2013年 09月 11日
リールに巻かれたラインは右からAtlantic Salmon SH S1(インタミ)、S1/S2、S2/S3。 写真には写っていないが、替えスプールには同じくAtlantic Salmon SHのS3/S4を用意している。 本流でのスペイキャストを本格的に楽しむようになって、かれこれ8年ほどの年月が経つけれど、当時はリオ社のウインドカッターというショートベリーのスペイライン(ティップがチェンジャブルのシンクティップライン)を使ったキャストからのスタートだった。当時のスペイキャストのバイブルというか参考書のようなDVD(確かCNDの物だったかな)の中でもキャストのバリエーションとしてスカジット・キャストやペリーポークは紹介されていて、フィールドで基本となるシングルスペイではなく、見よう見まねでそれらのキャストを試してみると、当時のスペイ初心者の僕にはミスキャストがずいぶんと少なくなったような気がしたのが印象的だった。 やがて各社からそれぞれヘッドの長さやテーパーなどに工夫が凝らされたフローティングのスカジットSHが発売されるようになり、僕がフィールドで使用するラインもフライが大きくそして重くなるにつれ、ウインドカッターからスカジットSHへと変化していく。またボディがフローティングでティップがチェンジャブル仕様になったリオ社のシンクティップのスカンジSHも、やがてテーパーや長さの異なるAFSというスカンジSHとなり、また当時はアンダーハンド・キャストが注目を浴びるようになったこともあって、GuidelineやVision、それにLOOPといった北欧の各メーカーのフルシンクを含めた様々なバリエーションのスカンジSHをフライ雑誌などの広告で頻繁に目にするようになったし、その後も各社から様々なラインがリリースされて、Atlantic Salmon SHなどは今ではかなり手に入れやすいポピュラーなラインになったように思う。 最近はスカジットSHにもフローティングやS1(インタミ)だけでなく、3M社からはS1/S2といったシンクレートの高いヘッドも発売されているようだけれど、今のところS1/S2は480グレインまでしか用意されていないのがちょっと残念かな。 北海道の様々なフィールドというか本流に足を運んでいると、スカジットSHを用いたシンクティップのラインシステムでおおよそ事足りるのだけれど、それでもどうしてももう少しラインというかボディそのものを沈めたいと思うシチュエーションに遭遇することがある。それもS2~S4(タイプ2~タイプ4相当)のシンクレートで、速い流れのボトム付近に定位しているトラウトの目の前を、フライのシルエットをアピールしつつゆっくりとフライを横切らせたいのである。水温が低くてトラウトの活性が低い状況では、特にそんなことを思うことがある。 そんな訳で、ここ数年はスカンジSHのバリエーションがグッと増えた恩恵にもあずかって、フィールドの状況によってはS2~S4(タイプ2~タイプ4相当)のフルシンク・スカンジSHをスカジット・キャストで使うことが多いだろうか。 フルシンクのスカンジSHをスカジット・キャストで使用する場合、僕個人として何よりも重要視しているのはそのラインの重さである。 例えば、僕がフィールドでよく使うマイザーの14フィート、6/7番、MKSの場合、使用しているスカジットSHはフローティング、インタミともエアフロ社の540グレインなのだけれど、このロッドで使うフルシンクのスカンジSHは9/10番の590グレイン(ちなみにこの数値はカタログ表示で実測はしていない)。このスカンジSHでスカジット・キャスト(ペリーポーク)を行った場合、スカンジSHのティップ部分に相当する先端3~4mの重さ(おそらく70~100グレイン相当と予測)は、キャスト時にはその部分が水面下にあるのでロッドに負荷として掛からないだろうから、おおよそ500グレイン前後の負荷がロッドには掛かっているのではないかと想像している。以前はもう少し軽い8/9番、520グレインのラインを使っていたが、ラインの重さを一番手上げることでキャストがずいぶんと楽になった。もちろん、使用するラインは軽い方が着水時のインパクトが少ないし、止水などのフィールドではその方が良いのは十分承知はしていて、実際に止水などのフィールドでは少し軽いラインを使用するけれど、本流のような流れのあるフィールドやフィールドを吹き抜ける風、それに水を含むとかなり重くなるフライのことを考えると、試行錯誤の末、現在のラインシステムに行き着いた次第。 つまり、使用するロッドに適合したスカジットSHのグレイン数に、50~100グレインの重さを加えたスカンジSHあたりが、タングステン製のコーンヘッドだけでなく、マテリアルに水を含んで重くなったフライも無難にキャストできるのではないかと思っていのだけれども、あくまでも僕自身の個人的な感想として・・・笑。 ただしある程度のシンクレートのあるフルシンクのスカンジSHをスカジット・キャスト(ペリーポーク)で使った場合、一度ラインをキャストする方向にセット、ダンプした後は、ラインがなるべく沈まないようによりスムーズでコンパクトなキャストが必要となると思っている。 キャストのコツをつかむのに多少の慣れは必要かもしれないけれど、もしかしたらフィールドではトラウトとの素敵な出合いが待っているのかもしれない。 今日のBGM : Christian Malloni / aguardiente
by d-yun5-fly-elise
| 2013-09-11 22:10
| 私的北海道のスペイ考
|
Comments(2)
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mr.hoo
at 2013-09-15 12:21
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yunさんこんにちは。ラインとフライは悩みの種です(笑) ものぐさな私、どこの何の何番かも忘れたラインがジップロックに数本(笑) シューティングラインもsawada.rio.saと使ってますが一長一短が有るようで…もしお勧めの商品が有れば教えて下さい!
それにしても天気が安定しませんね。
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d-yun5-fly-elise at 2013-09-16 17:02
mr.hooさん、こんばんは。
連休の雨で、しばらくはテレメーターの水位と濁度が気になりそうです。 ラインとフライは確かに迷いの種ですね(笑)。フライはさておき、ラインはスカジットの場合エアフロのスカジット・コンパクト、スカンジの場合3M/SAのアトランティック・サーモンSHばかりを使っています。確かに一長一短はありますよね。でも私の場合、とりあえず使いこなしてそのラインに慣れるようにしています(笑)。 最近はランニングラインに迷う事が多いです。タックルマックのリッジランニングラインはコストパフォーマンスは良いのですが、根掛かりを頻発すると、コアとコーティング部分とが遊離/剥離して、すぐに使い物にならなくなってしまいます。もう少し耐久性が良いものがあると良いのですが、なかなか見つからなくって苦慮しています(笑)。 |
札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによるトラウト&サーモン釣行記。R.B.MeiserなどのダブルハンドのカスタムスペイロッドやTube Flyなどの気ままなフライタイイングにお気に入りのリール、それにオリジナル音楽(Dub Techno, Ambient, Minimal, Drone, Noise Industrial)とフィールド動画(YouTube)などなど by Yun カテゴリ
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