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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによる釣行記。

by d-yun5-fly-elise
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<   2008年 02月 ( 6 )   > この月の画像一覧
<Vol.547> 冬の嵐の前に
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冬の嵐。
それがやってくる前にと、僕らは急きょ日曜日に予定していた釣行を土曜日にへと1日早めることにした。

厚い薄鉛色の雪雲に覆われた早朝の島牧の海。
パサパサと湿った雪がそんな空から舞い降り、冬の太陽はすっかりその鉛色のカーテンに遮られて、僕らにブルーとグレーとを混ぜたような不思議な色合いをプレゼントしてくれる。
そんな降り積もった白い雪と風景とが織り成すどこか曖昧なコントラストをいつもよりもほんの少しだけ長く僕らは味わえただろうか。

時間が経ち、周りが少し明るくなり始めると、今日の全貌が明らかになる。
その時の気分といえば、雨による増水が落ち着き始めた時の本流の濁り具合を気にしながらスペイロッドを片手に本流へと続くあぜ道を足早に歩いている時の気分にも近いし、子供の頃サンタクロースにお願いしたクリスマスプレゼントの箱の中身が自分のお願いしたプレゼントだったら良いなぁと思いながらドキドキしつつ箱を開けている時の気分にも近いのかもしれない。

島牧の海は激しくうごめき、そして喘いでいた。
その内側には強大なエネルギーを蓄え始めているかのようで、僕らに冬の嵐の訪れを予感させるのには充分だったのかもしれない。

薄鉛色の空がその明るさを増し始めると、海はモスグリーン色に染まっていた。
それはこの海に泳ぐウミアメの背中の色そのもののように僕には美しく思えた。
海岸に立ち並ぶ釣り人の間に立って僕もモスグリーンの海に向かってキャストを繰り返す。
そして冬の嵐の前のうごめく島牧の海に翻弄された。


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この日の島牧の海が激しく喘ぐような呼吸であったとするならば、帰りに立ち寄った尻別川は静なる穏やかな呼吸であったのかもしれない。
そんな冬の本流の穏やかな呼吸に合わせて僕もいつも以上に穏やかな気分でスペイロッドを振れたような気がする。
降りしきる細かい雪がなせるのか周りの景色が少しずつ白く霞んでいった。

冬の気難しい鱒、そんな訳で今日も出会えずじまい。


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                  slow fishing photodesign
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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-24 17:02 | spey fishing | Comments(16)
<Vol.546> clear water
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まるでクリアー・ウォーターとでも言いたくなるような透明度の高い湖水の色。
それは2月の青空の淡いブルーをしっかりと湖面に映し出し、さらには2月の太陽のほのかな陽気さえ感じられる日差しを浴びて、時折りそよぐような風になびかれて微かな小波が立ち始めると、僕にはこの世のものとは思えないぐらいの輝きでキラキラと瞬いていたように感じられた。

火曜日の午後、決して重厚感というものではない、どこかハイ・トーンの静寂さに包まれた支笏湖が僕を出迎えてくれた。
これは、もしかしたら天候が穏やかな冬の日に見せてくれる支笏湖のとっておきの表情のひとつなのかもしれない。
僕はほんの少しだけれどちょっとだけ得をしたような気分になれた。


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かなり減水した湖水の水位。
僕は美笛の河口まで続く冷たい湖面の岸際から降り積もった雪までの間の、おそらく1mぐらい顔をのぞかせた黄土色の砂地の上を、いつもよりもほんの少し急ぎ足で歩いた。
空気は思った以上に乾燥していたのだろうか。僕の唇や喉はすぐさまカサカサ、カラカラに乾ききり、フリースの下はポカポカと熱くなる。
河口では、冷たい湖水に立ち尽くしてキャスティングを繰り返す友人の姿を見つけて、なぜかホッとした。
友人からちょっと離れた場所で僕も15feetのツーハンドロッドでキャスティングを繰り返す。
Type3のシューティングヘッドでキャストしたフライとラインが湖底に向かってゆっくりと沈んでいく間、冷たい湖には静かな静寂が訪れる。それはとても静かな時間であり、心穏やかな時間でもある。
「ヒュン、ヒュン」と、ロッドとフライラインとがある種のリズムを刻みながら冷たい空気を切り裂く音がさらにその乾ききった冷たさと静寂さとを増長していくように僕には感じられた。
そんな冷たい音、僕にはとてつもない静寂さの中で「ああ、僕は今、フライフィッシングをしているんだ」と思えるような象徴的な音を僕は友人と交互に奏でていたのかもしれない。

