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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによる釣行記。

by d-yun5-fly-elise
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<   2008年 06月 ( 12 )   > この月の画像一覧
<Vol.585> トラディショナルな香りと最初の本流レインボー
今日のBGM : Caitlyn Hessell / One by One

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土曜日の尻別川。
昆布エリアへと続く農家の先のちょっとした駐車スペースに車を止め、朝を迎えたフィールドの何ともいえない静かで包み込むような雰囲気を全身で感じながら、はやる気持ちを抑えつつ僕は真新しいキャメル色のロッドソックスからオリーブ・グリーンのロッドを抜き出し、ガイドが一直線になるように慎重にジョイント部分を繋いで透明のビニールテープでテーピングを施した。

少しずつ夏のロウ・ウォーターに向かって水位の減水が進む本流は、いつものように流れている。河畔の木々の枝はさらに一段と伸びたのだろうか。フォレスト・グリーンはさらにその深さを増しているようだ。カッコウの囀りを聞きながら僕は繋いだばかりの新しいカスタムロッドを本流の冷たい流れの中にしっかりと浸す。きっと知らない人が見たら不思議な行為に見えるのだろう。でもこれが僕が新しいロッドをフィールドで手にする前の儀式のようなものだから仕方がない。そしてこのロッドが、どうか僕の手に馴染みますようにと願いを掛ける。


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新しいカスタムロッドはちょっと派手にも見えなくはないクラシカルな赤いラバーエンドを除くと、僕が事前に予想してたよりも少し落ち着いたシックな感じを受けなくもない。
ブランクの下地が透けて赤からプラムカラーになったラッピングと赤にゴールドのさりげない飾り巻き、それにブランクの少しメタリックがかったオリーブ・グリーンはどこか僕のイメージする英国的でトラディショナルな落ち着いた雰囲気を醸し出していた。そんなロッドのコスメとアメリカの西海岸のロッドメーカーでもあるSageの現代的なブランクとの組み合わせは、またそれはそれで面白いものだと思ったりもする。


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先行していたABUさんからウェーダーの中のズボンのポケットの奥に仕舞い込んである僕の携帯に電話がかかってきたのは、僕がちょうど第2セクションの流れにフライを流している時。
ウェーダーの中に手を突っ込み、やっとのことで引っ張り出すと、携帯電話の向こうからABUさんの「Yunさん、でたよー。グッドサイズのレインボー。凄いジャンプ、・・・・」というちょっと上ずった興奮冷めやらぬ声が響いてきた。
もちろん僕は直ぐにリールにラインを巻き込み、ここからでは姿の見えないABUさんのいる第3セクションまで川岸を川原の石につまずきそうになりながらヨタヨタと小走り。
僕の目に飛び込んできたのはABUさんのキャッチしたワイルドな50クラスの本流レインボーだった。
「オメデトウー。ABUさん良かったですね」とそっと右手を差し出す。
もちろん、「僕が釣る予定の鱒を、先に釣っちゃダメじゃないですか」というおまけの言葉も添えて。第3セクションの川原は僕とABUさんの期待が満たされて、どこか緊張の糸がほぐれたような大きな笑い声が響いたのだった。


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ABUさんがそっと本流の流れにそのレインボーを戻すのを傍らで見届ける。
満足そうな表情のABUさんにしっかりとことわりを入れて、次は僕が第3セクションの流れの頭からフライを流させてもらう事にした。
最初、僕はこのポイントに2匹目のグッドサイズのレインボーの姿はもうないものだろうと勝手に予想していた。
しかし結果的にその予想は嬉しいことに見事に裏切られる。
フライを対岸の3つ目の流れに向けてペリーポークでキャストし始めて数歩釣り下ったあたりだっただろうか。2つ目の緩い流れの筋をヘビーウェイトでビーズヘッド仕様のいつもの黒いウーリーがゆっくりとスイングしている時、左手で摘んだランニングラインとロッドティップに「グッ、ググゥン」とフライを通じて鱒の躍動感を感じた。
最初その鱒はフライをバイトしたことにそれ程違和感を感じなかったのか随分とおとなしかったように思う。でもしばらくすると急に何かの違和感でも感じたのか、それまでのおとなしさとはまるで一変してお尻に火がついたかのように、猛烈なスピードで下流へと疾走した。
午前中の柔らかくてどこかまどろんだ雰囲気の漂う本流にそよぐ風の中、リールの逆回転音だけが異常なほど甲高く響き渡った。


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                   original photo by Mr.ABU



鱒の野性味溢れる力強さで美しいカーブを描く赤いラバーエンドの新しいカスタムロッド。
僕はもちろんそんな少しずつ手に馴染み始めたロッドを握りしめながら、きっと嬉しさのあまりニヤニヤしていたに違いない。
ABUさんが彼の手にしたSHU・Craftの本流用の大きなネットで無事にランディングしてくれたのは、48cmのずいぶんと体高のある本流レインボー。本流の流れの色をそっくりそのまま映し出したかのような艶々としたグリーンの背中。新しいカスタムロッドで最初に出会う鱒としては、僕には十分過ぎる美しい鱒のように思えた。

