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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによる釣行記。

by d-yun5-fly-elise
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<   2008年 04月 ( 10 )   > この月の画像一覧
<Vol.564> 一期一会
今日のBGM : Good Groove /Du bewegst dich richtig RMX
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左からの湖岸沿いに吹き過ぎていく春の風に乗ってSTS(SI)をモディファイしたSTスペイラインが、僕が巻いた黒いフライを深い支笏湖ブルーへと湖水の色が変わるブレイクラインのさらに先まで運んでくれる。
フラットビームをリトリーブする指先に、不意に訪れる鈍い衝撃。
そして両腕で支えるお気に入りのロッドを通じて感じる、かなりの重量感。
しかしそのゆっくりとした振幅の躍動感は、決して長くは続かず、僕の手のひらからあっという間に、こぼれ落ちるようにして消えていった。

あの躍動感の主に僕はもう一度、このあてどもなく広い支笏湖のどこかで、また出会うことが出来るのだろうか。
きっとそれは叶わぬ果敢ない釣り師の抱く夢物語なのかもしれない。

4月最後の祝日の桜が咲き始めた支笏湖での一期一会。
僕はきっと忘れない。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-29 20:35 | spey fishing | Comments(16)
<Vol.563> ちょっと怖い話とちょっと嫌な気分
今日のBGM : Einsturzende Neubauten / Bili Rubin
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透明度の高い湖水の水面下で、ギラ、ギラっと瞬くメタリックなボディと頬が薄っすらと紅に染まった氷が落ちたばかりの屈斜路湖のベッピンさんのレインボーに出会いたくて、僕はハンドルを握っていると時折押し寄せてくるどうしようもない睡魔と格闘しながら、そんな時にはとFMラジオのボリュームを上げるなどしつつ、金曜日の深夜の北へと伸びるハイウェイをひたすら北上していた。
運転席側の窓からはいつも暗いオレンジ色に光る不思議な色の月が夜空にポッカリと浮かんでいる。更に僕の眠気を誘うかのような色あいの月だった。
屈斜路湖への僕のルート。
札幌から高速に乗り、道央道を北上。旭川、上川と径由して、白滝、遠軽、端野、そして美幌と抜けるいつものコース。
このルートを僕が選ぶ理由は、高速の深夜割引を利用するのと、石北峠を越えるよりも意外と交通量が少ないからに他ならない。
浮島ICで、あまりにもの眠たさに僕は車を止めた。
オレンジ色の街路灯の下で大きく深呼吸をして何度も背伸びをする。
ひんやりとした冷気の中で漆黒の暗闇がまるで何かを誘い込むかのように辺りを覆っていた。
何故かあまり良い気分はしない。トイレにも行きたかったこともあり、そそくさと車に乗り込み、次のSAまで車を走らせた。

僕が辿り着いたSAは誰もいないひっそりと静まりかえった深夜の白滝SA。
車を止めてエンジンを切り、車から降りてバタンとドアを閉めると、そのドアを閉める音が周りの暗闇にあっという間に吸い込まれていった。
なんか嫌だなぁと思いながら、トイレのある建物の方に向かって歩く。
まだ木の香りが残るログハウス調の建物の中には、男性用と女性用のトイレの入り口が向き合うようにあり、女性用のトイレは何故かドアが開きその中の電気は消えていた。
もちろん僕は男性用のトイレに入り、無事にトイレを済ませる。
手を洗い、トイレから出て、何か飲み物でも買おうと自動販売機のある方向へ歩み始めた時に背中の方で響く異質な音に僕はドキッとする。
ゴーー・・・、ゴーー・・・、と間欠的に、それも不規則なリズムで鳴り響く轟音。
それは電気の消えた女性用のトイレから鳴り響く、ジェットタオル(手指乾燥機)から風が吹き出る音。まるで順番に誰かが手を乾かすように鳴り響いた。
もちろん僕は絶対に振り返ることなんてしない。
きっとセンサーが壊れているんだろう。きっとそうに違いない。僕は背筋の辺りがザワっとするのを感じながら、とにかくそう思う事にした。
飲み物の自動販売機にコインを投入すると、「いらっしゃいませ。・・・・・」と始まる自動販売機に備え付けの小さなモニターから流れるコマーシャルCM。
そんな奇妙なぐらいの静けさの中で響き渡る突然のCMの中の人の声に、僕はもう一度ドキリとさせられたのだった。

