今日のBGM : Jose Gonzalez / Teardrop
風の音と共に十勝川の河畔林がその幹を左右に大きくしならせながら揺れていた。
僕の中での一番のお気に入り、Meiseの14フィート、6/7番のMKSは、オレゴンにあるマイザーさんの工房にメンテナンスのために里帰り中だから、この日はBurkheimerの14フィート1インチ、7番のclassicを凍え始めた手でつなぎ、透明のビニールテープでジョイント部分をしっかりとテーピングする。
ロッドを手にシャーベット状の雪が積もった土手の斜面を下っていると、2週間前よりも確実に季節の針が前へと進んでいることが感じられる。
それは川面をザワザワと騒がせながら吹き抜けていく風の中にも感じられた。
チャートリュース&オレンジそれともブラック?
ビーズヘッド仕様のイントルーダーのカラーを選ぶのに迷ってしまう本流の色だった。
きっともう少し濁りが強くなれば、僕は迷わずブラックを選んでいたのかもしれない。
午前中は十勝川の広大な流れも下流域としてはいつもよりもいっそう速く、そして満潮に近づく午後になると流れが緩やかになるというサイクルが続いた。
午前中はフルシンクのスカンジヘッド、そして午後にはフローティングボディのスカジットシステムと状況に応じてラインシステムを変更する。
もしかしたら下流域のアメマスたちは遡上タイプだったのかもしれない。
サイズ以上の躍動感にアングラーは何度も翻弄され、その都度、心の中の何かが、ほんの一時なのかもしれないけれど、軽くなったような気がしたものだった。
ブーツの中の足先がジンジンとしびれながらも冷たい本流の中に長時間ディープウェーディングし続け、風を感じながらただひたすらキャストを繰り返す。
ただそれだけのことなのかもしれないけれど、フィールドに佇める幸せ、そんなことを改めて実感した十勝川で過ごした2日間だった。
今日のSilent Movie(今日のBGMに合わせてどうぞ)