曇り空はいつの間にか夏らしい青空に変わっていた。
高い太陽の日差しを浴びながらキラキラと艶やかな生命の光沢を放つレインボーの身体というものは、本当にいつ見ても宝石のように美しいものだと僕はつくづく思う。


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<新しいカスタムロッドについてのささやかなインプレッション>
アルミエンドの接着に少々不安があったため、それについてはKawasemiのエビさんにしっかりと修復というか手を入れてもらった。おそらく、これについてはもう少しフィールドテストが必要となるだろうと思われる。それにしても、何かしらのトラブルや不安なことが発生してもすぐに手直ししてもらえるショップが近くにあるということはとても心強いことのように思われる。
今回はリールシートをアップロッキングとしたが、このロッドのフロントグリップの長さや全体的なバランス、それにスペイキャストでの使用を考えた場合、ロッドを脇に抱えた時にリールが少し邪魔になるかもしれないのだが、あえてダウンロッキングにしておけば良かったかなぁとちょっと後悔している。
さて、自分自身のロッドとして丸一日フィールドで振ってみたZ-Axis7136のブランクの印象は、スムーズなクセのないアクションというものである。フィールドではこのロッドのガイドにスカジットSHしか通していないが、悪く言うならばアクが少なくキャストの面白みに欠けるブランクとも言える。また別の言い方をすれば、オーバーヘッドやショートベリーのスペイラインまでなら、きっとオールマイティに仕事をこなしてくれる万能なブランクということになるのだろう。
繊細なティップはそれ程強いというわけではなく、重たいシンクティップなら一度ロールアップが必要となる。それに、シュートしてもグリップにまでグッとバットが曲がる感じはなかなか伝わってこない。でも、シュートしたラインは思った以上に飛んでいくというか先まで伸びていく。これまでメインに使っていたMKSとはまったく違った印象を持った。
おそらく湖のシューティングスペイやショアからのカラフトマスなんかで使ってみたらきっと存分にこのロッドのポテンシャルを引き出せるんじゃないかと思っている。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-29 17:21 | spey fishing | Comments(12)
<Vol.584> My second custom spey rod / Sage Z-Axis 7136
今日のBGM : Jack Johnson / Hope
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完成がそれはそれは待ち遠しかった。
ショップにブランクが届いたという連絡を僕が受けたのが2週間前。
それからKawasemiのエビさんにたっぷりと僕のわがままを聞いてもらって、
今日の夕方、仕事帰りに僕はウキウキしながらその新しくブランクから組んでもらったカスタム・ロッドを受け取ったのだった。

組んでもらったブランクはSageのZ-Axis 7136-4。
ほんのりとメタリックが混じったオリーブ・グリーンのブランクは、艶々と美しい光沢を周囲に放っていた。ロッドを繋いでブルンブルンと何かを確かめるようにニヤニヤしながら振ってみる。アクションはファスト気味だけれど、スペイもオーバーヘッドもしっかりとこなしてくれるような気がするアクション。バットの曲がり具合だって悪くない。もちろん友人の持つ同じスペックのロッドをフィールドではすでに振らせてもらっているから、実際にこのロッドにラインを通したフィールドでは僕にこの上ないキャストフィールをもたらしてくれるのは折り紙つき。


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スレッドワークはオリジナルとは違い赤でお願いする。
エポキシでコーティングすると予想通り下地のオリーブ・グリーンが浮き上がって、不思議なプラム・カラーに仕上がっていた。でも、今回はそれだけではどうも地味なので、是非ともとお願いして外周にゴールドの飾り巻きとその内側に、僕自身がHardyの赤いスレッドワークがとにかく好きなものだから、赤いスレッドが浮き上がるようにと色止めを少し入れてもらうことにした。


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ワインディング・チェックは少しクラシカルな雰囲気が出るようにとTHE SURFACE OUTFITTERSさんからニッケルシルバーのワインディング・チェックを購入する。
P.S.THE SURFACE OUTFITTERSさんからはチェックの内径が微妙だからと、わざわざ内径サイズの異なるチェックを3つも送って頂いたので、作業現場ではとても助かりました。使わなかった2つのチェックはすぐに送り返しますのでもう少々お待ちください。


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何といってもこのカスタム・ロッドで一際目立つのはこの赤いラバーエンド。
もちろん、このあめ色のリールシートだってバランス的には悪くない。どこか全体を引き立ててくれているし、柔らかさのようなものをこのロッドに与えてくれているようだ。
でも、僕はもしかしたら古いHardyのロッドを彷彿させるようなこの赤いラバーエンドを纏ったロッドを手にしたくて、わざわざこの新しいカスタム・ロッドを組んだともいえなくはない。
そういえば、この赤いラバーエンドとアルミエンドは佐々野釣具店さんから購入したもの。
これはSpey BumのRyoさんから取り扱い先を教えて頂いた。

もちろんコルクグリップのシェイプは単純なストレートではつまらないから、Meiserのロッドと
WinstonのDBFをショップに持ち込み、どこかふくよかな女性のボディラインをイメージするような美しいシェイプに仕上げてもらった。きっと握るとじんわりとこの手に馴染むのだと思う。


