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2009年 10月 25日

<Vol.721> モード・チェンジ

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季節ごとに出合える北の大地のいろんな鱒達。
そろそろ僕の中でも、パワフルな本流レインボーからネイティブなアメマスへモード・チェンジ。
晴れ渡る道東の空は、キリリと引き締まった空気感をたくわえている。
土曜日の朝は、アメマスの川として名の知れた音別川の河口で始まった。


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河口脇の横に延びたSpookyなアメマス達で溢れるプールには、すでにたくさんの様々なスタイルの釣り人達の姿。怯えた鱒達はことさら柔らかくフワリと着水したスペイラインにも驚いて、まるでクモの子を散らすかのように逃げ惑う。

ローカル・スタイル。
確かにフィールドごとに、そのフィールドに最も適した釣り方というものがあるのかもしれない。
やはりここでもルースニングなのだろうか。
それにしても数年前に僕がこのフィールドを訪れた時よりも格段にツーハンド・ロッドを手にしたFFMが増えたような気がする。

スローリトリーブの#6番のウエットフックに巻いたオリーブカラーのソフトハックルをモゾモゾっとテイクしたのは、尾びれや背びれがずいぶんと傷付いたオスのアメマスだった。アメマス達の繁殖行為の激しさというか厳しさを物語るようなその姿に、ちょっと申し訳ないような気がしたのだが、なぜか久しぶりに見るアメマスの姿に、どこかホッとするものを覚えた。


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                  original photo by Mr.Mori


1年振りに訪れる十勝川下流域は、ずいぶんとその姿を変えていたように思う。きっとこの夏に続いた長雨の影響なのだろうか。水位もまだまだ高かったようだし、釣りにならないほどではなかったけれど、濁りもそれなりに残っていた。
空の色を映し出した青い本流の対岸に数人の気の早い釣り人の姿が小さく映る。
そろそろここもシーズンインを迎えるのかもしれない。
友人達と少しの時間、濁った本流にフライを泳がせてみたけれど、結局誰のロッドもアメマスの力強さで曲がるということはなかった。

帯広の市街地を流れる十勝川本流で、川面が幻想的な美しさに彩られるイブニングの時間帯が訪れるまでフライを流してみたけれど、最後まで僕のスペイロッドに本流レインボーからのコンタクトは訪れなかったし、出来ることならパワフルな本流レインボーからトルクフルな本流アメマスへと僕のモードがスムーズにシフト出来るようなドラマを望んでいたのだが・・・。
まぁ、釣りというものは概してこういうものなのかもしれない。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-10-25 21:38 | spey fishing | Comments(8)
2009年 10月 18日

<Vol.720> 秋の道東本流にて

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対岸のバンクに向かってダウンクロス気味にキャストしたインターボディ(Hover)のスペイラインがゆっくりと深みを湛えた十勝川の流れに馴染んでいく。
Type8のティップの先には、jockさんから戴いたナイロンのテグスを編んだハンドメイドのテーパー・リーダー。
そしてフロロのティペットの先には数日前に数本だけ巻いたちょっとロングテイルのフライを小型化したIntruderタイプのフライ。まぁ、最近は天塩川のイトウや十勝川のアメマスのことを意識して、少し長めのフライを巻くことが多かったものだから・・・。


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ほどよく沈んだフライは、僕がロッドを立てて、斜めに伸びたランニングラインを少し張り気味にすると、対岸のストラクチャーの脇をかすめてゆっくりとスイングを開始した。何事もなく僕の下流にたどり着いたフライをゆっくりとリトリーブする。僕の中で緊張の糸はまだ緩んでいない。3回目のリトリーブの最中に待望の「ズン」という鈍重な鱒のバイトが僕のランニングラインをつまむ指先に巡ってきた。
だが残念ながらそれは長くは続かなかった。僕の中で期待が大きければ大きいほど、結果的にはこうなるのかもしれない。まぁ、これもひとつのめぐり合わせなのだから。


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確かに、帯広のSWING-UPさんや2ヶ月ぶりに再会した東京のtorikaiさんに案内してもらった十勝川のポイントは、いかにも大きな鱒が潜んでいそうな対岸にストラクチャーが点在する、魅力的なポイントだった。
広大な十勝川の流れが二つに分かれたうちの一方の流れで、その魅力的なランはおおよそ下流へ100mほど続く。淡いグレーに染まる曇り空の十勝の空。
時折白鳥達の鳴き声が羽音とともに頭上の直ぐ上から響いてきた。


