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2010年 06月 13日

<Vol.764> オホーツクの本流

今日のBGM : Sergius Gregory / all bricks and mortar
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オホーツク海へと注ぐ二つの本流を巡った6月の土曜日。
それは北の大地の初夏らしい、乾いた暑い一日だったと思う。

エゾ春ゼミの賑やかな合唱を耳にしながら朝露に濡れた牧草地の脇をロッドを片手に歩んだ。水位は予想していたよりも少なかった渚滑川(Syokotsu River)のC&R区間下流域。
期待していた越年のレインボーには出会えず、僕のロッドが手にするMeiserの#6番ロッドを絞り込むのは放流されて間もないレインボー達。


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少し開けた河原に瀬やプールにと変化に富んだ流れが間隔を置いて続き、釣り人の視界はグッとパノラマチックに開ける。
そんなC&R区間下流域から車でさらに下流に下った流れの方が、僕個人としては、思わず大きなレインボーに出会えるような気がして好きだろうか。
そう言えば少し会話を交わしたローカルのアングラーが、ここでスティールを釣ったことがあるんだと言っていた。それが本当にスティールだったどうかは別として、そんな魅力的な鱒に僕もいつか出会ってみたいものだと思った。


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照りつける日差しの下、午後からは湧別川(Yuubetsu River)の下流域に足を運んでみる。
ここはオホーツクの海までは目と鼻の先ぐらいに近いエリア、中湧別。
僕が初めて訪れるエリアだったけれど、いかにもこれぞ本流といったぐあいに水量があってトルクフルな流れだった。ここはほとんど人工的な手が加わっていない流れなのだろうか。いかにも大きな鱒が潜んでいたり、身を隠していそうなポイントが、まるでツーハンド・ロッドを手にしたスペイ・アングラーを手招きするかのように点在している。
コーンヘッド仕様のチューブフライからヒゲナガを模したウェットフライにチェンジしても、僕には小さなバイトしか訪れなかったけれど、ここを案内してくれたMORIさんには50クラスのグッドサイズのレインボーとのコンタクトがあった様子。でも、残念ながらフックアウト。
のんびりと丸一日をかけてじっくりと探索してみたいエリアのひとつ。


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暑い日差しが山の稜線に近づき始めた頃、車で上流へと少し移動。
遠軽から開盛橋エリア、ここまで来ると本流を囲む雰囲気も少し変わる。

グゥンというランニングラインに伝わる衝撃。
逆光の中、30m程下流で跳躍するレインボーの黒いシルエットが浮かび上がった。


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#6番のHighlander‐SにセットしたPerfectから響く心地よいサウンド。
サイズとしては30半ばのレインボーだったけれど、湧別川のトルクフルな流れがギュッと狭まったポイントでの、スイングするフライへのテイクだっただけに、流れの強さも加味されてやり取りとしてはなかなかスリリングだった。
イブニングが近づいてくると、岸際では小さなライズがいくつも起こる。
オホーツクの本流に吹く風の存在感は未だ感じられない。
ザワザワとした生命感と躍動感だけが辺りで徐々に強まり始めた。


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白っぽいウェットフライが良いですよとSHUさんが教えてくれる。
でも、僕のフライボックスのどこを探しても白っぽいウェットフライなんて・・・。

Skagit Compact(420gr)の先のティップをType6からType3に換えた。もしかしたらAFSのフローティングSHでも良かったのかもしれない。
とりあえずフライボックスから十勝川や尻別川で使うセッジパターンのウェットフライをひとつつまみ、ティペットの先に結ぶ。
結局、イントルーダーパターンで巻いてみたセッジフライは試せたけれど、新しく巻いたヒゲナガを模したチューブフライまでは試せなかった。

この日はオホーツク海へと注ぐ二つの本流が持つ魅力をほんの少し垣間見たような気がする暑い一日だった。
いつかチャンスが訪れれば、のんびりと、いや出来ればじっくりと、未だ足を運んだことがないポイントでフライを流してみたいと思った。