ブランクのオーダーからこの2本目のカスタムロッドが僕の手に届くまでに要した日数は約半年。最初のカスタムロッドのMeiserのMKSが4ヶ月も要したから、確かに長かったような気もするけれど、それはそれで愉しみがじんわりと熟成されていくような気がして良かったような気がする。

そんなわけでさっそく今週末はフィールドでウキウキしながらこのロッドを繋ぎ、真新しいブランクに沢山の擦り傷を付け、グリップにはフィールドの水と僕の手垢を、そしてこのロッド全体にはフィールドを包み込む気配というか匂いをしっかりと染み込ませて来ようなどと企んでいる。
そしてフロントグリップの上手で握るあたりが僕の手垢で黒ずんできたり、コルクが少し削れてくる頃になってこそ、やっとこのロッドも僕の手にじっくりと馴染んだ素敵なロッドになるような気がしている。

だから僕は入魂という言葉が好きじゃない。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-27 22:23 | Custom Spey Rod | Comments(10)
<Vol.583> 疲れたかい
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火曜日に出会ったレインボーの目はなぜか印象的だった。

僕も疲れたけれど、

鱒はもっともっと疲れていたんだと思う。

でも、同じ疲れといっても僕と鱒とではその質がまったく違うような気がする。

鱒は太くて長いラインを引きずりながら、

何度も何度も強い流れの中をこん身の力を振り絞って下ったに違いない。

そんな疲れが鱒の目に溢れんばかりに浮かんでいたように思う。

僕に出来ることといえば、鱒の体力が回復するまで流れの中でその身体を支えること。

そして、出会えたことに感謝することぐらい。

やがて鱒は支える僕の手から離れてゆっくりと流れの中に戻っていった。

ありがとうという言葉は、僕が何度呟いたって鱒には届かないのだけれども。
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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-26 22:26 | slow fishing | Comments(4)
<Vol.582> 左手のレインボーとヌカカ
今日のBGM : Will Ackerman / Briars Above The Well
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やっとここまでリールにラインを巻き取ったというのに、レインボーはまた強い流れに乗って下流へと疾走しようとする。
ゴン、ゴン、グゥンと強い振幅でレインボーは幾度かヘッドシェイク。
それに合わせてロッドティップは水面近くまで引き込まれ、リールから硬質な金切り音とともにオレンジ色のところどころトップガイドとの摩擦でコーティングが剥げ白いコアが剥き出しになったランニングラインが引き出されていった。
初夏らしい午後の空、風はやんでいる。


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きっともしかしたらここなら本流を泳ぐ鱒が僕の巻く誰でも巻きそうなありふれたフライを見つけてくれるんじゃないかと思えたのは蘭越の放水口からかなり下まで下ったラン。
訪れたのは、初めて尻別川に御一緒するparuさんと遅いランチをコンビニの前のアスファルトの上で済ませた午後だった。そんなコンビニの駐車場で「なんかここ、のんびりしてますよね」といったparuさんの何気ない一言が印象的であり、確かにどこかまどろんだようなのんびりとした時間が流れていたのかもしれない。

張り出した木々の枝が本流の上にまで達しそうなぐらいまで伸びたラン。
右岸の岸際を慎重にステップダウンしながら釣り下る。
膝上からやがて胸下まで深く立ちこんだあたりでやっと流れがいかにもという程良い感じになった。苦手なまだまだ練習過程の左手をスペイロッドの上手に持ち替えたいつもとは逆手の持ち方でペリーポーク。Type6のティップの先に結んだビーズヘッド仕様のヘビーウェイトな黒いウーリーは流芯のちょっと向こうに着水し、ラインを送り込むと同時にゆっくりと流れの中を沈んでいく。何度が上流側へメンディングを繰り返し、ロッドを本流側へ倒してスイングスピードをコントロールした。水中のフライが流芯を横切り始めた時、斜め下流の水面がバシャと炸裂し、ほんの少しの間隙をおいてランニングラインを軽く摘んだ右手の指が鈍重な衝撃と共に弾かれた。
そして午後の本流の上をレインボーが跳ね、さらに下流へと疾走した。

何度もリールからラインを引き出したのは40cmのレインボーだった。
鱒の力強さ以上に押し出しの強い流れの強さも加わり、ランディングまでのやり取りに時間を要したのかもしれない。
僕も疲れたし、鱒も疲れた。
左の顎からフライを外し、鱒の体力が回復するのを待って、流れの戻るのをそっと見届ける。


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火曜日の尻別川での鱒のテイクはこれ一度っきり。
遅い午前中の昆布エリアでの鱒とのやり取りは決してテイクとはいえないものだった。
第1セクションの放水口からの流れ出しの向こう側にフライが着水する。
流れにラインが乗らないように何度も大きく上流側へスカジットボディをメンディング。
2回目のメンディングでラインに大きな負荷が掛かった。
ちょうど沈み石のあたり。
鱒はフライが着水した地点よりもさらに上流でジャンプし、そこらか第1セクションの最下流まで一気に疾走した。でも一瞬僕は偏光グラス越しにその鱒の釣り人としてはあまり歓迎したくない色を見たような気がした。
やはりそのお相手はサクラマス。それもスレ掛り。
結局はラインブレイクという結末で終わったのだが、そのサクラマスには大変申し訳ないことをしたような気がする。
フライが外れてくれるといいのだけれども・・・。


