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2009年 09月 02日

<Vol.708> 秋の釣りの始まり

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北海道の東の海を台風から変わった低気圧が通過していった。
沿道のコスモスの花が通り過ぎていった台風のことなんて何にも知らないかのように秋の風に吹かれてユラユラと揺れている。
火曜日の尻別川の上空には、まるで台風一過のように雲一つないどこまでも澄んだ青い秋晴れの空がゆっくりと広がっていった。
9月になったばかりの太陽の日差しは夏のそれよりも幾分軽やかに川面へと降り注ぐ。
気温は少し高めだが、僕には清々しいとさえ思える美しい午後だった。
こんな天気の日に本流に立てるというだけで、僕はすっかり満足しきっていた。
相変わらず夏の名残のような夏ゼミの鳴き声がが山の向こうから響いてきた。


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久しぶりに昆布エリアに入ることにした。
小さな駐車スペースには、どこかで見た事のあるハイラックス・サーフがすでに1台。
もう直ぐお昼だというこんな時間に先行者。
だから、僕はゆっくりと時間を掛けて釣り支度を始める。

ロウ・ウォーターの昆布エリアの第1セクション。
水温はそれほど高くはないように思えた。
印象的だったのは、秋空のブルーと木々のグリーンとの境界線の鮮明さ。


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最近、本流では14フィート#6/7番MKSの出番が最も多いように感じている。
ラインはVisionのsink2/sink4のフルシンクSH(#9/10)かRioのAFSのHover#7/8(ティップをチェンジャブル仕様に改造)を使う事が多く、スカジットSHの出番はめっきりと減ったように思う。このシステムでフライはコーンヘッド仕様のチューブフライか少し大きめのサイズに巻いたウエットフライを結ぶ事が多い。
夏の始まりのようなドキリとさせられるチェリーの跳ねもない、静かな本流だった。

スロープ前まで何事もなく釣り下り、キャストしたフライがちょうど流芯辺りをスイングしている時に、グゥンとラインが押さえ込まれた。イエローのリッジ・ランニングラインは伸びが少ない分ダイレクトに鱒の躍動巻をゴンゴンとロッド全体に伝えてくれる。
グリっとした大きな眼が印象的なベッピンさんは、40クラスの本流レインボーだった。以前リリースされたことのある鱒なのだろうか。尾びれ付近にはラインが擦れて出来たと思われる古い傷が2本あったのだが、それでも午後の太陽の日差しを浴びて、ギラギラとメタリックにそのボディを輝かせていた。


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第3セクションを少し釣り下ったあたり、水深はかなりあるのだが、なぜかこれまで一度たりとも鱒との出会いがなかった場所で、不意にラインに訪れる違和感。ちょうどフライがスイングを終えて下流にラインが伸びきろうとしたところだったものだから、僕にはどうする事も出来なかったのだけれども、もしもあれが鱒だったら、申し分なく僕にはトロフィーサイズ。その後は気を取り直して期待しながらキャストを繰り返すが、もちろん何事も起こるはずもなく、やがて先程バイトがあった場所近くで大きなサカナがその全身を顕わにしながら跳躍した。その跳躍は紛れもなく僕が見覚えのある遡上系の跳躍だった。サーモン達の遡上が始まったということは、いよいよ本流の秋の釣りのシーズンが始まるということ。
お気に入りの本流が、またしばらくの間は騒がしくなりそうな気がする。


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by d-yun5-fly-elise | 2009-09-02 21:49 | spey fishing | Comments(6)
Commented by abu-z4 at 2009-09-03 21:25
Yunさん、こんばんは。
尻別川もすっかり秋めいてきましたね。
サーモンの遡上も既に始まっているんですか?
そんな初秋の本流レインボー、おめでとうございます。
本当に大きな目をしたカワイイ子ですね(笑)
こんなレインボーを見せられると、久しぶりに尻別川にも行ってみたくなります。
とは言っても、そう簡単には釣れないとは思いますが・・・・・
Commented by riverblue51 at 2009-09-03 21:59
Yunさん、こんばんは!
あー!やっぱりいるのですね!
おめでとうございます!
いつかはわたしも出会いたいものです。
片思いも最近は楽しめるようになってきちゃいましたけどね(^^;)
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-09-03 22:32
ABUさん、こんばんは。先程はお電話で失礼しました。
コスモスが咲き、ススキの穂もすっかり伸びて、雲一つない秋晴れの尻別川でした。なかなか気持ち良かったですよ。
そんな中で、あまりにものんびりと出かけたものですから、すっかり鱒に出会うことなんて諦めていたんですが、少し水位の落ちた流れの中から、ラッキーなことに私の流すフライを見つけてくれました。なかなか第1セクションでは鱒に出会えていなかったので、ちょっと嬉しかったです。このあと小振りなレインボーにも出会えましたから、活性は悪くなかったのかもしれません。
サーモンの遡上が始まったようですね。しばらくは本流も賑やかになりますが、サーモンの産卵が始まる頃には良い釣りが出来るのではないかと考えています。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-09-03 22:38
ミッキーフィンさん、こんばんは。
最近は豊国橋周辺に行くことが多かったのですが、久しぶりに昆布エリアを訪れてみると、またちょっと新鮮な感じがして良いものですね。
このあと、山本の瀬、豊国橋上流、栄橋下流と足を運んだのですが、残念ながら鱒には出合えませんでした。でもフィールドの立っていると季節の変化が少しずつでも感じられるので、十分満足出来る火曜日だったように思います。何かが起こるかもしれないと期待しながらのスペイキャスト、根掛かりも多かったですが、なかなか楽しかったです。
Commented by B-R-Bros at 2009-09-07 14:32
yunさん、こんにちは。
もうサーモンの遡上がはじまっているのですね。
道北の本流、楽しんできました。
目的のベッピンさんには出会えませんでしたが(笑
いつか北の大地の流れに磨かれた大型のレインボーに遭遇できるのを
期待しています。
マイザーロッド、里帰り中のようですが、
ブランクが薄いのでしょうか、シーズン中に直ると良いですね。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2009-09-07 21:41
Ryoさん、こんばんは。
道北の本流、楽しんで来られたようですね。
なかなかフィールドでお会い出来るチャンスには巡り合えなくて、ちょっと残念ですが、いつかお会い出来るのを楽しみにしております。
MKSは2週間ほどで修理を終えて現在飛行機の貨物室の中かもしれません(笑)。先週末に、マイザーさんからロッドを送ったよというメールが届いていました。
MKSは多分使い過ぎだからだと思います(笑)。いろんなところでブランクに小さな傷かつく可能性は避けられませんものね。
12'6"はきっとアンラッキーなのでしょう。どうやらブランクの薄さが問題のようではないようです。マイザーさんによるとほとんど折れて修理の為に戻って来たことは無いようですから・・・。


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