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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによる釣行記。

by d-yun5-fly-elise
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<Vol.473> ものぐさ釣り師のスペイ・・・湖編
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                   original photo by Mr.ABU


湖でのスペイフィッシング。

僕の中で北海道の湖やダム湖でのスペイフィッシングのスタイルを大きく3つに分けている。
(1)支笏湖の国道沿いの南岸やトンネル下、それに屈斜路湖の林道側などのバックスペースがほとんど確保できないようなポイントでセミフライやカメムシフライなどの大きなドライフライを浮かべるフローティングのスペイラインを使った釣り。
(2)いわゆる朱鞠内湖の取水崎のようなバックスペースがほとんど確保できないようなポイントでのシンクティップのスペイラインやシンキングのスペイラインを使ったリトリーブの釣り。でも、残念ながら僕はまだシンキングのスペイラインを使ったリトリーブの釣りは未体験であって、いつかは是非ともトライしてみたいと思っている。
(3)屈斜路湖で有名なフローティングのスペイラインを使ったルースニングの釣りである。

たしか僕が湖でのツーハンドロッドによるスペイキャストを始めたのは、今からちょうど1年前、支笏湖でのセミフライのシーズンが始まった頃だったと思う。つまり僕がスペイキャストを始めてやっと2年目に入った頃という事になるのだろうか。
昨年の支笏湖も今年と同様にエゾ春ゼミの鳴き始める頃になると水位が少しずつ高くなり、お気に入りのステージというかお立ち台(つまり離れ岩)は、すっかり湖面の下の沈み石に様変わりしていた。そんな沈み石や別のステージに立っても、おのずと張り出した湖畔の木々の新緑はバックスペースをさらに狭くし、それまで湖でのメインロッドとして使って9ft6番のロッドではキャストそのものまで僕はかなりの苦労を強いられる事になっていたと思う。でも今になって考えてみると、これが僕が湖でスペイキャストを始める大きなきっかけというか要因になっていたんじゃないだろうか・・・。

湖での釣りにおいて、スペイキャストもオーバーヘッドキャストも出来る事なら1本のロッドで両方ともやりたいと思っている欲張りな僕の手元にWinstonのBoronⅡx 14' 8/9が届く。スペイキャストを始めて2年目の春のことだ。欲を言えば個人的にグリップエンドがコルクで出来ているという点さえ除けば、一日中持っていても疲れない軽量さと幾分ファスト気味のアクション、それに良く曲がるバットと、スペイもオーバーヘッドもこなすロッドとしては申し分なく、今ではすっかり僕の湖でのメインロッドとなっている。これはあくまでも僕自身の感想なのだけれど、こういったファストよりのアクションでバットの良く曲がるロッドが湖でのスペイフィッシングに向いているんじゃないかと思っている。
そんなわけで最初の湖でのスペイフィッシングは、このロッドとRio社のウィンドカッター8/9/
10という組み合わせで、スィッチキャスト、スネークロール、ペリーポークなどいろんなキャストを取り入れながら、大きなセミフライを湖面に漂わせたものだった。

そんな僕の湖でのスペイフィッシングにおいて、最初の大きな転機が訪れたのは昨年の秋に友人達と訪れた初めての屈斜路湖での体験であった。
まだ紅葉が本格的に始まる前のオサッペ川のインレット。僕らが札幌から辿り着いた早朝の屈斜路湖は、まるで嵐の前の静けさのように怖いぐらいの静寂さに包まれ、濃いグレーの厚い雲が屈斜路湖の空をおおっていた。最初はバックスペースも十分取れるのでオーバーヘッドキャストを試みていたのだけれど、数時間もすると早い雲の流れと共に状況は一変し、まるで台風並の強烈な横風が大粒の雨を伴って湖面の上を吹き荒れ始めた。こういう状況において、強風を背中から受けながらオーバーヘッドキャストを試みるのだけれど、バックキャストすることにも苦労するぐらいの強風なものだから、かなりの危険をともなう状況だった。そんな時に現れた地元のスペイキャスター、彼は背後からの強風もものともせず、見覚えのあるカラーのウィンドカッターをペリーポークで強風に乗せて遠投を繰り返し、フライをしっかりと沈めてリトリーブ、そしてグッドサイズの屈斜路湖レインボーを何尾もキャッチしていた。もしかしたらこれが僕の初めて見た湖でのスペイキャストだったのかもしれない。そんな彼にそっとラインのシステムを尋ねてみる。返ってきた答えは僕にとって意外なものだった。「ウィンドカッターのミッドセクションをインターに換えて、ティップはType8」、今まで僕が使った事がないラインシステムだったのが印象的だった。彼のアドバイスを頼りに僕もスペイラインを巻き込んだ替えのリールに取り替えて、同じシステムでペリーポークでキャストを繰り返す。ロッドが風にあおられて多少キャストそのものはやりにくいのだけれど、うまくラインが風に乗ると無風時のオーバーヘッドよりもスペイラインが遠くに飛んでいったように思う。結果はやがて出た。幸運なことに、あんな台風並みの強風の中からも何尾かのグッドサイズの屈斜路湖レインボーに出会うことが出来たのだから。