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午前中の昆布エリアでとても静かな釣りをする釣り人に出会った。
とにかく彼のスペイっぽいキャストもそうだけれど、キャスト後のロッドを高く保持してランニングラインを浮かせるようなスタイルがとても印象的だった。
第1セクションに着くなりなにやらゴソゴソと下を向いてフライを交換している釣り人を見かけたものだから、背後からいつものお決まりのちょっとした挨拶をすると、振り向いたのは時々釣り雑誌で拝見する安田氏だったような気がする(多分)。もちろんプライベートな釣行だと思うのでそれ以上の声掛けはしなかったが、彼が釣り下るのを待って僕らもゆっくりと釣り下る事にした。でも、先程のスレ掛りのサクラマスが彼の釣りをしているあたりまで疾走した時には、ちょっと邪魔をしてしまったのではと申し訳なく思う。

3つのセクションを流し終えたら、彼に少しラインのことでも尋ねてみようと思っていたのだけれども、僕が第3セクションに辿り着いた時にはすでにその姿は見えなくなっていた。


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この日の太陽が地平線に近くなり始めたら、もう一度昆布エリアを訪れようと思っていた。
それにしたも、すでに僕の顔や首、それに手や腕にはヌカカに噛まれた痕がまだ腫れが引かない状態で無数にある。痒いったらありゃしないし、痒み止めの強力なローションはすでに常時肌身離せぬものになっている。まぁそれも市販の虫除けではまったく効果がないし、僕自身の横着な準備不足というのもあるのだが。でもこのヌカカ、噛まれても人によって反応が様々なようで、僕のように噛まれると1週間は痒くてボコッとコブのように腫れ、それに熱を持ったりする場合もあれば、チクチクっと噛まれたなぁと感じるだけという人もいたりして、不思議なものだ。
米軍が使っていたという強力な虫除けがなくなって以来、僕は毎年この時期になるとヌカカの被害に遭うものだから、今年は秀岳荘で防虫ネットというものを購入してみた。
それにしても西日の中でレインジャケットを着込み、顔には防虫ネット、それに手には水色のいつもの冬に使うウレタンコーティングのグローブだと、実に蒸し暑くて格好が悪いのである。

「ヌカカが出始める」 = 「レインボーのシーズンが始まる」といった仲間内での暗黙の了解みたいなものがあるから、僕はしばらく早朝と西日が照りつける時間帯はこのいでたちで我慢しなかればならないことになりそうだ。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-25 22:20 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.581> 左手が上のマイブーム
今日のBGM : Brian Eno / Not Yet Remembered
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左手をロッドを持つ手の上手に持ち替えたいつもとは違う逆手によるスペイキャスト、
これが最近の僕の中では実に新鮮な試行錯誤なのである。

右岸でスペイキャストをやる場合、僕はほとんどの状況でスネークロールキャストなのだけれど、まぁ時にはダブルスペイキャストだってやるのだが、ここ最近の尻別川のいわゆる一級ポイントと呼ばれる場所で腰上まで深く立ちこんだ僕はどうしても背後に迫る木々の枝がスネークロールもダブルスペイも困難にさせる状況に遭遇することが多かった。
いかにも大きな鱒たちが流れの中で泳いでいそうなポイントを目の前にして、もしかしたら不意の衝撃が訪れるかもと期待だけは胸の中で高まるのだけれど、結局は気持ち良くロッドを振れずにすごすごとリールにラインを巻き込み岸際を次の開けたポイントまで慎重に下るというのは、実に辛いものがあったりする。


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そんなわけで、最近は背後に木々の枝が迫ったバックスペースがない右岸のポイントでは、ロッドを持つ手の上手を左手に持ち替えてキャストしたりしている。
もちろん左手をロッドの上手に持ち替えたとしてもスムーズに何の苦もなくシングルスペイキャストが出来るほど僕は器用なわけではないから、ある程度はごまかしのきくペリーポークなどが重宝していたるする。
違和感の塊のようなまるでぎこちないキャストでも、続けていればなんとなく少しはコツというものを肌で感じとることが出来るのだろうか。
とにかく胸下まで深く立ちこんだ右岸でのキャストを続けながら、スペイキャストというものは上手ではなく、やっぱりグゥィっと下手の力加減とティップを高い位置で止めるということがとても重要なんだということを僕はもう一度再認識させられた。