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by d-yun5-fly-elise | 2010-06-13 22:06 | spey fishing | Comments(14)
Commented by mark yuhina at 2010-06-14 10:06 x
Hi Tokushi

Great report! and brilliant photos!
The 6 weight Meiser rod looks like a great fun for the summer! Very cool! : )
Commented by hori at 2010-06-14 13:26 x
YUNさん、こんにちは。
つい1週間前、朱鞠内湖で見た日陰の残雪と桜が
随分と前のように感じる陽気でしたね。
渚滑川、湧別川とオホーツクの本流も魅力的で
今後、益々行き先に迷いそうですね(笑。

行きがけに見た「羆」には感動しました。
斜面を登る動作が機敏で美しかった!

また、宜しくお願いしたします。
Commented by MORI at 2010-06-14 19:40 x
Yunさん、こんばんは。
お疲れさまでした。
湧別下流域、魅力的ですよねー。
私も以前より気になって何度か通っていましたが、魚に会えたのは今回が初めてでした。
多分ですけど、いい鱒は潜んでいると思いますので、私もじっくりポイント探索したいなと思いました。
でも、雄大な流れですので、探索しきるには何年も掛りそうですね。
また、よろしくお願いします。
PS:言い忘れてましが、ロッドホルダーは生涯保証付きですので、何かトラブルありましたら気軽にご連絡下さい(笑)
あと、TVで言ってましたが、各地でヘビが大量発生しているそうですよ。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-14 21:11
Hi Mark,

My 13'6" 6wt Meiser Highlander-S rod has a special feather-inlay those name is "Trouty Blue".
I think that Bob's art work is really beautiful and cool.
I love this "S" rod, and also like the "MKS" series that has deep flex.

Tokushi
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-14 21:22
horiさん、こんばんは。
土曜日はお疲れ様でした。horiさんは新しいラインシステムというかフライの流し方がいろいろと試せたので、きっと有意義だったのではと思います。長めのリーダーは、これからもいろんなところで活躍しそうですね。
汗ばむ陽気は先週と特に変わらない感じがしましたが、でもやっぱり暑かったです(笑)。このところ一気に季節感が初夏へとシフトしましたものね。
私にはオホーツクの本流、特に湧別川の下流域が魅力的でした。これからも、どこのフィールドに足を運ぶのか迷うこと間違いなしですね(笑)。
浮島トンネルを抜けて直ぐ、斜面に黒い大きな動く生き物を見たときはビックリしました。あの辺りはきっと沢山のヒグマが生息しているのでしょうね。北海道に住んでいて、自然のヒグマを見たのはあれが初めてでした。でも、フィールドでは是非とも出会いたくはないですね(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-14 21:30
MORIさん、こんばんは。
土曜日はお疲れ様でした。その後、日曜日の釣りの方はいかがでしたか?湧別川下流域、案内していただき、ありがとうございました。本当に魅力的なポイントの連続でしたね。あのレインボーは残念でしたが、アメマスには出会えて良かったですね。
こちらこそ、また宜しくお願いいたします。
P.S.そうそう、湧別川で川を泳ぐヘビがどんどんと近づいてきた時には、ちょっとビックリしました。そのポイントでヘビを見ると釣れないと聞いたことがありますが、今回もその通りになってしまいました(笑)。
自作ロッドホルダーの製作、ありがとうございました。さっそくゴムバンドの位置をモディファイして、さらに使い易くさせていただきましたよ。
Commented by atuwo at 2010-06-15 08:21 x
はじめまして。
いつもひっそりブログを拝見させて頂いております。

写真や文章、BGMのセレクトまでが僕のツボですばらしいなーって勝手に思っていまして、思い切ってコメントさせて頂きましたw
僕も写真が好きなのですが、一眼レフは流石に本流へは持って行けないので、コンパクトな高性能カメラが欲しいです。

