロッドのガイドというガイドは、瞬く間に凍りつく。
ガイドにこびりついた氷の硬さは、僕に12月の釣りの厳しさを思い出させてくれる。
数キャストしては、ガイドの氷を取り除き、また数キャストしてはガイドの氷を取り除くという作業を、この日は延々と続けることになった。


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                   original photo by Mr.Mori


水温の低下で、アメマス達の活性はあまり芳しいものではなかったのかもしれない。
それでも時折、12月らしい寒風が吹き抜ける十勝川では友人達のロッドが曲がっていった。
前回の十勝川での心残りを解消したいと今回ご一緒したMoriさんのロッドも曲がる。
彼にもグッドサイズの十勝川のアメマスが微笑んでくれたようだ。


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午後になると、少しは寒さも緩んだのかもしれない。
さらに本流の流れは緩やかなものになる。
風は弱まり、僕がロッドのガイドにこびりついた氷の塊を取り除く間のキャストの回数が午前中よりも増えたように思った。
岸際に張り出した薄氷を割りながらポイントを巡る。
僕には午前中、数尾のプリッとしたアベレージサイズのアメマスが挨拶をしてくれた。


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                   original photo by Mr.Mori


そんなあまりコンディションが良いとは言えない午後の十勝川で、十勝川のアメマスと相性の良いSHUさんには、今回もグッドサイズのアメマスが微笑む。
きっと彼の巻くチューブフライには、何かしら十勝川のアメマスが好む秘訣が施されているのだろう。どうやら今度こっそり訊ねておく必要がありそうだ。


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十勝川下流域でのラインシステムとフライ。
AFSのType4のフルシンクSHを使う時は、もっぱらティペットの先にチューブフライやノンウェイトのストリーマータイプのイントルーダーを結ぶ。
AFSのHoverの先端4mをカットしたものやスカジットSH(最近はAirfloが好み)をボディとしたシンクティップシステムの場合は、コーンヘッド仕様のチューブフライやビーズヘッド仕様のマラブーをメインに使ったイントルーダー、ウェイト入りのストリーマータイプのイントルーダーをティペットの先に結ぶことが多い。数年前よりも、フライのサイズがずいぶんと大きく、そして長くなったような気がする。


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この日は一日を通してMeiserのS2H14067-MKSでキャストを続ける。
もちろん間違ってもリールは水につけないようにと細心の注意を払いながら・・・。
午後には60クラスには少し足りない遡上タイプのアメマスが、沢山ではないけれど、広い十勝川の流れの中で僕のフライを見つけてくれた。
グゥン、グゥン、グゥンとアメマスの激しいヘッドシェイクとシンクロしながら引き込まれていくお気に入りのMKSのロッドティップを眺めながら、僕は十勝川での初冬のアメマス釣りもそろそろ終盤を迎えているのかなぁと思ったのだった。


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                   original photo by Mr.Mori

by d-yun5-fly-elise | 2009-12-06 17:18 | spey fishing | Comments(16)
2009年 12月 01日

<Vol.728> 12月の尻別川

今日のBGM : Keith Lowe / Birds sing for their lives
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低く垂れ込めた雪雲が、下流の方からゆっくりと空を覆い始めた。
12月の風はそよとも吹かず、ただただその存在感をどこかへと消し去っている。
初夏の賑やかさとはまるで正反対のような静寂さが本流には漂っていた。
減水区間の流れと放水口からの流れとが、いつもとは少し違う表情を本流にもたらしていた昆布エリアの流れ。そんな流れをスカジットキャストを繰り返しながら、僕はゆっくりと釣り下る。
やがてこのお気に入りのエリアも深い雪に閉ざされるのだろう。
第3セクションのプールエンドで、一度だけ鱒のテイクがあった火曜日の午後。


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昆布エリアから蘭越エリア、そして栄橋と巡る。
蘭越の放水口下でスイング途中のType8のティップの先に結んだコーンヘッド仕様のE.S.Lのチューブフライを気に入ってくれたのは、小振りな元気の良いアメマスだった。
プリッと程よい肉付きをしたアメマスを流れに戻すと、なぜかしばらくぶりにいつもの僕らしい釣りに戻れたような気がした。

30羽ほどの渡り鳥の群れが釣り師の頭上を凄いスピードでかすめていった。
遠のいていくリアルな羽音を目で追うと、遥か向こうの山々の頂には白い雪が浮かんでいた。12月の本流は、相変わらず静かに流れている。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-12-01 20:51 | spey fishing | Comments(8)