普段サイエンスをベースとした職業を生業といている僕だけれど、まったくスピリチュアルな世界と無縁な訳でなかったりする。
今の職業に就いて、まだ大学に籍がある頃だった。先輩のやっていた研究のフィールドワークに同行して、沖縄を訪れた事がある。研究のテーマはシャーマニズム。つまり、沖縄のユタ(分かりやすく言えば巫女さんみたいなものなのかもしれない)と呼ばれるシャーマンの方々と会い、いろいろとフィールドワークを兼ねて研究させてもらい、さらには彼らの役割が仕事にも応用出来ないものかと探るのが先輩の研究だった。
そんなフィールドワークの中で僕もユタと呼ばれるシャーマンの方に出会い、そしてユタの方たちが礼拝するという拝所(確か、ウガンジョと呼んだと思う)という所を一緒に訪れる機会に恵まれた。そこは亜熱帯の沖縄独特の鬱蒼とした木々が生い茂る薄暗い森の中だった。普段はそういったスピリチュアルな感というものにまったく鈍い僕でもやたらと重苦しい厳かな空気感をひしひしと感じ、ここは神聖な場所なんだと思わせるには十分な雰囲気が醸し出されていたのだった。

そんな15年以上も前の事を白滝のSAを出た後で、ふと車の中で思い出した。
もちろん幾重となく押し寄せてきていた睡魔の波はどこかへと消え失せていたのだけれども。

ルクシ峠の途中で少しばかしの仮眠を取り、美幌峠を下る頃には視界の中に朝靄の中でこれまた暗いオレンジ色の輝く太陽に映し出された屈斜路湖が姿をあらわしたのだった。

シケレペンベツのインレットまでの林道で、僕は林道沿いにたった4台の車が止まっているのを目にしただけ。氷の落ちたばかりの屈斜路湖、もしかしたら水温はまだ低く、本格的なシーズン・インはもう少し先なのかもしれない。
シケレペンベツの駐車スペースに車を止め、僕は我慢していたトイレを済ます。やれやれタバコでも吸おうかと胸ポケットに手をやるが、胸ポケットにもさらには服のいたるところに手をやっても確かに入れたライターとタバコの膨らみを手で感じる事がなかった。どこかに落としたのだろうかと車の周りを一回りする。どこにも落ちていなかった。おかしいなともう一度車の周りを一回りすると、車のドアの前に見覚えのある真新しいオレンジ色の100円ライターが落ちていた。もちろんそれは僕のライターである。今度は肝心のタバコが見つからない。もう一度車の周りを1周するとさっきまで何も落ちてなかった場所に僕のタバコが落ちていた。
不思議な事があるものだ。本当に不思議な事。
もちろんそれ以上深くは考えない事にする。

指笛を何度も何度も吹き鳴らしながら準備を済ませ、湖畔に生い茂る森の中を抜けて、インレットを目指す。もちろん誰もいなかった。
静かなオレンジ色に染まる湖面に向けてスペイキャストを繰り返すのだけれども、どうもこんな日には後ろの気配が気になって、釣りそのもへの集中力に欠けていたように思う。
シーンと静まりかえった湖面。なぜか鱒そのものの気配すら感じられない湖。
どこかよそよそしかったし、そんな集中力の欠けた僕が屈斜路湖のベッピンさんに出会えるわけもないのだけれども。

無風の中、鏡のような湖面が広がるオサッペのインレットに移動した。
河口付近に立つローカルの方たちだろうか数人のFFMの姿。
僕がスペイキャストを始めると、途端に冷ややかで嫌な雰囲気がその場に流れた。
「こんなに充分にバックスペースがあるのにどうしてスペイをやる必要があるのか」とか、
「こんな鏡のような湖面でスペイキャストをやられると半径50m以内のサカナはビクついちゃうよ」などなど。そんな嫌味たっぷりの話し声が僕の耳にもしっかりと届く。
まぁ、逆の立場ならそんな気持ちも分からないわけでもないのだけれども、僕の胸ポケットのどこを探してもオーバーヘッド用のSTヘッドが巻き込まれたリールはないのだから・・・。
「きちんとターンオーバーしないあなたがキャストしたSTヘッドの塊が水面を叩くインパクトやRFMがキャストしたスプーンの着水時の衝撃は一体どうなるの」と心の中で思っても、小心者の僕には声にも出せない。それじゃあとやたらとムキになってペリーポークは封印し、水面をなめるようなアンカーからのスイッチキャストにとこだわった。とはいっても、そんな見事なキャストをこなすテクニックは僕のどこを探してもないのだけれども・・・。
もちろんオサッペのインレットでもそんな嫌な気分の中で鱒に出会える予感がする筈もなく、やっぱりあのまま背後の気配に集中力を欠きながらもシケレペンベツのインレットにいれば良かったかなぁと思った4月最後の土曜日の屈斜路湖だった。

