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2009年 01月 26日

<Vol.645> 湖水の色は、まさしく深いblue

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日曜日の午後、たった数時間だけど、というか薄いネオプレーンのウェーダーではそれだけの時間しか寒さで身体が持たなかったのだけれども、最近シューティング・スペイに興味を持ち始めたという古くからの友人と、真冬の支笏湖の湖畔に佇んだ。

湖面に吹く風は、凍えるぐらいにピリピリと冷えきっていて、手にしたスペイロッドのガイドというガイドは、瞬く間にガチガチに凍りつく。そんな真冬の湖が僕の目の前に広がっていた。

無機質で硬質な感じのする湖水のブルー。不思議なぐらいに匂いすら感じない。
濡れたヨレヨレのSSTジャケットが瞬く間に凍りつく位に冷えて乾ききった空気を吸い込む度に、僕の鼻孔の奥の粘膜がヒリヒリとむず痒くなる。
それでも、腰上までディープウェーディングして美笛の古い桟橋跡の朽ち果てた支柱に片足を乗せながら、目の前から急激に深いブルーへと色の変わる湖水に向けて、AFSのType4のフルシンクヘッドを何度も何度もキャストした。ロングシャンクのフックに巻いたキールタイプの黒のウーリーがゆっくりと沈んでいくのを頭の中でイメージしながら・・・。
カウントダウンはおおよそ30秒。いやいや、もしかしたらそれ以上カウントダウンしても良いのかもしれないとさえ僕には思える。それぐらい深淵で底までには到底届きそうもない湖水の色に僕の目には映った。


P.S.今回はスペイが初めてだという友人にツーハンド・ロッドのタックル一式を貸したのだけれども、今年からAFSのフローティングラインを視認性の良いスティールヘッド・オレンジのカラーに変えてみた。昨年のショアでのサーモンやカラフトマスのシーズンやカメムシ・フライを湖面に浮かべるシーズンで使用した、いわゆるポピュラーなイエローとライトオリーブのツートーンカラーのこのラインは、とにかく視認性が悪くて、フローティングラインであるにもかかわらず、まるでブラインドで釣りをしているような気分だったから、今年は少しは気分良く釣りが出来そうな気がしている。


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今日のBGM : Nils Petter Molvaer / Leaps and Bounds



by d-yun5-fly-elise | 2009-01-26 20:14 | spey fishing | Comments(8)
2009年 01月 19日

<Vol.644> 1月の尻別川

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薄い皮膜を被せたような冬の青空から、柔らかい光が差し込んでいた。
風の穏やかな1月の日曜日、これからスキーを楽しもうという人々を乗せた車で混み合う峠道を越えて、僕らはお気に入りの本流へと向かう。
峠を越えると道路脇に高く積もった雪山の隙間から、深いブルーの色合いを湛えた冬の本流が顔をのぞかせた。
それにしても、もしも誤って素手でその流れに手を差し込もうものなら、瞬く間に凍てつきそうな鋭角的でナイフのように研ぎ澄まされた色合いである。
そんな色合いを、河畔に降り積もった雪の白さがさらにいっそう磨きをかけていた。


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蘭越の放水口エリアで、僕らは釣り人の足跡すら見つける事が出来なかった。
小さな動物の足跡だけが雪の上をなぞってるだけ。
車から本流までそれほど距離があるわけじゃないけれど、スノーシューすら持ち合わせていない僕らにとって、深雪の中をウェーダーを履いたまま、本流にまでアプローチするその距離は、途方もない距離のようにすら感じられた。

少しだけ除雪車が入った栄橋に車を走らせる。
それでも、深雪の中を一歩、また一歩とラッセルし、本流に辿り着いた時には、すでに僕の息は心臓が痛くなるぐらいにまで上がっていた。
岸際の柔らかい新雪に腰掛け、ゆっくりと息を整える。
やがて僕の周りに冬の静寂さが訪れ、聞き覚えのある穏やかな音色が耳元に響いてきたのだった。

減水した冬の本流はいつも以上に穏やかに流れていたように思う。
どこか清々しい心地よさのようなもの感じながら、岸際の幾重にも重なった氷を割りつつ、ポイントへとアプローチする。


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鱒に出会える事はそれほど期待していなかったといえば嘘になるかもしれない。
もしかしたらという思いが全くなかった訳じゃないけれど、穏やかな冬の空の下で、ゆっくりとキャストをする事とフィールドでのんびりと過ごす時間を楽しむ事だけを考えていた。
そう、無用な期待は禁物なのである。

それにしても、岸から張り出した氷でかなりのディープ・ウェーディングを余儀なくされる。張り出した先端部分が薄くなった氷を、身体を上下させて割りながら、少しずつステップダウン。
やがて僕が核心部と思っているポイントにさしかかろうとする頃、Type6のティップが繋げられたスカジットSHが不意に引き込まれた。
一瞬、それは僕が割った氷が下流に流れてフライに引っ掛かったのかと錯覚したが、やがてその振幅は徐々に不規則なものへと変化していき、冷たい川面が水飛沫とともに割れた。
スイングするティペットの先に結んだ小さなPseudo Intruder(black&orange)をテイクしたのは、40クラスのアベレージサイズのアメマス。
身体に散りばめられた白くて大きな斑点が眩しい、冬の本流では嬉しい出会いである。

