お昼近くに目覚めた秋晴れの日曜日。久しぶりに長い時間寝たせいか腰が痛い。そういえば昨日は本流でも、おまけに古宇川河口でも川の流れに押し流されないように一生懸命踏ん張っていた事を思い出した。子供の頃からよく親に姿勢が悪いと叱られた。姿勢が悪いのはちっとも良くならないけれど、やっぱり疲れると腰がだるくなってしまう。
小さな庭に出て、最近釣りばかりに行っているから、ほとんどほったらかしの庭の冬に向けての片付けを始める事にした。ここに住み始めた時に記念にと家の壁沿いにツタの苗を植えた。ちょうどそれが紅葉の見頃を迎えている。綺麗に色付き始めていた。それにしても随分と高く上まで伸びたものだ。
original photo by Mr.SHU(bottom hook)
余った廃材、拾い集めた落ち葉に枯れた雑草、それに刈り取った目も当てられないぐらいに伸びきった芝生を集めて焚き火をした。ゆくりと立ち上がる炎を見ながら縁台に腰掛けて、昨日の積丹でのサーモン釣りのことを思い出していた。
相変わらず、古宇川河口はシーズン終盤だというのに混み合っている。河口近くにいる群れは古いのだろうか。一度も僕のフライがサーモンの口に掛かるということはなかった。グゥンという鋭角的なアタリがあるとほとんどスレ掛り。たいていの場合、ラインを張ったり緩めたりしてフックを外すのだけれど、戻って来たフライのフックにサーモンの鱗が刺さっていると、さらにガッカリする。一匹のオスのサーモンの背鰭にフライが掛かってしまい、これだけはどうやっても外せなかった。波打ち際に上がった彼の背鰭からフライを外すと、元気に川を登っていくのを見届けた。
去年まで、10月の声を聞いてから海のサーモン釣りはしたことがなかった。10月の休日は職場の仲間達と浜益川のサーモン釣りに出掛けていたけれど、今年は結局2回しか行かなかった。随分と釣り場の選択肢が増えたものだから、来年はどうしようか。きっと、来年の申し込み時期には迷うんだろうなぁ。
そんなことを考えていると、バチッという焚き火の中で何かが弾ける音でハッと我に返った。
小さな白い雪虫が飛んでいた。そろそろ、北海道にも長い冬がやってくる。
今日のBGM:Astrud Gilberto/Jazz 'Round Midnight