もちろん帰りには、上川町のよし乃の飛び切り美味い濃厚な味噌ラーメンと隣のコンビニで買うバニラバーのアイスで締めくくって気分転換。
まぁ、時にはこんな日もあるのでしょう。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-27 21:34 | spey fishing | Comments(20)
<Vol.562> クリーミーなlake
今日のBGM : Bill Evans / peace piece
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我家の小さな庭に8年前に植えたサクラの木がいつもの年よりも少し早く花を咲かせた春らしい穏やかな青空が広がる火曜日の午後、僕はのんびりと支笏湖を訪れる。

風ひとつ吹かない鏡のような湖面が広がり、時折遠くからほんのかすかに名も知れぬ野鳥の囀りが聞こえてくる。
春らしいまるで霞みがかかったかのような淡いイエローと湖水のブルーとが遠くの山々のシルエットをいっそう曖昧なものにしていた。
まるであたかもクリーミーな乳白色の風景の中で釣りをしている気分。
のんびりとした午後の釣りにはもってこいの雰囲気だったのかもしれない。
僕の気分がそうさせるのか、もちろんこんな日に支笏湖の鱒に出会えるような予感すらどこかへと失せてしまった。

湖畔でスニッカーズを頬張りながら午後のコーヒーを淹れ、アハハ、まぁこういう日もあるんだよねとひとりで苦笑いする。

少し場所を移動して、美笛川から流れ込む雪融け水の冷たさに思いもよらずドキッとしながらキャストを繰り返すも、相変わらず支笏湖の空はクリーミーな乳白色に浮かんだまま。
でも、やっぱり来て良かったと思える支笏湖。
期待だけは十分過ぎるくらいに膨らんでいるんだけれども・・・。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-23 20:31 | spey fishing | Comments(12)
<Vol.561> 極東の本流アメマスに出会いに行く
今日のBGM : Jack Johnson / Sleep Through The Static
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季節の針がいつもの年よりも少しばかし早く進んでいるなと肌で感じる4月も後半に入った週末だった。僕らは以前から春に是非とも出会ってみたいと思っていた極東の沼のアメマス達に出会いに行く。
でも、残念ながらそこはアメマス達の悲しみで包まれていた。
水深の浅い濃い黄土色の沼の底に横たわる沢山のアメマス達の白いお腹。
大きいものから小さいものまで。
それはとにかく何の飾りっ気のない、あるがままの姿で佇むそのフィールドに不釣合いなものに思えたし、本当に悲しみと悲哀に満ちた光景だったように思う。
あと味が悪かった。まるで知らずにジャリっと砂を奥歯で噛み潰したような気分である。


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もうひとつ、是非ともこの時期に訪れてみたいフィールドがあった。
それは極東の本流、別寒辺牛川。
ここにも見事なぐらいに茫洋とした景色が佇んでいる。
僕らはそんな極東の本流のアメマスに出会いに行くとことにした。
ローカル列車がその存在を忘れかけた頃に甲高い警笛を吹き鳴らしながら通り過ぎていく線路沿いをお気に入りのスペイロッドを担いでトボトボと歩く。
気分はまるで初夏の心地良い日差しを浴びながら歩く旅人の気分。
背中のあたりがジワーっと汗ばむのを感じながら、
それにしても、ずいぶんと遠くまで来たものだと僕はつくづく思う。


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もしかしたら、僕らは早朝の釣りとしては絶好のタイミングを逃したのかもしれなかった。
潮の満ち引きの影響をダイレクトに受けるこの河口域での釣りに僕は少し戸惑う。
それでも時々本流筋ではドキっとするような本流アメマスの鮭稚魚へのボイルが見られた。
ぬかるんだ泥炭状の川底に足を滑らさないように注意を払いながら、STS(SI)をモディファイしたボディにType3のティップを繋げたシューティング・スペイのラインでペリーポークやスネークロールを繰り返す。
これが実に難しかった。つまり早春の十勝川でのアメマス釣りを彷彿させるようには上手くいかず、なかなか僕がイメージする通りに極東の本流アメマスには出会えないのである。


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友人達のロッドが極東の本流アメマスの持つ力強さで美しいカーブを描くのを横目で見ながら、ティップをクリアーのType1にチェンジしてみる。
そしてオリーブ色のフライが着水して少し沈んだあたりでリトリーブを開始してみた。
どうやらこれが功を奏したようで、それからは遠路はるばるこの極東の本流を訪れて良かったと思えるぐらいに春を迎えた本流アメマスの持つ力強さを存分にロッドを通じて感じさせてもらったと思う。
道路脇にはところどころに残雪が見えるこの東の果ての地でも、この日の風は心地良いぐらいに春を感じさせるものだった。