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それにしても右手によるランニングラインの扱い方ってとても難しい。
いつの間にか身体で覚えた無意識的な動作って本当にすごいことなんだなぁと思う。
少しは左手をロッドの上手に持ち替えたキャストにも慣れ始め、ダウンクロスならスペイラインをちょっとは打ち返せるようになってきた頃だっただろうか、ロッドティップがグ、ググゥンと不意にお辞儀し、バシャバシャと水面に水飛沫が上がる。
本流の人気者のウグイ君とはちょっと違う力強さ。
胸ビレあたりが少し黄金色に色付いた元気のよい30クラスのアメマスだった。
ヘビーウェイトのビーズヘッドをあしらった黒いウーリーを流れの中できまぐれに見つけてくれたのかもしれない。

初めて僕が左手をスペイロッドの上手に持ち替えて出会った鱒だった。
出来ればもうしばらくの間、白い大きな斑点をくすんだメタリックなボディに散りばめたその姿をゆっくりと眺めていたかったけれど、フックを外しそっと流れに戻すと一目散に流れの中に消えていった。

雲の隙間から晴れ間がのぞき始めた土曜日の尻別川、僕はもう少し左手をロッドの上手に持ち替えた慣れないスペイキャストでも、ラインをまるで生き物か何かのように自在に扱えるようになりたいと思った次第。まぁ実現するのはかなり先の話になるんだと思うのだけれども。


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Tackle /
Rod : Meiser MKS 14' #7/8
Reel : Hardy Marquis Salmon No.1
Line : Rio Skagit shooting head(550gr)+自作 8wt Cheater 5'(Intermediate)
     +15' Tip 9wt (Type6)+Fluoro tippet 10lb 6'
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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-22 21:24 | spey fishing | Comments(7)
<Vol.580> ちょっとした気分転換
今日のBGM : J.S.Bach / Cello Suites Prelude from D minor
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人という生き物は現在自身が置かれている状況に対して何かしら不満足なものを見出してしまうと、日常生活の中においてちょっとした変化を加える事により、例えば夕食は贅沢にイタリアンやフレンチなどと食事の内容をいつもとは違うものに変えてみるとか、服装もいつもとは違う色合いにしてみるとか、何かしらの手順もいつもとはちょっと順序を変えてやってみるとかといったようなことなどなど・・・、とまぁ上手くいけばその出口の見えない閉塞的な状況がもしかしたら打破出来るかもしれない糸口が運良く見出せるんじゃないかと期待してしまう生き物なのかもしれない。

そんなことはどうやら釣りの世界においてもいえるような気がして、釣り人が誰しもひとつぐらいは持っている何かしらのジンクスもそのひとつなのかもしれないなどと思う。
そんな僕だって釣り師のはしくれ。
2008年の尻別川がシーズン・インして、たまたま大きな鱒が僕のフライを本流の流れの中で見つけてくれたとしても、なかなかその妖艶な姿を穏やかな気持ちで眺めることが出来ないでいたものだから、ついついいつもの釣りにまつわることの中でいつもとはちょっと違うことでもしたものなら、もしかしたら大きな鱒に出会えてしまうかもなどとまったくもって身勝手極まりない期待を抱いたりする。
もちろん普段あまり釣果にはこだわっていないつもりなのだけれど、きっと火曜日のどこか間延びしたような穏やかな天気が僕にそんなことをふと思わせたのかもしれない。


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初夏の青一色に染まるキャンバスの上を白い綿雲がほとんど動いていないんじゃないかと思えるぐらいのスピードでゆっくりと動いていた。
どこか間延びしたようなのんびりとした雰囲気の朝、僕はこれから小学校へと登校する子供達の姿を道路脇に見ながら尻別川へと車を走らせる。
本流の水位は数日前の土曜日よりもさらに減水しているようだった。


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きっと早朝のとっておきの時間帯はとっくの昔に過ぎ去っていたのかもしれない。
遠くから聞こえるカッコウの囀りと共に照りつける太陽は眩しく、尻別川の畔は新緑はそんな日差しを浴びながらさらにキラキラと輝いていた。
取り敢えず栄橋周辺で本流に佇むことにする。


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ショップから首を長くして待ち望んでいた連絡が届いたのは先週末の話。
おそらく来週の初めには約半年の日時を経て僕のもとにオーダーしていたSageのZ-Axisの
13,6'#7のカスタムロッドが届くのだろう。
ロッドのキャストフィールは友人の所有する同じスペックのロッドを振らせてもらっているから気に入ることは間違いない。だから僕は湖にしても本流にしてもフィールドに佇むたびにMKSとZ-Axis、どちらのロッドを繋ごうかきっと迷うはず。
そんなわけで、何とか新しいカスタムロッドが届く前にお気に入りのMKSでグッドサイズの本流レインボーに出会っておきたいというのが心ならずとも僕の正直な気持ちだったのかもしれない。


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栄橋付近では結局僕が結ぶフライには到底不釣合いなぐらいにしか思えない小さなヤマメが、早い瀬の中のちょとした深みの中でフライに出てくれただけ。
その浮き上がるパーマークの鮮やかさにどこか新鮮さを感じながらまた流れの中に戻す。
僕の下流では日中の明るい日差しを浴びながらカヌーの練習にいそしむ人達。
ますます間延びしたような時間が流れていた。

