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カテゴリ:belgian beer( 5 )


2006年 05月 18日

<Vol.269>ST.SEBASTIAANと大きな鱒

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ダイニングに通じるドアを開けると、いつもの食卓の上に敷かれた赤のテーブルクロスの上には短いローソクが去年よりも1本増えたバースデーケーキが置かれていて、夕暮れの青い光が窓から差し込む中、ろうそくの火が部屋の中でユラユラと揺れていた。嬉しい事に先日、家族がささやかに僕のバースデーを祝ってくれたのだった。

この日のために取って置いたわけではないけれど、以前僕の連れ合いが東急ハンズで開かれていたベルギービールフェアで買ってきてくれた3本のベルギービール。その最後のいかにも高級品ぽい陶器に入ったビールの栓を開けてみた。

「ST.SEBASTIAAN  セント・セバスチャン」というビールだ。
裏のラベルを参照するならば、
「上面発酵で作られるスペシャルエール。色はオレンジ色がかった明るい金色。甘い柑橘系の香り、シャープなキレ味が食欲をそそる辛口タイプの特級品。スターケンズはベルギー北部、オランダ国境ぎわにある小さな村メールで、約300年の歴史と伝統を持つ醸造所。「セント・セバスチャン」はスターケンズ醸造所を見守る守護聖人の名前。ユニークな陶器の瓶と僧侶のラベルで、世界中で人気。」と書かれている。
グラスに注いだビールを一口飲んで、僕は後悔した。もちろんそのビールは何の申し分もなく美味しかったんだけれど、家族がほんのささやかだけれど僕のバースデーを祝ってくれて嬉しかったものだから、そっちの方が印象深くて、取っておきのベルギービールの味がなんとなく印象に薄いのだ。実はこれを書いている今でもはっきりと味が思い出せないでいるぐらいだから・・・。やっぱり楽しいことや楽しみは一つだけの方が良かったのかもしれないと、ちょっと欲張った事を後悔した。

家族から貰ったバースデーカード。不思議な事にカードにはそれぞれ僕のイラストが書かれていて、どういうわけか僕のイラストには共通点が見うけられた。大きなハットを被って眼鏡をかけて髭を生やしている僕。もちろん手にはフライロッド。そしてラインの先には僕のからだよりも何倍も大きな鱒が描かれているのだった。思わず吹きだしてしまいそうになった。家族にとって僕がどんな風に映っているかは大方予想がついていたけれど、これほどまでに共通しているとは。それにしても、いくら僕が大きな鱒好きだといっても、これはちょっと鱒を大きく描き過ぎなのである。

今日のBGM:J.S.BACH/CANTATAS BWV 4・56・82

by d-yun5-fly-elise | 2006-05-18 19:47 | belgian beer | Comments(26)
2005年 09月 26日

<Vol.130>DUCHESSE DE BOURGOGNE

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 連れ合いが買って来てくれたベルギービール。そのルビー色をしたレッド・ビールは、どことなく懐かしくて子供の頃の記憶が蘇りそうな甘い味がした。

 世の中はちょっとしたベルギービールブームなのだろうか。連れ合いがたまたま立ち寄った東急ハンズでは、小さなベルギービールフェアみたいなものが開かれていて、僕のベルギービール好きを知ってか知らずか、嬉しい事に2本のベルギービールを買って来てくれた。

 "DUCHESSE DE BOURGOGNE ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ"
 裏のラベルには「ヴェルハーゲ・ヴィヒド醸造所のフルーティーなレッドビール。甘さとオーク樽で熟成する時にに醸される酸味が効いた後味が特徴」と書いてある。表のラベルには、中世の少女のような女性と小鳥が描かれているけれど、いったいどういう意味があるのだろうか。

 グラスに注いだ美しいルビー色をしたレッドビール。期待しながら口に含んでみると、子供の頃の懐かしい甘い味。あまりビール酵母は強くなくて、どことなくライトなテイスト。不思議と炭酸の抜けたサイダーのような後味がした。でも、このフルーティーな味わいはどこか僕を病みつきにさせそうな予感がした。
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by d-yun5-fly-elise | 2005-09-26 21:12 | belgian beer | Comments(6)
2005年 07月 22日

<Vol.85>ラベルの中の鱒

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 驚いた事に、時間が経つにつれ、その明るいルビー色に近い赤褐色のビールは、僕好みの味に変わっていった。

 遠くから豊平河川敷での花火大会の音が、テンポ良く聞こえてくる。でも、ここからでは、花火の音しか楽しめないのが残念だ。こんな夕暮れにはと、僕はおもむろに、冷蔵庫からとっておきのベルギービールを取り出した。

 ORVAL(オルヴァル)というベルギーのトラピストビール。名前の通り、オルヴァル修道院で造られているそうだ。裏のラベルには「修道僧が昔ながらの伝統製法で造るビール。フルーティな香り、苦味の効いた味わいが格別なトラピストの最高峰のビール」と書いてある。
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 ゆっくりと栓を抜いて、グラスに注いだ。光の加減によっては、明るいオレンジ色にも見える、その美味そうな飲み物を飲んでみると、僕の期待のボルテージが一気に下がってしまった。

 ピリピリと口の中でビールの苦味だけが広がった。どうやら、冷蔵庫で冷やし過ぎたようだ。少し、時間を置いて、味が落ち着いてから飲む事にした。

 あとから気付いた事だが、ラベルに描かれている魚は、鱒だそうだ。なぜ、鱒なのかは僕には分からないけれど、きっと鱒が穏やかに暮らすような綺麗な流れの川の水から造られたビールという事なんだろうかなどと勝手に考えてしまった。でも、ワインのラベルに鱒が描かれてあるのは見た事はあるけれど、ビールのラベルにデフォルメされた鱒が描かれているのを見るのは初めてかな。