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極東の地での2日目。
別寒辺牛川は風が吹き止み、この地方独特の濃い霧に包まれていた。
グレートーンの霧の世界にぼんやりと浮かび上がる沢山の釣り人のシルエット。
それはまるで自分の周りを取り囲む世界をギュッと押し狭くしたように感じられ、不思議な感覚を僕に呼び起こす。
ソフトにくるまれた静寂さの中で本流がその存在を消し去るかのように静かに流れる水音、水鳥達の羽根音、ルアーの着水音、フライラインの音色、アメマスの立てるボイル音、それに姿の見えない釣り人の笑い声が複雑に反響しながら絡み合ったのだった。


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不意にオレンジ色のフラットビームを小刻みにリトリーブする指先に感じる強靭な野生の力強さ。オリーブ色のフライを咥えたアメマスは一気に下流へと疾走する。
霧が晴れ始めた本流にセント・アイダンの悲鳴にも似た逆回転音が響き渡った。
甲高い美しいリールの音色と本流アメマスの立てる水飛沫音。
僕にとっては充分過ぎるぐらい長いひと時、グッドサイズのアメマスとのやり取りを楽しんだ。
精悍な表情のアメマス下顎からフォーセップでフライを外し、そっと極東の本流へとリリースする。ゆっくりとその姿が薄っすらと黄土色に染まる本流の水の色の中に同化していった。

僕の頭の中では、最近のお気に入りのJack Johnsonの気負いのないどこかのんびりとした歌声とそれに上手く調和したギターの音色とが響いている。
春らしい陽気の下で出会った沢山の極東の本流アメマス達。
来年の今頃、きっとあのどこか懐かしさを感じさせるゴッコ鍋が食べたくなったら、またこの地を旅する旅人になっているんだろうなと思った。


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                  original photo by Mr.としー
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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-21 23:48 | spey fishing | Comments(20)
<Vol.560> 春らしい日の予期せぬ出会い
今日のBGM : Wave Music / Joy
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10回目ぐらいのショートストロークのリトリーブの最中だった。
オレンジ色のフラットビームを摘む左手の指先に感じる鈍くて重量感のある衝撃。
僕は無意識の内にロッドを煽るのではなく、
左手でオレンジ色のランニングラインを強く引いていた。
それは春らしい陽気に包まれた湖岸に佇んで3投目の出来事だった。


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本当ならまだ夜も明けきらぬ島牧の海岸に立つ予定がすっかり寝坊してしまい、車のカーゴルームにロッドなど釣り道具一式を積み込んで僕が自宅を出た時にはすでに朝のラッシュアワーはとっくの昔に過ぎ去っていたようだった。少し黄色味がかったように感じる春の町並みの中を車は支笏湖に向けてゆっくりと走る。
乾いたシルバーのアスファルト道。峠の山肌にはほとんど雪の姿をみる事がなかった。
車の窓を開け、お気に入りの音楽をかける。
峠道の脇の木々の枝は、ほとんど揺れる事がなかった。


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峠道を下ると、ところどころ穏やかで少し刷毛でなぞったような湖面と、国道沿いの点在する駐車スペースが週末とは違い閑散とした平日の支笏湖が僕の目に飛び込んできた。
春の陽気のようなのんびりとした気分で、決して前のめりではなく、ゆっくりと支度を始める。

減水した湖岸を歩くと先程とは打って変わって、湖面を走るほんのり冷たい風が優しく僕の周りを吹き抜けていった。


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春の陽気はまったく僕に鱒に出会えるという予感を微塵も起こさせなかった。
僕にそう思わせるぐらい風はほとんど吹いておらず、湖面の上の小波もほとんどその波形を減弱させようとしていた。やがて風はその気配を消し、湖全体に静寂さというものが訪れたような気がする。静かだった。


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取り敢えず先週の火曜日に支笏湖の鱒からコンタクトがあった95kmのポイントでロッドを振る事にする。この時点では今日は湖畔でのんびりとキャスティング練習というぐらいの割り切りだったのかもしれない。