正午を告げる遠くから響くサイレンの音は蘭越の放水口近くで耳にしたように思う。
放水口からの強い流れの中でフライをスイングさせてそろそろ流し終えたかなぁと思った時にいきなりラインを軽くホールドしていた指先がバチンと弾かれて、一気にランニングラインがガイドから滑り出していった。あまりにも不意な出来事だったので僕にはどうすることも出来なかったけれど、気が付いた時にはすでにラインからテンションは失われていた。
おそるおそるラインを回収すると、やはりトレーラーにした先端に結んだOSPがティペットと共にその姿をどこかへと消し去っていた。
どんな鱒だったかは分からないけれど、きっと溜息をつきたくなるような鱒だったに違いない。


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午後の昆布エリアに釣り人の車は見かけない。
僕はいつもとは違い踏み切りの手前の駐車スペースに車を止める。
午後の日差しの下をスペイロッドを片手に水田に伸びる青くて幼い稲が風で揺らぐのを見ながら僕は少し歩きたかったのかもしれないし、もしかしたらいつもとはちょっと違う変化をつけることで心のどこかで何かが起こることを期待していたのかもしれない。

第1セクションはこれからさらに上流へと遡上しようとするサクラマスで混みあっていた。
そんなサクラマス達の立てる激しい水飛沫と共に響くサウンドに時に驚かされながら僕は少しずつ釣り下っていった。

先週と同様に第3セクションの激しい流れの頭の部分。
Type6のティップとヘビーウェイトの黒いウーリー、それに数え切れないぐらいのメンディングではやはり2番目の筋の底に沈む大きな石に何度もフライが引っ掛かリ、その度に僕が流す黒いフライには塊のような緑の苔が付着していた。
でも、きっとココにいる。
第3セクションに辿りついて何回目のキャストだったのだろうか。
すでに傾き始めた太陽で複雑な流れは眩しいぐらいに輝いていた。
逆光の中で突如ラインが止まり、指先で軽くホールドしていたオレンジ色のランニングラインが強く引き込まれる。
ゴン、ゴゴンという強い躍動感。
鱒はまるでお尻に火のついたロケット花火のように、激流の中を一気に下流へと疾走した。
その疾走は僕の中で一瞬よぎった土曜日のチェリーがフライをバイトした場所と同じ場所という不安を瞬く間に払拭するぐらいの猛烈なものであり、みるみると白いバッキングラインがけたたましいリールの逆回転音と共に引き出されていった。
僕はグンニャリとバットから曲がるMKSを両手に、ただただ鱒の疾走がどこかで止まることだけを願うしかなかった。
かなりの長い時間僕はその鱒とハラハラしながらスリリングなやり取りをしていたんだと思う。
少し開けた第3セクションの真ん中辺りまでミシミシと音を立てるMKSとそこから一直線に伸びるラインの先に視線を釘付けにしながら僕は慎重に岸際を下る。
そんな中でも僕の頭の中ではこれまであともうちょっとというところで結局僕が触れることが出来なかった本流の大きなレインボー達の記憶が何度もよぎる。
でも、ふと僕が気付いた時にはその鱒は岸際の砂地に何ともいえない存在感を放ちながら横たわっていた。
左の上顎に古い傷のあるレインボーだった。きっと以前釣り人がリリースしたレインボーだったんじゃないかと思う。
そんなレインボーにまた出会えることを願って僕もそっと鱒を本流の流れに戻した。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-19 00:30 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.579> 夕方4時の出会い
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あっという間に白いバッキングラインが20m程リールから引き出されていた。

耳に残るマーキスの壊れんばかりの甲高い悲鳴にも似た残響音。

僕の耳には第3セクションの本流の奏でる荒々しい音色すら届かない。

息遣いが荒くなり、僕の周りのすべてがスローモーションのように動く。

僕はただただひとつの事だけを祈るしかなかった。

予期せぬ出会いは夕方の4時。

久しぶりに出会った尻別川の本流レインボーはWILDな表情を持つ52cm。

オレンジ色に染まるレインボーの頬が夕日のように鮮やかだった。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-17 23:36 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.578> 土曜日のチェリー
今日のBGM : Dub Syndicate / Yes it's Bless
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6月の晴れ渡る澄んだ青空のわりには肌寒い土曜日だったように思う。
もしかしたら金曜に降った雨は少しばかしこの日の気温を下げたのかもしれない。
尻別川の水位はとても6月とは思えないぐらいにまで下がっているのだけれども、水温はまだまだ冷たくって、僕はゴアテックス地のウェーダーを選んだ事をちょっと後悔する。
腰近くまでウェーディングし、初夏に彩られた本流の心地良さみたいなものを通り越した冷たさをウェーダー越しに感じながら、そろそろじゃないかと期待しつつスペイキャストを繰り返した。


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                   original photo by Mr.ABU