 常温に近くなったビールを飲んでみると、驚いた事に、まるで味が違っていた。落ち着いた深みのある味。どこか懐かしい味。僕の記憶の底に眠っていたものにパッと光が照らされたような感じがした。このビール、決してギンギンに冷やしてゴクゴクと渇き切った喉を潤すように飲むものではない。ギネスと同じようにゆっくりと重厚なテイストを味わいながら飲むビールだと思う。機会があれば、また買ってゆっくりと飲んでみたい。中世の鱒のことでも考えながら。
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今日のBGM:SPK/Zamia Lehmanni Songs of Byzantine Flowers

by d-yun5-fly-elise | 2005-07-22 22:20 | belgian beer | Comments(4)
2005年 07月 07日

<Vol.73>禁断の果実

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 学生の頃ベルギーで飲んだ赤褐色のビールの味が忘れられなくて、リカーショップに行っては、いろんなベルギービールのラベルに魅かれて、もしかしたらこれかもと、手に取ってはみていた。でも、その値段を見て、やっぱり今度にしようと、元あった場所に戻していた。
 先日、本屋に立ち寄った時、偶然にもベルギービールの特集をしていた雑誌を見つけた。ずいぶんと種類があるようだ。そんな中でも、ちょっと気になったビールのラベルをいくつか記憶にとどめて、本屋をあとにして、リカーショップに向かった。

 Hoegaarden(ヒューガルデン)社の「禁断の果実」

 ラベルと名前が気に入った。以前からラベルは気になっていたけれど、同じ会社の白ビールの失敗があったので、買うのに実は躊躇していた。
 「禁断の果実」、あまりにもダイレクトなネーミングに、本当に飲んだら病み付きになるんだろうかなどと単純に考えてしまった。
 「少しオレンジがかった淡いこげ茶色。甘く豊かなカラメル香。ほのかな甘みと柔らかい苦味があり、ミディアムフルボディのコクのある旨口タイプ」と、説明書きには書いてある。きっと、どこかの修道院で作られたビールのように門外不出の芳醇で重厚な味がするんじゃないかと、ついつい1本買ってしまった。

 数日間、僕の期待が熟成するのを待って、恐る恐る栓をあけてみた。グラスに注ぐと、赤褐色の美味しそうな飲み物が、僕の目の前にあった。色合いは申し分ない。期待通り。
 一気にそのグラスの注がれた赤褐色のビールを飲み干した。

 もう少し重みが欲しかった。僕にとってこのビールはキレが良すぎる。でも、十分美味しかった。でも、毎日は飲めないなぁ。このビール3本の値段で、ゴードン・ジン1本では割に合わないと思った。

 実は、密かにもう1本、僕が期待しているベルギービールがある。
 僕の、思い出のベルギービールの味を探す旅はまだまだ続く・・・。
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by d-yun5-fly-elise | 2005-07-07 20:17 | belgian beer | Comments(6)
2005年 06月 08日

<Vol.53>白ビール

 僕は、ビール酵母のメチャメチャ効いたビールがお気に入り。酵母の香りもそうだけれど、あの、ちょっと白濁した感じが何ともいえない。
 15年以上前の学生の頃、ベルギーのレコード会社と契約したこともあって、ヨーロッパの国々にバンドのプロモーションで数週間滞在した事がある。そのときに飲んだ、ベルギーのビールの味が今でも忘れられない。確か、ブリュッセルかアントワープだったと思うが、夕方、ギリシャ料理の店に連れて行かれて、残念ながら、ギリシャ料理の記憶はほとんど無く、やけにたっぷりオリーブの実が入っているなぁぐらいなんだけれど、そこで飲んだルビーのような赤褐色の色合いでやや濁った、ビール酵母の効いた、フルーティなワインのような味わいの、ベルギーの地ビール。決して軽くはなく、舌にマッタリとくる重いテイストのビール。名前も何も分からないけれど、メチャメチャ美味しくて、日本では味わったことがないビールだった。今でも、僕の記憶の中に、しっかりとインプットされている。
 リカーショップでベルギーのビールは、時々見かけることはあるけれど、なかなか高くて手が出せなかった。そんな中で、あのベルギーで飲んだ地ビールのテイストに一番近かったのが、銀河高原ビールの白ビールだった。だから、時々リカーショップにフラっと立ち寄っては買ったりするんだけれど、僕としては、もう少し重めのテイストとあのルビー色に近い色合いが欲しいところ。でも、美味しいんだよね、これがまた。
 そんな訳で、この前リカーショップによった時、ゴードン・ジンを買ったついでに、初めてベルギー産の小さな瓶に入った白ビールを1本買ってみた。「Hoegaaden White(ヒューガルデン・ホワイト)」というベルギー産のビール。何日か冷蔵庫で冷やして、昨日飲んでみた。
 期待ハズレだった。ただ、薄いビール(発泡酒)にビール酵母のテイストをほんのり加えたような感じ。これじゃあ、銀河高原ビールの白ビールの方が俄然美味しいと僕は思った。もし、とてつもなく美味しくて、僕の期待にこたえてくれるビールなら、今度フィールドに行く時には持っていって、これで仲間と乾杯しょうと思っていたんだけれど、また、別のビールを探さないといけなくなってしまった。
 いつになったら、僕の記憶と重なり合うベルギーのビールに出会えるのだろう。
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by d-yun5-fly-elise | 2005-06-08 18:41 | belgian beer | Comments(4)