支笏湖のレインボー。
ほんの少しでも触れることすら躊躇われるような、眩ゆくって硬質な輝きを放つメタリックボディも十分魅力的なんだけれど、僕はそれ以上に支笏湖のレインボーの背中に染まるグリーンともブルーとも、どちらともいえない不思議な色合いに、メチャメチャ惹かれる。
それにしても、透き通るような果てしない奥行きのある美しさだし、頬から尾鰭にかけて鮮やかなレッドバンドがスーっと走る本流のワイルドなレインボーには持ち合わせていない美しさの一つなのかもしれない。
きっと透明度の高い支笏湖の水の色が育んだ魅力的な色彩なのだろう。
記憶の片鱗を辿ると、とこかで見覚えのある色のような気がする。
もしかしたら、「翡翠」の色に近いのだろうか。
湖面が生き物の気配で満ち溢れるこの季節、もう一度でいいから支笏湖の宝石に出会ってみたいものだと思う。