下流からの風は時々強くその存在感を印象付けるように吹き、キャストそのものを容易なものではなくする。でもそろそろかなぁという想いは絶えず僕の中で流れていた。

第3セクションの流れ込みのトップ。
僕は手前から3つ目の一番奥の流れの筋に向かってヘビーウェイトのフライをキャストする。
そして手前の速い流れにラインを取られないように何度も何度もメンディングを繰り返して、フライを流れの底に向けて沈めた。
2つ目の筋の流れを横切っていたスカジットラインが不意に止まる。
少しの間隙を置いて僕の手にしたスペイロッドに鈍重な衝撃が走った。
グゥーーン。グゥン。グゥン。
僕はずっとこの日出会った相手がレインボーだと思ってやり取りしていた。
なぜなら去年の今頃、あともう少しで手が届くというところまできておきながら僕のフライから逃れていった50クラスのレインボーも確か同じ場所、同じ様な流し方でフライをテイクしてくれたから。


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でも、岸際に横たわるその鱒はレインボーじゃなかった。
プラチナ・シルバーからサテン・ゴールドを一気に飛び越して、すっかりピンク色に色付き始めたサクラマス。
幅広のサンド・ベージュの背中に散りばめられた小さな黒い斑点を僕に強く印象付けながらゆっくりと第3セクションのプールへと戻って行くのを見届けた。


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土曜日は少し不思議な感覚に陥った。
次に訪れたほど良い水深のあるいかにもグッドサイズの鱒が潜んでいそうなランの中ほど、僕は右岸を胸下近くまで深く立ちこみスネーク・ロールやダブル・スペイでキャストを試みるのだけれども、とにかく岸際から張り出した木立の枝がキャストを邪魔して上手くいかなかった。
ちょっと前を先行していた友人の真似をしてみて右利きの僕だけれど、初めて左手を上手に持ち替えてみることにする。
もちろんキャストはこの上なくぎこちない。
まるで右利きの僕が慣れない左手で箸を使うような感覚である。
でも不思議な発見がひとつ。
もともとお気に入りの僕のスペイロッドは良く曲がる方だと思っているのだけれども、へぇぇ、こんなに簡単にバットが曲がるんだぁと思えるぐらいに慣れない左手が上手だと良く曲がるんだということを再発見した事。
おそらく左手に持ち替えた事が感覚的に新鮮だったんだと思うのだけれども、でも不思議な感覚。ラインのリトリーブを右手でやってみるというのも面白かった。
そんなわけで、僕もそろそろ左手に持ち替えた時のキャストの練習もしておいた方がいいのかなぁと思った次第。
相変わらず本流レインボーにはなかなか近づけないのだけれども・・・。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-15 22:48 | spey fishing | Comments(8)
<Vol.577> 唄い終わりはPM4:30
今日のBGM : KRAFTWERK / MANMACHINE
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朝から僕はエゾ春ゼミの蝉時雨に包まれていた。
夏の陽炎のように霞む遥か彼方の羊蹄山。
尻別川はすでに夏の様相を呈し始めている。
今日も暑い一日になりそうな予感。

時折ヒゲナガが慌しく川面の上を飛び交い、様々な野鳥たちの囀りが穏やかな、また時には激しく奏でられたりもする、流れの息遣いと共に本流に響き渡った。

100m以上も長く続くランの早瀬の頭でバッシャーンとトロフィーサイズのレインボーがその全身を顕わにする。僕は不意の光景にドキッ。
これも夏の本流の様相のひとつを呈しているのかもしれない。

先週よりも水位の下がった第1セクションと第3セクション、小刻みにロッドティップが震える。
30cmにも満たないパーマークが薄っすらと浮かび上がったあどけない表情がまだまだ抜けきらない幼いレインボー達のティペットの先に結んだ黒いフライへの悪戯が続く。
大きくなったらまた出会いたいものだとそっと流れに戻した。

額の周りに汗が滲み出るほど初夏の日差しはうんざりするほど眩しいのだけれども、河畔を囲む木々の深まり始めた緑を、サラサラという音色とともに揺らしながら本流を吹き抜けていく風はどこか気持ち良くって、そのうえ本流の流れの冷たさが久しぶりに足を通すセージ・グリーンのゴアテックス地のウェーダー越しにじんわりと伝わってきた。
これも夏らしい本流の楽しみ方のひとつとも言えなくもない。


午後の支笏湖でも僕はエゾ春ゼミの蝉時雨に包まれ続ける。
左から吹く風に期待をこめてラムズウールのセミフライをキャストし、波間に浮かべ、漂わせ、そしてひたすら待った。
あぁ、なんてまったりとした時間が流れているのだろうか。
午前の釣りと午後の釣り、尻別川と支笏湖、この時期の旬の釣りはまるで好対照。
結局午後の支笏湖では何事も起こらず、僕のセミフライは波間を漂ったまま。
さざ波がどこまでも広がる湖面に鱒の立てるライズも見ることもなく、そして背後の木立から奏でられるずっと耳にしていたエゾ春ゼミたちの唄はPM4:30にはとうとうこの日のフィナーレを迎えてしまった。