予期せぬ出会い。
それは静寂さの中で遠くから聞こえて来る野鳥の囀りに耳を傾けながらの3投目だった。
Type3のティップを繋いだSTS(SI)をスイッチキャストでキャストし、とっておきのフライをしっかりと沈めながら10秒ほどのカウントダウン。ショートストロークのリトリーブを始めてややもすると、リトリーブする左の指先にまるで根掛りを思わせるかのような丸みを帯びた鈍重な衝撃が訪れた。僕はほとんど反射的に左手の指で摘んだオレンジ色のランニングラインをグッと握りしめて強く引いていたんだと思う。その衝撃は、僕がラインを引くと共に少しばかし動いたように思えた。
瞬時に鱒だと確信する。
バシャ、バシャ、バシャと水面に大きな波紋が水飛沫と共に生まれ、鱒は一気に沖へ沖へと走り、そしてさらに湖底へと深く深く潜っていった。セント・アイダンの激しい金切り音と共にランニングラインはかなり出たところでやっと鱒の疾走は止まり、そして鱒は底にビタっと張り付いて動こうとしなかった。おそらく僕のMKSはこれまで見た事がないぐらいの理想的な曲線を描いていたんだと思う。
やっと僕の高鳴る心臓が落ち着きというものを取り戻し、僕は自分の荒い息遣いに気付いた。
そしてふと湖面の下に目をやり不安になる。
鏡のような湖面の下には、いつもなら見る事が出来ない沢山の倒木があったのだ。
それに水中深く鋭角的に突き刺さったラインが引っ掛からないようにロッドを煽って鱒にプレッシャーを掛ける。何度も、何度も。
やっと鱒が横へと動き始めた時に、僕はヨレヨレのインスタネットを自宅に置き忘れてきた事を思い出した。どうしようか。
とにかくもう一度走り出した鱒の疾走に、リールから滑り出したランニングラインを指で押さえながらプレッシャーを掛け、ふと気が付くと岸際に大きな鱒が横たわっていたのだった。
黄土色の背中がこの鱒の野生を物語るような65cmのブラウン。
僕にとってはその場で小躍りしたくなるようなトロフィーサイズのブラウンだった。
その上顎の横にはチョコンと不釣合いなぐらい小さな黒いブタマン・フライのバリエーションがしっかりとフッキングしていた。
そんなフライをフォーセップで外し、鱒を春の湖に戻すと、何事もなかったかのように堂々と威厳のようなものを保ちながら彼は湖底へと戻っていったのだった。


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風はまったく吹き止んでいた。
時折り湖の上空をグルっと旋回しながら飛んでいくジェット戦闘機。
鏡のような湖面。
そしていつか出会ってみたいと思っていた力強い風格のあるブラウン。
それは春らしい陽気の中での僕にとっては不思議な取り合わせだったのかもしれない。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-15 21:11 | spey fishing | Comments(34)
<Vol.559> 2つのフライ
今日のBGM : Meat Beat Manifesto / 62 Dub
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濃いブルーの湖底へと消えていった2つのフライ。
日曜日の支笏湖で、僕はここ最近ホイットレー社のアルミ製のフライボックスにぎっしりと夜な夜な巻き溜めておいたお気に入りのフライ達の内の大事な2つを湖底の色が濃いブルーから淡いブルーに変わるブレイクライン近くでロストしてしまった。
期待に反して支笏湖の鱒からあまりにもコンタクトがないので、少しカウントダウンし過ぎたのかもしれない。

柔らかい左からの風が正午過ぎには吹き止み、そして湖面には正面に聳える恵庭岳がシルエット鮮やかに映し出される。
冷えた身体を温かい即席のランチとゆっくりと淹れたコーヒーで暖めた。
やがて左からの風が息を吹き返し、また湖面がザワザワと騒ぎ始める。
きっと僕がブレイクライン近くでロストしたフライも、まだ背中のキラメキを保ちながら湖底でユラユラと揺らめいているのだろうか。

時々ふと思うことがある。
釣り人がロストしたフライやそれから伸びるティペットはこれから時間と共にいったいどんな運命を辿るのだろうかって。いつか水中のバクテリアか何かしらの微生物の働きでロストしたフライやティペットが跡形もなく分解されればいいのになぁと思う。そして僕がフライのシャンクに巻き込んだウェイトは全く毒性のないものなのだろうか、とちょっと不安になった。