アメマスの動きは雪の上では、あっという間に鈍ってしまう。
下顎からフックを外し、冷たい流れに戻すと、そのアメマスはゆっくりと深いブルーの色合いの中に溶け込んでいったのだった。


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もしかしたらこの時期に目名川の合流付近にアプローチするのは初めてなのかもしれない。
いや、ロッドを振ることすらも初めてなのかもしれないが・・・。
それにしてもついつい冬ということを忘れてしまいそうになるぐらい、素敵で魅力的な釣り人にとってはいかにもという流れだったように思う。
ゆっくりと対岸からクロスする本流の流れの筋と、そのあとに続く深いプール。
僕はすっかり冷え切って感覚が鈍くなったブーツの中の足先の事も忘れてしまうぐらいに、ワンキャスト、ワンキャストに集中した。
またひとつ、訪れてみたいエリアが増えたように思えた日曜日の午後だった。


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                  original photo by Mr.ABU


今日のBGM : Nicola Conte / Black Is The Graceful Veil



by d-yun5-fly-elise | 2009-01-19 22:20 | spey fishing | Comments(8)
2009年 01月 17日

<Vol.643> Blue colors

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左の2本はサーモン・スティールヘッド・フックの#4
右上は同じくサーモン・スティールヘッド・フックの#6
右下はLOOPのブラス製のボトルチューブ1/2inchに巻いたもの


尻別川では黒にゴールド、それにオレンジ。
十勝川ではチャートリュースにオレンジ、それに黒。
止水域ではもっぱらオリーブに黒などのナチュラル系のカラー。

もちろんイエローや赤、グリーンにピンクも加えるのだが、なぜかパープルやブルーなどの色合いがほとんど見当たらないのが僕のフライボックス。
水中ではその印象が幾分変わるピーコック・ブルーネックは除外したとして、寒色系、中でもブルーという色合いは特にその傾向が強いように思う。

フライショップにところ狭しと陳列してある様々なマテリアルの中でも、やはりブルーという色合いはなかなか見つけることが出来ない色合いの1つなのかもしれない。最近でこそ、カシミアゴートやアークティックランナー、それにフォックステイルやスペイコックなどのマテリアルで見つけることが出来るようになり始めてはいるが・・・。

北米のサイトを見ていると、スティールヘッドのパターンとしてボディやウイング、それにハックルなどにパープルをもちいているフライを見かけることはあるが、イントルーダー・パターンを除いて、ウイングにブルーをもちいているウエット・パターンは僕が知る限り少ないように感じる。
でも、以前購入した「WETS」という雑誌には、ブルーのGPもイエローやチャートリュース、それにパープルのGPに混じって写真の中に出ていた事だから、案外スティールヘッドには好かれるカラーなのかもしれない。
最近は道北のイトウにブルーなどの色合いをブレンドしたカシミアゴートを使う友人もいるから、もしかしたら意外と本流でもレインボーに好かれるのかもと思ってしまう(ティペットの先に結ぶのには、かなり勇気がいるかもしれないが・・・)。

そんな訳で、最近テムズで店長さんからお借りした「ART OF ANGLING JOURNAL」という写真のひときわ美しいフライフィッシングの洋書をうっとりと眺めながら、アトランティック・サーモンのパターンを参考に、レシピのアークティックランナーよりも少しは安価なフォックステイルのブルーをメインにあしらってフライを何本か巻いてみた。

さて、いざフライは巻いてみたものの、フィールドで実際にティペットの先にこれらのブルーのフライを結ぶ勇気というか潔さが僕にあるかの方が、何よりの課題のような気がするが・・・。


今日のBGM : Melody Gardot / Goodnite



by d-yun5-fly-elise | 2009-01-17 19:11 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(4)
2009年 01月 13日

<Vol.642> 艶やかなボディ / 漁港の海アメ(White-spotted char)

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漁港の斜路に横たわる見事な体高と艶やかなボディの持ち主。
ロング・ストロークのリトリーブを繰り返す左手に、「ゴン」と鈍重な衝撃が訪れたのは、
時計の針が午前9時よりもほんの少し先を刻み始めたあたりだろうか。
漁港の斜路に立ち、スペイキャストを始めて、すでに2時間近くが経とうとしていた。

2009年の僕のスペイキャストによる釣りは、道南に位置する日本海に面した小さな漁港の斜路から始まる。


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2009年の最初のフィールドは島牧周辺の海岸でも良かったのかもしれない。
でも、薄っすらと明け始めた空に浮かぶ大きな月の月明かりに照らされた島牧の海岸線は、白波が立ち、スペイキャストが困難であるということが、容易に想像できた。
僕らは島牧海岸を通り過ぎ、岸際が氷に覆われた後志利別川に掛かる橋を渡り、さらに先の鵜泊漁港を目指す。
この日本海に面する小さな漁港は、海が時化るとアメマスが漁港の中に入る事があると言われているが、そうでないとあまりにも海水の透明度が高い為に、アメマスの姿をほとんど見る事が出来ないと言われている。
つまり、アメマスに出会えるかどうかということは、その日のお楽しみといったところだろうか。