湖でのスペイキャスト。それもリトリーブでの釣りで鱒と出会えるという事になると、ついついものぐさな釣り師は、もう少しヘッドが短ければリトリーブが可能になる距離が長くなるんじゃないかと考え始めた。そこで今僕が使っている湖でのリトリーブの釣りでのメインのスペイラインはスカンジナビアンシューティングヘッド(ランニングラインはレベルライン)。今はすでに廃盤のラインだから、おそらく市販のラインではスカジットヘッドが代用になると思うのだけれど、もっぱらType3やType6のティップを繋いでスイッチキャストやペリーポークでキャストを繰り返している。おかげで増水時の支笏湖や朱鞠内湖の取水崎、それに屈斜路湖の林道側でもバックスペースを気にせずスペイキャストが出来るようになり、僕としてはかなり重宝している。

こんな僕の湖でのラインシステムだけれど、幾つかの問題もあるように感じている。
(1)ベリー部分がパスタのように太く、ライン着水時の水面へのインパクトが気になる事。
(2)細いランニングラインと太いスペイラインの繋ぎ目にかなりの段差があり、どうしてもトップガイドに繋ぎ目が近づくとリトリーブを止めて次のキャストに移ってしまい、丁寧に最後までリトリーブできない事。もしかしたら鱒がフライのあとを追っているという可能性もあるから・・・。

上記の点をいくらかでも改善するために、よりラインが細い市販のシンキングタイプのシューティングヘッド(ex.SA社STLなど)のラインを切り張りというか改造して使うという方法もあるのだけれど、僕の場合はどうしてもものぐさなものだから、今のところこれには手を出せないでいる次第(笑)。

そんなわけで、まだまだスペイビギナーの僕がこれから北海道の湖やダム湖でのスペイフィッシングを始めようとする僕を目の前にしてタックルを薦めるとしたら、
12~14ftの長さのロッドで(6)7~9番のライン指定のロッド。ファストよりのアクションで、バットがグッと曲がるロッドがよりベター。
ラインは各社のショートベリーのスペイラインでいいとは思うのだけれど、リトリーブでの釣りをする事も考えるとやはり各社のスカジットヘッドでティップの交換できるタイプのものとなる。

あと、本流編でも述べて繰り返しになるがジョイント部分のテーピングはお忘れなく。
それと僕は湖では必ずライントラブル解消のためライン・バスケットを使用することにしている。

                                    ・・・・・次回はロッド、ライン編
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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-29 20:47 | 私的北海道のスペイ考 | Comments(4)
<Vol.472> 限りなくオリーブに近いグリーンとレッドバンド
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かなり長い時間、その鱒と僕とはスリリングなやりとりをしていた。
トルクフルな重たい本流の流れを味方につけたその鱒は、僕の15feet 7/8のロッドをバットからグイグイとしならせ、マーキスから何度も何度もバッキングライン近くまで蛍光イエローのスペイラインを引き出した。
本流に響き渡る心地良いスクリーミング・サウンドとは対照的に、僕にはなぜかまったくゆとりというものがなかったと思う。
それにしても本流育ちのパワフルな鱒だった。
僕は左手にロッドを持ち、腰に回したベルトに通したケースから右手でインスタネットの柄をつかんで取り出し、ヨレヨレのネットを広げ、これ以上伸ばせないというところまで右手を伸ばす。
極限までテンションの張ったティペットの先の鱒まであと少しというところで、余力の残したその鱒は流れの中でクルっと反転、その瞬間に僕は見た。
本流の水の色に同化したような限りなくオリーブに近いグリーンのボディに、これまで見た事もないような鮮やかなオレンジ色とも言えなくはない鮮血のようなレッドバンドとそこから伸びる同色の大きな頬の紅。偏光グラスを掛けた僕には、それがまるでアルファベットのTの字を横にして大きく引き伸ばしたような形に見えた。50cmオーバーのグッドサイズのレインボー。
そして、僕がその鮮やかな水中の残像にドキっとするのと同時に手に持ったロッドとラインからすべてのテンションというものを失ってしまった。


