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2009年 07月 01日

<Vol.689> ちょっとした雨の中のツーリング

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すっかり放電しきってしまったエリーゼのバッテリーを一晩かけて再充電し、エンジンルームの後ろにある小さなトランクの左横から伸びる配線をそれぞれの端子に再接続した。
キーを差込み、イグニッションキーを回すと、ブルン、ブルンとエリーゼのエンジンが久しぶりに息を吹き返す。今のところはエンジンも順調に回転しているようだ。
どうやら空の雲行きが怪しいので、今日は幌は外さない。
トランクにはウェーダー類、サイドシートにはタックルの入った小さな黒いバックとスペイロッドを積み込み、低い雲のかかった中山峠に向けて車は走り出した。
案の定、途中からは小雨模様の天気。
まぁ、ちょっとした雨の中のドライブというのも悪くは無い。


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今日は一ヶ所もヌカカに噛まれなかった。
つまりは、のんびりとした時間から尻別川に出掛けたということ。
本流にまだ雨の影響は無いようだが、時折上流から重みを伴った6月最後の風がしっかりと吹いていた。
下流には二人の先行者が居られるようだ。
僕は僕のペースを守りながらゆっくりと釣り下ることにする。

今日はお気に入りの#6/7のMKSで3つの異なるラインを試してみたいと考えていた。

昆布エリアの第1セクション。流れ込みから中間部までは流れが複雑になっているから、ここではType6のティップを繋いだスカジットSH。
ちょうど第1セクションの中間部にさしかかる辺りで、流れをスイングするフライとラインがまるで根掛かりのように不自然に止まった。続いてグゥン、グゥンと鱒の躍動感がラインを通してロッドに伝わってくる。久しぶりに第1セクションで出合った鱒はアベレージサイズのレインボーだった。


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第1セクションの中間部から第2セクション。ここではラインをAFSホバー改、ティップをType3とし、1Xのリーダーの先にはいつもの黒のウーリーではなく、最近スティールヘッドのパターンブックを見ていて気に入った「Herniator」というウエットフライを少しアレンジしたものを結んでみた。
確かこのパターンブックも、ずいぶんと前に南青山の「Angler's book」という釣り関係の洋書を扱う店で買ったものだが、時々その存在を思い出して何気なく読み返していると、なかなか新しい発見があったりして面白いなぁなどと思っている。
そんな訳で、相変わらず小雨の降り注ぐ本流の川面。その下をゆっくりとスイングするフライ。
コン、コンと何かが触れる前触れのあと、小振りなレインボーが慌てたように飛び出してきた。


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さらに複雑な速い流れの第3セクション。ここではラインをAce double sink2/sink4に交換。フライも流れの中に早くしっかりと沈めたいので、ウエットからコーンヘッド仕様のチューブフライに替えた。
ペリーポークからのキャスト後は、リーチキャストの要領でラインを少し上流に着水させる。
手前からふたつ目の流れの筋をゆっくりとスイングするフライ。
不意にグッ、ゴ、ゴゴンと何かに引っ手繰られた。
ここではレッドバンドが少し影を潜めたメタリッグボディの30半ばのレインボー。
流れの緩くなったところで、そっと静かにリリースする。

真夏のような汗ばむ暑さがどこかへと嘘のように消えてしまった火曜日の本流だった。
低く垂れこめる厚く濃い色をした灰色の雨雲。真夏の日差しは遠い彼方。
こういう日はなぜか時間の感覚が僕の中で薄らいでしまう。
でも、指先に残るレインボーの生命感だけは、ぼんやりとした時間間隔を隔ててジンワリと残っていたりするのだが。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-07-01 22:41 | spey fishing | Comments(6)
Commented by abu-z4 at 2009-07-02 21:56
Yunさん、こんばんは。
エリーゼで行って来たのですね。
僕はオープンの時にしか乗せてもらったことはないですが、クローズドのときの閉塞感も小さなスポーツカーらしくて面白そうですね。
本流では、なかなか良い釣りをされたようで。
Yunさんが満足するようなサイズではないのでしょうが、最近の状況では3匹も出会えることは滅多にないですから。
それにしても今年の本流は、良いのか悪いのか分からないですね。
Commented by やすこう at 2009-07-02 22:02 x
Yunさん、久しぶりにエリーゼなんですね。かっこいいですねー、ほんとに憧れます。