右背後から吹く冷たい潮風の息遣いは、予想したほど荒々しいものではなかった。
何も事前情報がない中で一抹の不安を抱くのだが、そんな不安は足下が滑りやすい斜路に立ち、ペリーポークでキャストを始めて30分もしない内に拭い去られた。
2度の前アタリの後、イワタ・スペシャルのデラックス版(アイをつけ、オーバーウイングに切り余っていたオリーブのカシミアゴートをほんの少しトッピングしたもの)を咥えてくれたのは40クラスのアベレージサイズのアメマスだった。
何度も斜路の上を飛び跳ね、フックを外すにも一苦労する。
そんなアメマスはフックを外しリリースすると、あっという間に海水の色に同化して、その姿が見えなくなったと同時に、僕の肩から何とも言えない緊張感のようなものが解けていくのがじんわりと感じられた。

そんなアメマス達の心地良い躍動感を手にしたロッドを通じて何度か感じたあと、ロング・ストロークのリトリーブの繰り返しで疲労感を伴い始めた左手に、予想以上の強い衝撃が訪れる。
AFSホバー改の先にはType3のティップと3Xのリーダー。
余ったランニングラインを巻き取り、3Xのリーダーでギリギリの所までブレーキを絞ったソブリンから、アメマスの躍動感とともに、ジリ、ジリっとラインが出て行く。
ロッドから伸びるスペイラインが鋭角的に海面へと突き刺さり、冬の気まぐれに吹く冷たい風で小波の立つ漁港の海面が、アメマスがその身を大きくよじるとともに、時折大きく割れた。
僕にとってはかなりスリリングな時間が流れる。
横にいた友人には、「バレれても良いんだ・・・」と顔をこわばらせながら言いつつも、内心では、「頼むからバレないで・・・」と祈っていたのかもしれない。
そんな祈りが通じたのかどうかは別として、ふと気が付くと、漁港の斜路には僕の予想を越えるふっくらとした艶やかなボディの大きなアメマスが横たわっていた。
僕にとってはグッド・コンディションの63cm。
どうやら3Xのナイロン・リーダーは、僕の少々強引とも思えるランディングにもかかわらず、切れずにすんだようだ。

ほんの少しサテンがかった色合いの背中を持つアメマスから、不釣合いなぐらいに小さな#8番のフックに巻いたイワタ・スペシャルのデラックス版を外し、そっと海へと戻すと、今度はじんわりと安堵感のようなものが湧き上がってきたのだった。

このあと、60クラスには届かないが、背中がグリーンバックの美しいアメマスにも出会う。
2009年の最初の釣りは、冷え切った指先の痺れも忘れるぐらいの釣りだったように思う。


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今日のBGM : The Five Corners Quintet / Hot Rod



by d-yun5-fly-elise | 2009-01-13 20:42 | spey fishing | Comments(16)
2009年 01月 07日

<Vol.641> タイイングのアイデア、もしくはそのインスピレーションの源

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いざフライを巻こうとして、タイイングバイスの前に座り、おもむろにアップアイのフックをジョーに押し当てて、レバーをコクっと下におろしたとしても、なかなか新しいフライを巻くアイデアというものは浮かんでこないものである。
イメージやアイデアが浮かんでこないと、頭の中にはただただ真っ白な何も描かれていないキャンバスが広がっているだけ。
数秒間の空白の時間が流れたあとに、僕は少しずつ作業を始めるのだが、やっぱり出来上がるのはいつものお決まりの代わり映えしないフライ達というか同じパターンばかり。
それにフライボックスを広げてみたって、黒やオリーブにゴールド、それにオレンジにチャートリュースという色ばかりで、世の中には他にもいろんな色があるのになぁなどとついつい気持ちがめいってしまうというか、ある意味僕は自分のイマジネーションの乏しさにうんざりしてしまうのだが・・・。

おまけに最近は海外のサイトを巡っていて、「オオ!これはなかなかいいかも」とアイデアが広がりそうなフライのパターンに巡り合えたとしても、数分後にはすっかり記憶の片隅から薄っすらと消えかけそうになっているから、実に始末におえないのである。

だから最近の僕は、いろんなサイトを巡っていて気になるフライパターンに出会うと、なるべく
PCのファイルに残すように心掛けている。そして時々プリントアウトしては、タイイングの際の参考というかヒントにするようにしている。

そんな中、最近海外のサイトで実に面白いというか刺激を受けそうなサイトを見つけた。
写真も美しいが、フライのパターン(特にチューブ・フライやソルト系のフライ)もなかなかユニークであったりする。おそらく北欧(デンマーク?)のサイトだとは思うのだが・・・。

                    The Global FlyFisher


今日のBGM : ltc trio / Easy Does It



by d-yun5-fly-elise | 2009-01-07 00:12 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(18)