湖面に吹く風の冷たさがさらに増し、2月の太陽が傾き始めても、相変わらず僕には鱒からのコンタクトはなかった。でも、唯一岸際5mのカケアガリの辺りでボゴッと鱒が水面を盛り上げるのを見たことだけが、今年初めて訪れた支笏湖の鱒からの僕への挨拶だったのかもしれない。

相変わらず支笏湖の冷たい湖水は、クリアー・ウォーターそのものだったように思う。


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                  slow fishing photodesign
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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-19 22:46 | fly fishing | Comments(6)
<Vol.545> slow fishing new photo website
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僕が生まれて初めてコンパクトデジタルカメラというものを手に入れたのは、今からさかのぼる事、それはちょうど4年前の春になるのだろうか。
迷いに迷った挙句、近所のカメラ量販店でCanonのIXY‐30という手のひらにすっぽり収まってしまいそうなぐらい小さなアルミボディのコンパクトデジカメを、型が少し古くなったということで、かなりのお値打ち価格で購入したのを覚えている。
フィルムカメラに馴染んでいたせいか、最初の頃はシャッターを押す事に随分とためらいを覚えたけれど、慣れてくるにつれフィールドに行くとメモリーの半分以上はシャッターを押していたんだと思う。
そんな僕の最初に手にしたコンパクトデジカメ、フィールドに行く時はヨレヨレのレインジャケットのポケットの中でジップロックに包まれて、雨の日も晴れた日も、またまた雪の日もいつも僕と一緒なのだった。
水没させた事だってある。だから冷凍庫には何度もお世話になった。
今でもそのボディデザインといい、その機能のシンプルさといい、僕が気に入っているコンパクトデジカメのひとつなのである。

そんな僕がフィールドで使うコンパクトデジカメが2年前からPENTAXのOptio W20に替わった。Fly Rodders誌から賞品としていただいたものである。
防水仕様のこのカメラ、おかげでフィールドでジップロックのお世話になる事はなくなり、いつもフィールドではストラップで首から吊り下げられている。
おそらく画素数といい、バッテリーの機能といい、カメラとしての性能は格段に向上しているのだろう。ただひとつ難点があるとすれば、偏光レンズを掛けているとせっかくの大きなモニターがまったくもって見え難いということだろうか。だから最近はほとんどノー・ファインダーのような状態でシャッターを押している事が多いと思う。

もうすぐこの"slow fishing"を始めて3年が経とうとしているが、やはりこの"slow fishing"を始めるきっかけとして、僕がコンパクトデジカメを手にした事が強く影響していると思っている。
これまで"slow fishing"に登場する画像のほとんどすべてを僕は何かしらの形で加工処理してきた。これは決して苦ではなく、実に楽しい作業なのである。
きっとこれは以前僕が音楽活動をしていた時の音作り、つまりサンプラーやシンセサイザーという機材を使って自分好みの音作りに熱中していた時の感覚に近いものがあるんだと思っている。
もちろん思い描いたイメージ通りに上手くいく時だって、いかない時だってある。でもまったくもって予想もしない偶然の産物が出現したりする事や失敗が次に活かされることもあるので、やはり楽しい作業に違いはないのである。

個人的には綺麗な写真というものや美しい写真というものには興味がない。
どちらかというとイメージが膨らむような写真や画像が好みなのだろうか。
以前の事だが、どこかのサイトで「脱・キレイ写真」というのをテーマに掲げた写真のサイトを見たことがある。モノトーンの暗いタッチの写真が中心だったが、なぜかそのテーマといい写真といい印象深かったのが思い出される。