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馬鈴薯畑の淡いピンクの花を眺めながら友人と辿り着いた火曜日の午後の本流。
本流からやや離れた駐車スペースで久しぶりにお会いしたryoさんと挨拶を交わしていた時は、初夏らしい蒸し暑さが僕の周りには溢れていたけれど、本流の流れに一歩でも足を踏み入れると、そこはまるで別天地のような心地良さに包まれていた。
名も知れぬ野鳥達のバード・サウンドに耳を傾けながらスペイロッドを振る。相変わらず僕の流すフライには何の鱒からのコンタクトもないけれど、それはそれで心地良い至福のひと時でもあった。きっと同行したスペイ・ビギナーの友人も同じ感想だったに違いない。

この日もまた、僕が立ち込んだすぐ横の流れの中に悠然と泳ぐ大きなレインボーの姿を見かけた。まったく動じないその姿。「あそこまで大きくなるには、何度もの苦難を乗り越えてきたはず。一筋縄では・・・」、そう語った友人の言葉が僕の中で何度も繰り返し流れた。


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最後の第3セクション。速い流れの瀬の中からアベレージサイズよりも幾分小振りなレインボーが、何とか僕のフライを見つけ出してくる。それにしてもいくら小振りとはいえ、速い流れを味方につけたレインボーのファイトは、リールからスペイラインを引き出すぐらいに小気味良いパワーの塊のようだった。傾きかけた西日を浴びて鈍く光るそのボディは、どこか本流に泳ぐワイルドな宝石の原石でも見るかのように、この上なく美しかったように思う。

そして、そのあとに見たグリーンとレッドのまるで野性味溢れる宝石のような残像は、今でも僕の脳裏に強く焼きついていて離れない。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-27 22:13 | spey fishing | Comments(6)
<Vol.471> ものぐさ釣師のスペイ・・・本流編その2
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                 original photo by Mr.Lt_cahill
早春の道南の本流でLt_cahillさんに撮って頂いた一枚の写真。目の前の大きなアメマスのボイルに気持ちが焦ってしまったのか、しっかりとロッドティップが下がっている(笑)。
本当はもっと高い位置でロッドティップを保持したいのだが・・・。


とにかく最初のスペイキャスト1年目は、ScottのARC 15feet#10番のロッドとRio社のウィンドカッター9/10/11というショートベリーのスペイライン(ティップを交換できるタイプ)の組み合わせで深くて重い本流の流れに佇んだ。

このラインを選んだのは先にスペイを始めていた友人の薦めもあるのだけれど、個人的にはこのティップを交換出来るラインを選択して良かったと思っている。何せ僕らが訪れる本流ではイブニングに余程のヒゲナガのハッチがない限り、日中はヘビーなシンクティップのシステムでスペイキャストをすることが多いから。

不思議なもので、本流スペイ釣行を重ねる度に少しずつ釣行後の全身の筋肉痛が軽いものへと変化していった。まぁそれだけ僕のキャスト時の無駄な力が抜けていった証なんだと思うし、多分にショートベリーのスペイラインの恩恵にも随分助けられていたんだと思う。何せショートベリーのスペイラインは、ミドル~ロングベリーのスペイラインとは違いある程度の技術不足によるミスキャストも何とかカバーする事が出来るように思うから。

それにしてもどうして新しい何かに取り組むということは、これほどまでに楽しいものなのだろうか。余程の事がない限り、週末の釣りが僕には待ち遠しくてしょうがなかった。

お陰で本流の周りを彩る木々の葉がきれいな紅葉に染まり、海からサーモン達が産卵のために遡上し始める頃には、僕らが訪れる本流のおそらく40mはあるかと思われる川幅の2/3~3/4はカバー出来るようにまでなっていたと思う。