湖面を吹き抜ける風の強弱を感じながら、相変わらず黙々とスペイキャストを繰り返す。
いつしかひとり、またひとりと釣り人の姿が僕の視界から消えていった。
そして最後には僕ひとりっきりのいつもの95kmのポイントとなる。
相変わらず鱒からのコンタクトのない日曜日。
フィールドがとてつもなく広く感じられた。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-13 22:28 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.558> STS(SI)を湖用のスペイラインとしてモディファイする
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これまでバックスペースがほとんど確保出来ない湖でのポイント(例えばハイシーズンの支笏湖であったり、朱鞠内湖、屈斜路湖の林道側など)で、ものぐさ釣り師の僕はもっぱらRio社のスカジットシューティングヘッド(550gr)にWC8/9/10のインターミディエイトのコンペンセンターを4'にカットしたもの(約43gr)を繋げ、さらにその先に同じくWC8/9/10の15'のティップ(約129gr)を繋げて、トータル約722grの重量のシューティングヘッド(全長46'、約13、8m)でペリーポークによるスペイキャストをしていたのだけれど、どうしてもあのパスタ並みに太いスカジットヘッドが湖面に着水する時のインパクトが気になっていた。
ちなみに使用するロッドはMeiserのMKS 14' 7/8でGrain Windowは500-750gr。
もしかしたらちょっとラインの設定重量は重めだったかもしれなし、スカジットヘッドを450grにまで下げてトータル約622grにしても良かったかなとほんの少し後悔している。

湖でのリトリーブによる沈めた釣りの場合、やはりロッドティップからフライまでは一直線の方が良いのだろう。そんな訳で最近購入した3M社のSTS(450gr)のSI(スーパーインターミディエイト)をモディファイして湖でシューティングスペイを行う時のラインを作ってみた。
特に理由はないのだけれど、ヘッドの全長は12,5mとした。これはあくまでも想像なのだけれど、おそらく最近後志利別川で偶然お会いしたつっちーさんの改造ラインが12,5mだったのが印象深かったからなのかもしれない。それにヘッドが短い方が、リトリーブ出来る距離が長くなるような気がしたものだから・・・。

STSのリア側をカットして全長を8m(この場合安田さんのレシピ(2008/2/22参照)によると27.7g=約420grとなる)とし、リバースとする。両端にループを作り、その先にWC7/8/9の
15'(約4.5m)ティップ、109grを繋げ、トータル約529grのシューティングヘッドとした。
カットしたラインの重量に関しては、自分自身で実測したわけではないので、あくまでもこのぐらいという目安にしていただければと思う。

つい先日の火曜日、支笏湖でこのモディファイしたライン(ティップはType3を選択)を実際に普段メインで使用しているMKSに乗せてキャストしてみたところ、ペリーポークでもスイッチキャストでもキャストフィールはすこぶる軽快そのもの。
さらにはラインの着水時に生じる湖面へのインパクトもスカジットヘッドの時に比べるとかなり少なかったように思う。
そんな訳でものぐさ釣り師はついつい「これは使える」とニヤニヤしながらフィールドをあとにしたのだった。

おそらく本流でも使えるラインシステムなのだろう。きっとヘアーウィングのストリーマーやウェットフライを流れの中でスイングさせるにはもってこいのラインシステムなのかもしれない。でも、ヘビーウェイトのビーズヘッド仕様のフライを多用し、メンディングを頻回に行うことによってフライにジギングのようなアクションを起こさせている僕のスタイルにとっては、やはりスカジットヘッドのようなシンクティップラインでのシステムの方が向いているのかもしれないとも思ったりする。

まぁどちらにしても、これからの湖のシーズン、この新しくモディファイしたラインシステムを使用する頻度はきっと多くなるような気がした次第なのである。


今日のBGM : Round Two / New Day




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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-10 22:38 | 私的北海道のスペイ考 | Comments(4)
<Vol.557> 南の風が吹く火曜日と指先の余韻
今日のBGM : Beat Pharmacy / Wata feat Mutabaruka
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月明かりのないミッドナイト・ロード、車の中ではディープなベースサウンドとミニマルなリズムトラックとが大音量で鳴り響いた。
深夜のフィールドまでのひとり旅は僕にとって自由気ままな時間のひとつであり、車中はもっぱら僕だけのセルフ・スペースと化す。
サウンドに身を委ねながら、僕はいろんな事を考える。
フィールドの事、去年の今頃の事、仕事の事・・・・、それらは何の関連性もなく次から次へと湧き上がっては消えていく。
ボクニトッテハ、トテツモナク、タイセツナジカンナノダ。

夜明け間近の島牧は千走川の河口近くの駐車スペースに車が滑り込んで、やっとスピーカーから音が消えた。ドアを開けると、その代わりに静寂の中の鳥達の囀りが僕の耳に優しく響いてきた。