湧別川の下流域、僕も大好きです。でも尻別川も大好きなので、この時期は釣行場所に迷ってしまいます。

突然のコメント、失礼しました
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-15 22:59
atuwoさん、こんばんは。
こちらこそ、はじめまして。コメント、ありがとうございました。宜しくお願いいたいます。
そう言っていただけるだけで、嬉しい限りです。このサイトも、気が付かないうちに5年が経っておりました。あまり有意義なエッセンスのない内容ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。
最近はコンパクトデジカメもずいぶんと進化しているようですね。私もそろそろ新しいカメラでとも考えますが、当面はこのままPENTAXのOptio W20を使い続けることになりそうです。あと、最近はちょっと動画に興味が・・・笑。

atuwoさんも湧別川下流域がお好きでしたか。私も初めて下流域にまで足を伸ばしましたが、思わずワクワクしてしまいそうな良い流れですよね。来シーズンも何度か足を運んでしまいそうです。

いつの日か、フィールドでお会いしました時には、どうぞ宜しくお願いいたします。

P.S.atuwoさんのブログ、リンクさせていただきました。
Commented by vega at 2010-06-15 23:31 x
YUNさん、ご無沙汰してました。
今日、15日尻別に行きましたが何やらすれ違う車?似てるなと
擦違いざまに・・・・似た方が・・・尻別に釣り行きました?。

天気も良く風も微風で川の中では涼しく気持ち良かったです。
Commented by aki at 2010-06-15 23:34 x
お久しぶりです(^^)
こちらへいらしていたのですね!!渚滑川下流域大物を目指して私も行くのですが中々顔を出してくれませんねm(_ _)m
居間時期違う魚を求めて出入りする人が釣ってしまうのか・・・
湧別川下流域の大物ニジさんは良く聞かれます。いつかは出会ってみたい物です!!春一番が良いみたいですよ!!
Commented by atuwo at 2010-06-16 10:18 x
リンクアップありがとうございます。
僕はシングルハンドではトーナメントなどかじってましたが、スペイキャストはまだまだ若輩者です。
フィールドで会える事、楽しみにしてます。
あと、フライショップは苦手ですが、時たまテムズには顔を出しているので、一度は面通ししているかもしれませんね。
これからも楽しみにブログを読ませて頂きます。そして勉強させて頂きます。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-16 21:37
vegaさん、こんばんは。
火曜日は午後から尻別川に足を運んでいました。ロッドホルダーにロッドを繋いだワゴン車とすれ違いましたが、もしかしてvegaさんだったのでしょうか?
早い時間帯は、まだ気持ちの良い釣りでしたが、イブニングは・・・。とにかく痒かったです(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-16 21:46
akiさん、こんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
土曜日は渚滑川下流域にも足を運んでおりました。akiさんにポイントを案内してもらえば良かったかなぁとちょっと後悔しております(笑)。友人がこのエリアでグッドサイズのレインボーに出会っていましたから、どこかにはきっと大きなレインボーがいるのでしょうね。
C&R区間の渓相は好きなのですが、ヒレの回復したレインボーに出会うのは難しかったです。リードフライには50クラス、ドロッパーの方には40半ばの放流されたレインボーが同時にヒットしても、なんとなく気持ちが晴れない気がしました。
湧別川下流域は春一番ですか。でも、その頃は十勝川のアメマスの方がどうしても気になってしまいますね(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-06-16 21:53
atuwoさん、こんばんは。
トーナメントキャスターでおられたなら、きっとスペイキャストの習得は早いのでしょうね。何しろラインの軌跡は素直そのものですから・・・笑。
こちらこそ、いつかフィールドでお会い出来ると良いですね。楽しみにしております。
職場から近いので、私も時々テムズさんには顔を出しております。もしかしたらフィールドよりもショップでお会いすることの方が早いかもしれませんね(笑)。
あまり参考にならないかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします。


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