original photo by Mr. SHU
「 1grain = 0.0648g 」
スペイキャストを始めるにあたって、何を隠そう、この「grain、グレイン」という聞き慣れない重さの単位が、手持ちのツーハンドロッドに合わせるスペイラインの選択にあたり僕を一番悩ませた。ちなみにグレインという単位は穀物(主に小麦)の重さを量る単位として用いられるそうで、「1 grain=小麦1粒の重さという意味」との事である。
(参考HPは
ここと
ここ)
オーバーヘッドキャストに慣れ親しんでいた頃の僕にとって、いわゆるロッドのライン指定番手というのは、単純で分かり易かった。WFラインであれば、ロッドの指定番手通りに、そしてSTヘッドラインであれば、ロッドの指定番手よりもおおよそ1~2番手上のラインを選択すれば特にフィールドでは支障なくキャスティングが出来ていたように思う。
今でこそスペイラインにおいてグレインという表記は一般的になっているようだけれど、僕がスペイキャストを始めようとした時は、まだそれほどポピュラーになっていなかったように思うのだが・・・。
とにかく最初はスペイラインについて何も分からなかったというのが正直なところであり、友人の勧めやショップのアドバイス、それに今では新しいバージョンになっているようだけれど、
Rio社が作った各社のツーハンドロッドに対する
スペイライン推奨表を参考にWCの9/10/11を購入したのだった。
最近ではAFTMAからもツーハンドロッドに向けたロッド指定番手とベリーの長さに応じた
スペイラインの重量の推奨があるようだけれど、幾分軽めに推奨しているという話も聞くが、ラインを選択するにあたってはとても参考になるように思う。
ショップで目にするスペイラインも各社様々あるのだが、比較的手に入れやすいスペイラインについては、ここのHPがある程度ライン重量やテーパーについて詳しく説明を加えてくれているので参考になると思う。
RIO ,
SA/3M ,
CORTLAND ,
CND
ちなみにスカジットラインについてはフライショップWatchettさんの「
スカジットラインと使用ロッドとのバランスについて」が分かり易かったように思う。
スペイラインには様々なデザインのラインがあるが、TIEMCOのHPにWai Yin氏の
東 知憲氏が訳されたコラムが載っていたので、参考になるかもしれない。
「用途特定型」スペイライン、そのデザイン(前編)
「用途特定型」スペイライン、そのデザイン(後編)
スペイキャストも、そのディープな世界にある程度足を踏み入れると、市販のラインでは満足が得られず、自分なりに市販のラインを切り刻んで好みの長さに調節されておられるエキスパートの方もおられるようだけれど、何せものぐさな僕は、まだそこまでの域は到達出来ていない。
今のところは市販のライン(WCのようなショートベリーやスカンジナビアンシューティングヘッド)で十分事足りているし、それよりも様々な条件の下でスペイキャストをストレスなく出来るようになる事の方が、まだまだスペイビギナーの僕には重要な事のようだ。
「バットをグッと曲げてあげる」。確かCNDの野寺氏はスペイキャストのDVDの中で、何度もそう語っておられた。
どんなロッドがスペイキャストに向くのか。確かに一筋縄ではいかない難しい問題である。それは、各人の好みもあるし、湖や本流など足を運ぶフィールドにもよって異なると思うからだ。
でも、僕の少ないスペイキャストの経験からしても、バットがグッと曲がるロッドはスペイキャストをしていても気持ちが良いし、もしかしたら足を運ぶフィールドすら選ばないのかもしれないとさえ思ってしまう。
とにかく最初は1本のスペイロッドとそれに合わせた好みのベリーの長さのスペイラインでスペイキャストの練習をされる事をお勧めする。練習中にあまり多くのロッドは振らない方が良いようだ。なぜならせっかく身体に染み込み始めたそのロッドにおけるスペイキャストのタイミングというかリズムが、他のロッドを振ると幾分ずれてしまうように思うからである。
スペイキャスト。
おそらくこの世界に一歩でも足を踏み入れたら、これまでとは違うフライフィッシングの世界の楽しみが見えてくると僕自身は感じている。
今日のBGM : Renegade Soundwave / The Phantom (It's In There) (A)