河口のすぐ右側に立ち、すっかり海用のロッドと化してしまったScottの15'#10番のロッドを持つと、車から降りた時とはまったく別物の山側からの強い南風が吹いていた。
そんな強い出し風に#11番、Type1のシューティングヘッドを上手く乗せて遠投しようと目論むのだけれど、久しぶりのオーバーヘッドキャスト、要はバックからの強い風に押し出されてバックキャストの際のロッドにラインの負荷がかかる感じが上手く伝わってこないのである。そんな訳で途中からはシューティング・スペイに切り替えることにした。
吹き出しの風が作り出す海面の模様に目を凝らしていると、時折りアメマスのボゴッ、ボゴッというドキッとさせるようなボイルが散見される。そんなボイルを繰り返すグッドサイズのアメマスがいつ僕の鮭稚魚フライを見つけ出してくれるのかと期待はさらに高まるのだけれども、これがかなりシビアなようで、一向にランングラインには期待通りの重量感溢れる衝撃が伝わってこない。近頃はライトタックルのツーハンドロッドばかり両手で握っているものだから、#10番のロッドのバットを強引に曲げるのに両腕がそろそろ疲労し始めた頃になってやっと、ランニングラインをリトリーブする指先にグゥンという強い衝撃が訪れた。偏光レンズ越しに水面下の僕にとってはグッドサイズのアメマスの白いボディが目に焼き付き、グゥン、グゥン、グゥンとロッド全体が孤を描く。余ったランニングラインをリールに巻き込もうとした時、フッとこれまで感じつづけていたすべてのテンションを失った。
結局僕には早朝の島牧で2度のアメマスのバイトがあり、そして2度ともまるで両手ですくった水が指と指の間からこぼれ出て行くように、スルっと出会いは去っていった。僕の指先に衝撃の余韻を残したまま。


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午後には南寄りの風が湖面を揺らす支笏湖の湖畔に立っていた。
遠くに見える山肌の白い雪がずいぶんと姿を消している。
その上、湖水はかなり減水していた。
支笏湖での鱒釣りとしては、かなり雰囲気が良かったように思う。
この日は新しく購入したSTS SI 450grをモディファイしたラインをMKSで実際にテストしてみたかったというのが、この湖に立ったもうひとつの理由だった。
追い風参考というのは差し引いても、新しいラインのキャストフィールは悪くなかったし、何しろいつもはランニングラインにレベルラインを使っているのだけれども、久しぶりにフラットビームをこのてのシューティングスペイ用のラインのランニングラインとして使ってみたのもこの日が初めてだった。
とにかくリトリーブするフラットビームが中指の腹を滑っていく感触がなぜか懐かしい感じがしたのは間違いない。

paruさんがご馳走してくれた湖畔での午後のコーヒーが、もしかしたら支笏湖の女神に何かの気まぐれを起こさせたのだろうか。
コーヒーブレークの後の1投目だった。風に乗って湖水の色の変わるブレークラインのさらに向こう側に着水したビーズヘッドの黒いフライが湖水に沈み、数カウント後にリトリーブを開始すると、まるで予想しなかったことなのだが、数回目のリトリーブで早朝の島牧での出来事と同様、フラットビームを摘む指先に鈍い重量感のある衝撃を感じた。ゴン、ゴン、ゴンと支笏湖の鱒の躍動感。そしてそれを3つ数える内に、またすべてがどこかへと消え去ってしまった。

どうやら今日は僕の指先に衝撃と躍動感の余韻だけが取り残される一日だったように思う。
そんな何ともいえない火曜日の一日だった。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-08 22:48 | spey fishing | Comments(12)
<Vol.556> 気難しいアメマスは本物志向
今日のBGM : Deep Space NYC / Mental Universe Album Mix
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鈍よりと低く垂れ込めた雲の隙間から早朝の太陽の光が差し込み、ゆったりと流れる前夜の降雨で少しばかし増水した道南の本流の川面がそんな朝日に照らされて、キラキラと煌いていた4月最初の土曜日の朝だった。

夜明け前の峠道はミゾレ模様、おまけにニセコ付近は雪景色、冷たい朝が予想された。
それでも曇り空の下では相変わらずヒバリ達が賑やかに囀っている。
フリース地のグローブが必要な朝だった。

この本流で、すでに早朝からロッドを振っていたHigeさんに、当初から予想されたシビアな状況を再確認する。やはり彼の口から返ってきた言葉は、予想されたものだった。
去年が良すぎたのかもしれない。
自然のサイクルとは、やはりこういうものなのだろうか。


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ABUさんと少し下流の様子を見てこようと河畔沿いの土手を歩いていると、北西の強い風で枯れたススキの穂が何度も何度も大きく傾いていた。
日差しはさらに強くなる。冷たく吹く風に冬のなごりは微かに残っているのだけれども、それでも十分心地の良い土曜日だった。


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                  original photo by Mr.SHU