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最初のテイクは、まったくもって不意に訪れた。
フライをキャストし、コーンヘッド仕様のチューブフライがゆっくりと沈んでスイングが始まるまでの間、horiさんとの話に気をそらしている最中に、いきなりロッドティップが引き込まれる。
あまりにも不意だったものだから僕は一瞬ドキリとしたのだけれど、僕の大き過ぎる期待とは裏腹にやり取りを通してそのサイズは少しずつサイズダウンしていき、結局のところ僕がいつか出合ってみたいと思っている十勝川の大きな本流レインボーよりもマイナス20cmは小さなレインボーだったと思う。
まぁ、これもひとつのめぐり合わせなのだから仕方がないのかも。
朝の1回目の釣り下りにて。


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その後イブニングのプライムタイムを迎えるまでの間、十勝川のいくつかのポイントを彷徨ったけれど、思わずうっとりするようなリールの心地良い逆回転の音色を響かせてくれるような秋の十勝川のレインボーには出合えずじまい。まぁ、こればかりはいつもの事だから仕方がない。すべてはめぐり合わせそのものなのかもしれないのだから。

土曜日の十勝川本流にて。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-10-18 18:27 | spey fishing | Comments(10)
2009年 10月 12日

<Vol.719> 風吹き抜ける秋の湖

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                  original photo by Mr.SHU


イトウのことをTaimen(タイメン)と呼ぶのを知ったのは、数年前に前の職場の方達とサハリンへ釣りに行く少し前だったかもしれない。
僕の知り合いの多くはイトウのことを「タイメン」とあまり抑揚をつけずに発音するけれど、なぜかサハリンのロシアの釣り人達は「タイメーン」と語尾を延ばし、さらに抑揚をつけて発音していたのが印象的だった。
サハリンの湖で、大きなイトウがトゲウオの群に大きな波紋を立てながらボイルするのを指さして、「タイメーン、タイメーン」とガイドの方が叫ぶのである。
ところ変われば、魚の呼び方もずいぶんと変わるもんだなぁと思った次第。


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雨のハイウェイを北上して朱鞠内湖に辿り着いたのは、日曜日の夜明け前。すっかり激しい雨は降り止んでいたけれど、そのかわり湖面には秋の冷たい強風が吹き続けていた。まぁ、朝のうちは湖のコンディションは悪くはなかったのかもしれない。だっで今回も同行したhoriさんは数キャスト目にはしっかりと彼のバークハイマーがトルクフルなイトウの力強さで気持ち良くカーブを描いていたから。まぁ、いつものように僕にフライには何事も起こらないのだけれども、こればかりは仕方がない。渡船前の取水崎での事。

今回は朱鞠内湖の北部への渡船ではなく、湖の中央に位置する北大島へ渡船した。
案の定というか予想通り、僕らが北大島に渡してもらった時には、朝の風はさらにその勢いを増していたように思う。打ち寄せる波で岸際はみるみるとサンドベージュに濁り、湖面を吹き抜ける強い風は僕のペリーポークからのスペイキャストも容易でないものにさせた。
秋の強風は、迎えの船がやってくるまで、とうとう弱まるということを知らなかった。

フィヨルドのように地形の入り組んだ朱鞠内湖。まるで別世界のような穏やかな秋の雰囲気の風裏を探してキャストをするが、なぜかそこでは鱒の気配を感じなかった。
そういえば今回僕は一度もワカサギの泳ぐ姿を見かけなかったように思う。

湖水の温度がさらに下がれば、また何かが起こることもあるのだろう。
帰り際、結局この日最後まで鱒からのコンタクトがなかった僕に漁協の中野さんが「Yunさん、11月からは私が渡船をしますから、良い所に案内しますよ」と声を掛けていただく。
この「良い所」という言葉に非常に弱い僕は、初冬の雪景色の朱鞠内湖に「タイメーン」に出合いに足を運んでしまうのかもしれない。


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追記: Used Tackleを更新しました。ヤフオクにも出品しています。

by d-yun5-fly-elise | 2009-10-12 21:07 | spey fishing | Comments(14)
2009年 10月 07日

<Vol.718> 秋空のBGM

今日のBGM : I would never / The Blue Nile
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こんな移りゆく秋空には、The Blue NileのPaul BuchananやDavid Sylvianのどこか遠くを見つめるようなたそがれた歌声が、もしかしたらBGMにはふさわしいのかもしれない。
尻別川へと続くいつもの道程、流れていく風景は明るい色なのだけれどもどこか物悲しさのようなものを湛えながら少しずつその色を変化させていく。
稲刈りもそろそろ終盤なのだろうか。農家の方達が何かにせきたてられるように慌しく働いていた。
カサカサという乾いた葉音と共に心地良い風が本流を吹き抜けていく中、僕は水位の下がった午後の尻別川をゆっくりと釣り下ることにする。


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流れが緩やかな川底には、その一生をまっとうした朽ち果てようとするサーモンの姿をたくさん見た。
それに時々この時期独特のあの匂いが、やはり鼻をつく。
これもこの川が生きている証なのかもしれないなどと思う。