それにしても本当に夏らしい火曜日だったように思う。



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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-10 22:37 | spey fishing | Comments(7)
<Vol.576> 濡れる朝露とイブニングの深淵
今日のBGM : Bugge / YOYK feat MARI BOINE
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昨夜の雨はいつの間にか僕が目を覚ます頃には降り止んでいたようだ。
早朝の青白くて柔らかい光の中、峠を囲む山々の緑はいっそうその深さを増す。
立ち昇った白い水蒸気がガス状になり程良い湿り気を伴った清々しい空気の中でその緑を優しく包み込んでいた。
僕は車の窓を開けて走ることにする。
国道のアスファルトはところどころ乾いていた。


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尻別川の畔に車を止めドアを開けると、どこか幾ばくかの質量感とシトっとした湿り気といった存在感のある早朝の空気が様々な野鳥達の囀りと共に僕を迎えてくれる。
不思議なぐらいに6月の本流らしい雰囲気と気配がいたるところに漂っていたような気がした。
淡いグレーの空の下、鮮やかに映えるフォレスト・グリーンがそうさせるのか、今日はいつものMeiserのMKS 14' #7/8ではなく、久しぶりにWinstonのDerek Brown Favorite 15' #7/8を繋ぎたい気分。
何気なく感じるそのスペイロッドの重さというか不思議な存在感のようなものをじんわりと手で感じながら、朝露に濡れる緑のフィールドをゆっくりと歩んだ。

前日の雨で少しは濁りが入り込んでいたのだろうか。
でもそれはこの本流が生きている証のような気がしないでもない。

深いグリーンのブランクの15'のスペイロッドを手にWindcutterでシングルスペイ。
相変わらず僕は楽器を弾くことからしばらく遠ざかっていた演奏家のように、いやいや別の楽器に持ち替えたと言った方が良いのかもしれないのだが、ロッドが変わるとまるで思ったようにキャストのタイミングが掴めず、しばしの間スペイラインを操るのに苦労する。
やっとゆっくりとロッドを振る事、待つこと、力を入れるタイミングのようなものを僕の身体が思い出し始め、幾つかの尻別川のポイントを巡っても、相変わらず僕の流すフライに鱒からのコンタクトはなかった。
午前中の尻別川には時折霧雨のような細かい雨が降っている。こんな空色の下での本流での釣りは嫌いではないというのに・・・。
結局のところ日中での釣りで僕に訪れた鱒からのコンタクトは一度っきり。
第1セクションのプールエンドで強烈かつ何かに強く弾かれたようなバイトの主はきっとここまで遡上して来たサクラマスのものだと思う。なぜならそこは急流を乗り越えてここまで遡上して来たサクラマスが一休みするような場所にように思えたから。


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                      photo by Mr.hori


イブニングの釣りは苦手である。
川面はまるで日没後のトワイライトの空の色を映し出すかのように鈍く光り、辺りにヒタヒタと差し迫って来る暗闇とまるで底が見えない何かへの入り口のような水面下は僕をますます不安へとかき立てる。
だから僕はおのずと動きそのものが何かに追い立てられるかのようにせかせかとせっかちになり、ゆとりというものはひとかけらもなかったりする。
一般的な釣り人ならば、おそらくイブニングや夕まづめという時間帯はサカナの反応がそれまでと一変して良くなったりする事があるものだから、きっと待ち遠しい時間帯なのだろう。

でも僕は違う。僕はイブニングの釣りがとにかく苦手なのだ。

それでも懲りずに僕だって何度かはイブニングの釣りをした事がある。
支笏湖のモンカゲロウの時期や何度かはここ尻別川でだってある。
でも苦手意識だけは相変わらずでいつも何かにビクビクしながら車まで戻ったものだった。

イブニングには川面を沢山のヒゲナガが飛び交うかも、と友人に誘われて土曜日は随分と長い時間、つまりは日が暮れるまで尻別川に佇んでいたように思う。

スペイラインのティップをフローティングに交換して12' 1Xのリーダーの先にはスペイフックに巻いたオリジナルのセッジ系のフライを結ぶ。僕はここ尻別川でこの手のラインシステムはほとんど使う事がない。
蘭越の放水口下の長いプール。夕闇が少しずつ本流に迫り、スペイラインの蛍光イエローがエキゾチックに暗闇の中で輪郭を曖昧にしながら浮かび上がる。
残念ながら予想していた数以上のヒゲナガが水面の上を飛び交う事は起こらず、僕は大きな鱒のライズもほとんど見る事が出来なかった。
トワイライトの光りの中、スネークロールでスペイラインを対岸向けてキャストし、その先のフライは水面直下を流れを横切りながらスイングする。
突然「グゥーン」と重量感のある何ともいえない負荷がスペイラインに走る。
そして続けざまに躍動感。
でもその相手は、僕が知っている尻別川のレインボーほどスピード感溢れる疾走で僕を困らせるということはなかった。
薄明かりの中で浮かび上がるボディは決してプラチナシルバーというものではなく、薄っすらと色付き始めたサテンゴールド。
口元からフォーセップでフライを外し、柄の伸びる大きなネットから彼女を本流の流れに戻すと、あっという間にその姿は暗闇に吸い込まれていってしまった。

そして本流を覆い尽くし始めた暗闇はその深さをいっそう深いものにしていった。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-06-08 20:18 | spey fishing | Comments(8)