フィールドでコンパクトデジカメのシャッターを押す度にストックしてある画像の容量がどんどんと増えていく。僕はプロでもないからカメラに関する知識はほとんどないけれど、それでもこれまでに撮った容量はCD‐Rにして30枚近くにのぼる。多いのか少ないのかは分からない。
でも、時々最初の頃に撮った写真を再生しては思わず苦笑いしてしまうのも正直なところだ。

写真を撮り始めた頃に比べると何が一番変わったのだろうか?
もちろん撮った画像の加工処理に関するテクニックも失敗を重ねるにつにれて少しは身についたのかもしれない。でも、一番変わったのは何といってもアングルというか構図の取り方のような気がしている(考えようによっては、いろんなものに影響を受け過ぎたとも言えなくはない)。
しかし反面、最初の頃のような無謀な冒険はしなくなったし、どこか無難にまとめようとする小ズルさのようなものがないかといえば、それは嘘になるかもしれない。

最近、初期の頃に撮った写真を再生しながら、今の感覚でもう一度再加工、再処理してみたらどうなるのだろうかと思い始めた。もしかしたら、また違ったイメージに仕上がるのかもしれない。そんな訳で、この"slow fishing"の新しいコラボレーション・リンクとして"slow fishing photodesign"という画像中心のwebsiteを始める事にした。自分で気のむくままにシャッターを押したり、共にフィールドで時間を過ごした友人達からいただいた古い画像から再加工、再処理を始めるので、最近の画像にまで辿り着くのはまだまだ時間が掛かるのだろう。でも、少しずつでいいからアップしていければ、など思っている。


                  "slow fishing photodesign"
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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-17 15:55 | slow fishing | Comments(18)
<Vol.544> on the snow
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凍てついた2月の北の大地に、今日も思わずコートの襟をギュッと引き寄せたくなるような冷たい強風が吹き荒れていた。
まるで季節の針がほんの少し逆戻りしたかのようにである。

あと1ヶ月もすれば、まるでどこからか借りてきた着ぐるみのような着膨れ状態で、尚且つ寒風にさらされて頬を赤くしつつ、おまけにやっとここまで辿り着いたとニヤニヤしながらフィールドに佇んでいる自分の姿がなかなか容易に想像出来ないこの寒さ。

でも、きっと行くんだろうなぁ・・・・・。

そんな僕もそろそろ重たい腰を上げて苦手なフライ・タイイングにいそしむ事にしましょうか。
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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-14 22:22 | slow fishing | Comments(6)
<Vol.543> 穏やかなる流れ
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いつ巻いたのかさえ定かではないオレンジ色のスペイハックルとウィングにオリーブ色のカシミアゴートをあしらったちょっと派手めのフライを僕はType6のティップから延びる1Xのティペットの先にフリーノットで結ぶ。
リズムの一定しない冬の風音に混じって、微かに本流の流れの音色が僕の耳にも届いた。

僕はお気に入りのスペイロッドを片手に降り積もった雪山と木立の合い間から垣間見える本流に向けて、ところどころ淡いグレーの顔をのぞかせたアスファルトの上を歩み出す。
そんな中、遠くから正午を知らせるサイレンが小さく小さく響いてきた。

アスファルトの道路から少し高くなった雪道へと足を進めると、僕が辺りを見渡す限り、午後の本流に釣り人の姿は皆無だった。
その代わりと言っちゃ変だけれど、本流へと繋がる雪道に上には無数の釣り人の足跡だけが残されている。
そんな無数の足跡の上に、また一つ、また一つと僕も足跡を残していった。

木立の間の雪の斜面を慎重に下ると、パッと視界が広がって僕の目の前に冬の減水期を迎えた本流が姿をあらわした。
穏やかな流れと久しぶりに耳にする本流の奏でる音色。
それはまるで何か清々しいもので全身が包み込まれるかのようであり、実に心地良いというか穏やかな気分にさせてくれるものであった。