この間、尻別川でほんの少しフライを流しました。(時間帯もタックルも悪かったので、連れる感じはしませんでしたが、形だけ)

尻別川は、なんだか、可能性の感じられる川で、Yunさんのスタイルにちょっと触れることができたような気がします。何本も安定してつれるなんてすごいですね…いつか、きちんと準備をして行きたいと思います。

それにしても、札幌近郊は釣人が多いですね…びっくりしました。
Commented by 大坪 禎宏 at 2009-07-02 22:04 x
yunさんこんばんは。
火曜日に昆布放水口でご挨拶させて頂いたTUBOと申します。
このエリアには初めて入らせていただきましたが、大物のとの出会いを期待させるような雰囲気たっぷりの流れですね。
yunさんのブログに触発され、今年の5月からスペイを始めましたが、カバーできる流れも飛躍的に増え、先日も手にすることは叶いませんでしたがシングルハンドでは経験したことがない強烈なコンタクトを味わうことができました。スペイそして尻別川との出会いに導いて下さったyunさんにこの場をお借りして感謝申し上げます。
今年一年はディープな尻別川に浸りきるつもりでいます。
仕事柄ウィークデーの釣行が多いので、また度々お会いする機会もあるかと思います。その時はまた色々と情報交換させて下さい。
今後とも宜しくお願いします。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-07-02 22:59
ABUさん、こんばんは。
先日、エリーゼに給油しようとガソリンスタンドに入ろうとした時、歩道の傾斜で左フロントのあご下をアスファルトに擦ってしまいました。前からは見えない場所なのですが、塗装が剥がれて少しFRPが剥き出しになってしまい、ちょっと気分がめげておりました。
幌をかけていると、防音がそれほどしっかりしている訳ではないので、エンジン音とロードノイズで室内はかなりうるさいですよ。それでも峠などのドライブはいつもの車と一味違ってなかなか楽しいです。
第1セクションでは足下を去年と同じ様に60クラスのレインボーが泳いでいきました。大きな鱒もいることはいるのですが、相変わらずなかなか振り向いてくれませんね。
今年は昆布エリアで皆さんのようにグッドサイズには出会えていませんが、7月がどんな釣りになるのかちょっと楽しみでもあります。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-07-02 23:12
やすこうさん、こんばんは。
あと少しでこの車に乗り始めて6年になろうとしています。でも、まだまだローンが残っているんですよ。こんな車ですから、なかなか入れる場所が限られていますが、天気の良い日には幌を外したりと、フィールドへの道程がまた違った意味で楽しめたりします。
札幌近郊はやはり釣り人が多いと感じられましたか。私も、ここ数年でさらに増えたような気がしています。でも、本州ほどではないと思うのですが・・・。
尻別川に行かれてみたんですね。北海道にもいろんな本流が流れていますが、尻別川はホームグランドというか一番好きな流れかもしれません。実はなかなか釣りとしては難しいフィールドのように思っています。私も全く鱒からのリアクションが訪れない日もよくあるんですよ。これに懲りず、今度こちらに来られる時は、是非ともフィールドで御一緒出来ると良いですね。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-07-02 23:31
TUBOさん、こんばんは。
先日はこちらこそ声を掛けていただき、ありがとうございました。
きっとTUBOさんはキャスティングをとても練習されたのでしょうね。上流から見ていても、とても5月からスペイキャストを始められたとは思えないTUBOさんのキャストでしたよ。
やはり、昆布エリアに足を運ばれたのは初めてでしたか。御挨拶をした後、ここによく通っている方達とは違う場所から藪こぎをされていったので、もしやと思っていました。帰り道、あの藪の中を歩くのはちょっと大変じゃありませんでしたか?
私も数年前に友人達にこのフィールドに連れてきてもらったのがきっかけで、すっかりスペイキャストのディープな世界にのめりこんでしまいました。きっと釣りをやめるまで、抜けきれそうもありませんが・・・。
気楽に始めたブログですが、触発までしてしまったとは・・・、責任の一端を感じてしまいますね(笑)。
今年1年はディープに尻別川に通われますか。きっとフィールドでお会いすることも多くなりそうです。こちらこそ、お会いしました時には、どうぞ宜しくお願いいたします。


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