ロッドを通じて何も感じる事はなく、もう一度最初のポイントに戻ると、SHUさんの顔にニヤッと偏光グラス越しに笑みがこぼれる。
このシビアな状況で、この本流が育んだ本物志向が強いグッドサイズのアメマスにどうやら出会ったようだった。
おめでとうという素直な祝福の気持ちとともに僕の中でどこか羨望の感情が芽生えなかったかといえば嘘になるだろう。
やっぱり僕も釣り人の端くれとして、野性味溢れるアメマスに出会いたいのだ。
でも、そんなアメマスは一向に僕のフライには見向きもしてくれない。
ほんのすぐそこで、心臓が飛び出てきそうなぐらいドキッとするようなアメマスのボイルが散発ではあるが繰り広げられているというのに・・・。

幾つかのポイントを移動し、時折り強く吹く冷たい4月の風に少し角の取れた丸みを感じ始めても、相変わらず僕のフライにアメマスからのコンタクトはない。
いや、豊田橋の上流で2度ほど居付きのアメマスらしいバイトはあったのだけれど、それもそれっきりだった。

それにしても川原でマッタリとしながら、キリっと冷えたビールを乾いた喉に流し込みたくなる午後の季節がそろそろ近づいてきたんだと思う今日この頃なのである。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-06 18:26 | spey fishing | Comments(8)
<Vol.555> 4月の午後のアメマス
今日のBGM : BURIAL MIX / why version
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火曜日に北海道に近づいた台風並みの低気圧による強風は、日付が変わっても相変わらずビュービュー、ゴーゴーと轟音のような風音と共にまったく弱まる事を知らず、峠道を下る僕らが乗った車を時折り強く吹き付けてはユラっ、ユラっと揺り動かした。
僕らの車は水曜日の早朝の海が白波が立つぐらいに荒れて、釣り人の姿もまばらな閑散とした島牧を通り過ぎ、さらに南の後志利別川を目指す。
車が暫らくして道南の本流のいつもの駐車スペースにゆっくりと滑り込むと、不思議なことに天候は一変していたのだった。
風は収まり、遠くに見える風車の羽根もその動きを止めようとしている。
薄いベールを被せたかのような淡いブルー・グレーの空は、東の空から昇った太陽の光でパープルと明るいオレンジ色を混ぜたような色合いをしていた。そんな色合いが鏡のような川面に映し出され、朝を迎えたひばり達の喜びの囀りと共に、時間はゆっくりと流れていた。

先週よりも少し減水した本流の流れに立ちこみ、少しばかし早朝の冷え込みで冷たくなったマーキス・サーモンNo.1から乾いたクリック音と共にスカジットヘッドとオレンジ色のランニングラインを引き出す。
僕の中で、さぁ今日一日の釣りをじっくり楽しみましょうか、という気持ちが引き締まる、ある種の儀式めいた瞬間でもあったりするのだ。

残念ながら期待していた海へと下る鮭稚魚の群れの数は、僕が予想していた程のものではなかったように思う。それでも時々ゴボッ、ゴボッと大きなアメマスが鮭稚魚に襲いかかる光景を目にする事は、先週よりも多かったのかもしれない。
水位が減水していたのでティップはType3に交換を済ませていたし、1Xのティペットもいつも以上に長めにスプールからカットしておいた。
4月の太陽が頭上近くにまで昇るまでに、僕には3度のドキッとするようなアメマスのバイトが訪れた。でも、残念ながらどのアメマスともロッドとラインを通じて、心臓をドキドキと高鳴らせながらやり取りするまでには至らなかった。


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僕のロッドにやっとアメマスらしい野性味溢れる力強い躍動感が訪れたのは午後近く、この本流の中流域に移動して道南の空に雲一つない快晴の空が広がってからの事だった。
そのどこか余韻の残る力強いトルク感は、ちょっと前に出会った出来れば海で出会いたかったプラチナシルバーのボディが眩しい鱒のものとは異なるものである。
白い大きな斑点を全身に散りばめた茶褐色のボディが艶々と光沢を放つアメマスは、午後の日差しを浴びて本当に眩しかった。
そんな僕にとってはグッドサイズのアメマスは、僕が岸際でカメラのシャッターを2回押す間に、バシャバシャと元気よく暴れまわり、自分でフックを外して一目散に流れの中に戻っていったのだった。
そんな姿を見送り、ふっと我に返ると収まっていた風は本流沿いの木々の枝を揺らし、また息を吹き返したようだった。

相変わらず4月の午後の太陽は眩しいぐらいに明るく本流に照りつけてた。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-04-03 23:18 | spey fishing | Comments(4)