今日のスペイロッドはMeiserの14'#6/7MKSにAirfloのSkagit Compact 480grの組み合わせ。Type6のティップの先には2.5号のフロロのティペットを1.5mほど。そしてその先にはエッグサッキングリーチのコーンヘッド仕様のチューブフライ・バーション。

パラパラっとお天気雨がかすめる中、河原の土手でのコーヒーブレークを挟んで、いくつかのポイントを彷徨ったのだが、相変わらずいつものように僕のキャストするフライは何事も無く僕の下流へと泳ぎ着く。

初夏に引き続いて、今の時期はその次に本流で過ごしやすい時期なのかもしれない。
でも、日が暮れ始めると、予想通りグッと気温が下がり始めた。
やはり秋の鱒釣りは難しいなぁと思う今日この頃、イブニングというプライムタイムを迎えた空を見上げながら、帰りの車の中でもThe Blue NileのCDを聴こうと僕は思った。



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by d-yun5-fly-elise | 2009-10-07 21:02 | spey fishing | Comments(8)
2009年 10月 04日

<Vol.717> Northern lake / Syumarinai

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北部渡船の集合場所は母子里クリスタルパーク、時間は朝の5時。

めまぐるしく変わる秋の天気だけはまったくもって予想不可能なのかもしれない。
金曜日に降ったまとまった量の雨は、天塩川本流のイトウから朱鞠内湖のイトウへと僕らが立てていた週末の釣り旅の予定を変える。


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                  original photo by Mr.SHU


金曜日の夜に、慌しく#4番のストリーマーフックにオリーブカラーのゾンカーを巻いた。
相変わらず同じフライを巻き続けるのは苦手なようで、僕にはせいぜい5本巻くのが精一杯だった。
ヘッドセメントが乾くか乾かないうちに、そんなフライ達を湖用のフライが入ったホイットレーのアルミ製のフライボックスにしまい込む。
この時点で僕の頭の中はすっかり本流モードから湖モードにシフトチェンジ。
ランニングラインをリトリーブする指先に不意に訪れるまるで根掛かりのような重量感を伴った違和感の感触の記憶がふっと僕の頭の中をよぎった。


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朱鞠内湖漁協の中野さんの操船する小さな船が、僕らをまるでフィヨルドのように入り組んだ朱鞠内湖北部のポイントへと運んでくれる。
雨上がりの朝靄のかかった秋の始まりの朱鞠内湖の風景、湖岸を覆う針葉樹のフォレスト・グリーンと少し色付き始めた白樺などの広葉樹の山吹色やオレンジ色が、静寂の中をエンジン音と共に流れていった。


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朱鞠内湖の流入河川のインレットにイトウ達が集まるタイミングはすでに終わってしまっていたようで、僕らはインレットから少し離れたいくつもの大きな大木の切り株が湖面から突き出た遠浅のポイントで船から下ろしてもらい、それぞれがお気に入りのスペイロッドを振った。
雲が低く垂れ込め、湖を静寂さが包み込んでいる。
湖に静かにウェーディングし、キャストとリトリーブを繰り返す。
そんな早朝の湖面では、沢山の小さなワカサギ達が群になって水面下を泳ぎ、時々回遊してきたトラウト達に追われてワカサギ達が水面がザワつかせたり、トラウト達がワカサギの群に向かってボイルする光景を何度も目にした。


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ギラギラとしたメタリックなボディが水面下で輝く。
最初に僕がリトリーブするオリーブカラーのゾンカーを見つけてくれたのは、ワカサギを飽食したのか、おなかの周りがふっくらとしたアベレージサイズの陸封型サクラマス。
やがて南寄りの風が強まり始めて湖面に小波が立ち始めると、あれだけいたワカサギ達の姿も少しずつ見えなくなっていく。岸際をポイント探しながら歩くと、切り株の下に沢山のワカサギ達が集まっていた。
残念ながら僕はこの日最後まで朱鞠内湖のイトウには出合えずじまい。


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朱鞠内湖漁協の中野さんに教えてもらったふたつ目のポイント。
horiさんの手にしたBurkheimerの14'2"#8のスペイロッドが美しいカーブを描く。
ぬかるんだ岸際に横たわったのは朱鞠内湖のアベレージサイズのイトウ。
初めてイトウに出合ったhoriさんからは笑みがこぼれる。

秋が始まったばかりの朱鞠内湖は、まだまだ水温が高かったように思う。
紅葉がさらに進み、湖岸が落ち葉に覆われて、北国らしい白い雪がグレーの空からフワフワと舞い落ちる頃、もしもチャンスに恵まれたなら、この湖独特のあの何とも言えない釣り人を孤独にさせてくれる静寂さを感じにまた訪れてみたいと思った。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-10-04 20:25 | spey fishing | Comments(8)