PM3時。コーヒー・ブレイク。
誰もいない、ひとりっきりの湖畔。
深くローストされたフレンチのコーヒー豆でゆっくりとコーヒーを淹れる。
デザートはもちろんスニッカーズ。
口の中でスニッカーズのチョコレートとキャラメルの甘さと、コーヒーのほろ苦さが絶妙に交じり合い、僕はちょっとした幸福な気分を味わえる。
きっとこの何とも言えないまろやかなテイストは、鱒に出会えない釣師をほんの少しだけ幸せな気分で包み込んでくれるテイストなのだろう。
相変わらず空は青くて、まるですっかり春を通り越して初夏のような火曜の午後だった。
本当は95kmのポイントのステージに立ちたかった。
でも、そこにはすでに2台の車が止っている。
やむなく僕は美笛の河口へと車を走らせた。
河口に吹く風は、あまり好きな風向きじゃなかった。
それに、河口は産卵を控えたウグイ達に占有されてしまっているようだ。
かけ上がりをスーっと横切る鱒の姿。
ドキッとするぐらい大きなブラウントラウトだった。僕にとってはトロフィ-サイズ。
ランニングラインをリトリーブする指先にも、緊張が走る。
でも、支笏湖の鱒からのコンタクトは何もないまま、
時間だけが穏やかな春の風のようにゆっくりと流れていく。
日没が間近に迫った95kmのステージ。
穏やかに波打つ湖面が濃いブルーとオレンジ色に染まりかけようとした頃の事。
スカンジナビアン・シューティングヘッドの先のType3のティップがしっかりと沈み、
オレンジ色のランニングラインを通じて感じた支笏湖の鱒からの2度のコンタクト。
でも、僕は2度のチャンスとも、ふいにしてしまった。
ウゥム、良いサイズだったのに・・・・・・。
気が付くと、辺りが静寂と共に暗闇に包まれ始め、風はいきなり冷たくなった。
今日のBGM : Damian Marley / Welcome to Jamrock