下流へと広がる冬の本流の姿をしっかりと目に焼き付けながら、僕は考えるのである。
さて、これからの贅沢な時間をどうやって楽しもうかってね。

2月の風は、その冷たさを少しずつ増しながら、静かに本流の上を流れていった。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-11 21:51 | spey fishing | Comments(8)
<Vol.542> 冬の潮風
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冷たいカサカサに乾ききった冬の潮風が僕の頬を何度も何度も撫でていった。
不思議と潮の香りは感じられない。
本当に不思議なことなのだけれど。

時計の短針があと二つだけ先に進めば正午のサイレンが海岸に鳴り響く時間に僕らは島牧の海岸に辿り着いた。
降り積もった雪が踏み固められたた海岸へと下りるためのコンクリート製の階段を転ばないようにロッドを片手に下りると、そこからはこの地を訪れた釣り人達の印した無数の足跡が砂地や雪の上をいたるところの方向へと放射状に伸びている。
その先に広がる冬の島牧の海。
それは思った以上に穏やかな表情を呈していたように僕には思えた。

相変わらずツーハンドロッドでのオーバーヘッドキャストは苦手というか、思ったようにことが運ばない。
「飛ばそう、飛ばそう」という強引で欲張りな意識と、バックキャストの際にティペットの先に結んだオレンジ色のスカッドを傾斜した地面に叩きつけて壊したくないという潜在意識とが、僕のキャスティングのリズムを少しずつ狂わせていたように思う。
アメマスはきっと冷たい海の波打ち際にも力強く泳いでいるのだろう。だから無理をした遠投そのものも、鱒に出会うという目的にとっては、もしかしたらあまり意味のないことなのかもしれない。でも単純な思考回路の持ち主である僕にとっては、この問題、つまり何かをセーブしたりコントロールするという事はかなり乗り越えるのが困難な関門であったりする訳だ。
そんな訳で、この日の僕はいつものように島牧の海岸で冬の潮風に吹かれながら何度途方に暮れた溜息を吐いた事だろうか。


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この日の早朝は、島牧の海岸よりもさらに南下した小さな漁港でロッドを振っていた。
船着場の斜路の上には幾つも小さな漁船が引き上げられて、その上には物寂しげにたくさんの白い雪が降り積もっている。
冬の空は美しい鮮明なブルーというよりも、どこか果敢なくて淡い無気力なブルーの色を呈していたように思う。
冬らしい空の色だった。

漁港の中にはアメマスが幾らかは泳いでいたのだろう。時折り僕のペリーポークでは到底届かない場所で何度も無邪気なボイルを繰り返すのだから、きっとそうに違いない。
でも、かなりナーバスになっている鱒達だったように思う。
これから沖合いにサクラマスを釣りに行くという漁師さんが僕に言う。
「これじゃちょっと釣りには厳しいだろうさ」
「やっぱし、もう少し外海が荒れにゃ」って。

それでもしばらくすると、ランニングラインをリトリーブし始めて数回目でゴンと予期せぬ衝撃。
3Xのティペットの先には8番フックに巻いたイワタ・スペシャルの豪華版、まぁ何のことはない安っぽいアイを取り付けて、ウィングにオリ-ブのカシミアゴートをトッピングしただけのチープなフライなんだけれど、それをテイクしてくれたのは力強い40クラスのアメマスだった。
ブラウンがかった背中の色はまだこの鱒が海に下ってそれほど時間が経っておらず、点在する大きな白い斑点はこの鱒の急激な成長とこの海の豊かさを物語っているように僕には思えた。

漁港の中へと戻る鱒を見送り、また僕は冷たくなった指でリールからスペイラインを引き出す。
そんな僕の頬を冷たい冬の潮風がそっと撫でていった。
不思議とこの時の僕は吹きぬける潮風にほんの少しだけれどちょっとした粘度のある潮の香りを感じたんだ。
本当に不思議なことなのだけれども。


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by d-yun5-fly-elise | 2008-02-05 18:06 | spey fishing | Comments(12)