話は変わるけれど、初冬と早春に友人達と訪れた十勝川本流での話。
アメマス釣りで有名な茂岩橋の下ではオーバーヘッドキャストで何の問題もないのだけれど、さらに大きなアメマスに出会いたくて僕らは下流へと彷徨う。
友人の勧めで入ったポイントは、大きな十勝川本流の流れが右へとゆっくりとカーブするポイントで、いわゆるルアー釣り向きのポイントだった(いわゆる増水した湖やダム湖での釣りをイメージしていただければ分かりやすいのかもしれない)。そしていかにも大きなアメマスが溜まりそうな絶好の深みを左岸に形成している。冷え切った大地、ゆったりと流れる十勝の本流からは白い水蒸気が立ち上っていた。そんな本流に大きな水音と共に浮かび上がるアメマスのボイルの波紋。僕らはその光景に息を呑んだ。
数mの高さの土手を滑り落ちないように慎重に下り、ぬかるんだ川底に注意しながら何とかロッド1本分のスペースを確保する。背後には高い土手が迫り、横には葉の落ちた川ヤナギがずらーっと立ち並ぶポイントだからもちろんオーバーヘッドキャストでも不可能ではないがストレスの溜まる釣りとなることが予想された。とにかくすぐ横のヤナギの木の枝と背後の土手に注意しながら、小さなDループでキャストを繰り返す。Type8のティップの先には定番のチャートリュースカラーのフライ。結果はすぐに出た。フライがゆっくりと流れの中を沈み、頃合を見計らってウィンドカッターのラインを張り、ゆっくりとリトリーブ。本流アメマスの鈍くて押さえ込むようなバイトの後にアメマス特有のバイブレーションがスペイロッドに伝わり、アメマスの身体に散りばめられた白くて大きな牡丹雪が本流の流れの中に浮かび上がった。
とにかくここでの釣りではポイントもそうだがリトリーブが重要なキーだったと思う。でも、いくらショートベリーのスペイラインでもやはりリトリーブ出来る距離はおのずと限られてくる。そこで僕が偶然手にしたのがRio社のスカンジナビアンシューティングヘッド(ティップの交換できるタイプ)だった。ショートベリーのウィンドカッターよりも数m短いこのヘッドは、さらにラインがパスタのように太いのだけれど、この数mの差がリトリーブをする釣りにはアドバンテージになったんだと思う。今ではこのラインはRio社のラインアップから消えてしまったけれど、スカジットラインなら十分代用できると思っている。そして次のシーズン、十勝川の本流ではこのスカンジナビアンシューティングヘッドが僕のメインラインとなり、バックスペースがほとんど確保できない十勝川のポイントで身を切るような寒さの中、十分過ぎるほど良い釣りをする事が出来た。

この短いベリーのスカンジナビアンシューティングヘッド、もちろん今では各社のスカジットヘッドが代用になると思うのだけれど、これには湖でのスペイ、特にリトリーブの釣り(もちろん、フローティングのシステムではルースニングやセミフライなどの大きなドライフライの釣りにでも)での可能性を秘めていると僕自身は感じていて、それについては次回の湖編で語ってみようと思っている。


<ライトタックルによるスペイフィッシングの話>

話は前回の本流編その1の続きになるのだけれど、#10番ロッドでスペイを始めて1ヶ月後に出会った本流のグッドサイズのレインボー、やはり僕には#10番ロッドではいささかオーバーパワーのように思えてならなかった。もちろん初めてスペイで出会った本流のレインボーなだけにその嬉しさは言葉に言い表せないぐらいだったんだけれど、でも今になって冷静に思い返すと、そのファイトというかやり取りは忠類川のカラフトマスほどではなかったように思う。ちなみに僕が忠類川で使っていたロッドは#8番である。
お気に入りの本流で出会うレインボーのアベレージサイズが40cm前後だとすると、もちろんこれは釣り人サイドの身勝手な都合なのだけれど、やはりもう少しライトなタックルの方が鱒とのスリリングなやり取りを楽しめるんじゃないかと思い始め、僕のタックルは今は#8番前後に落ち着いている。でも、出来る事ならもう少しライトなタックルで本流に佇みたいと思っているのだが・・・。

そんな訳で、まだスペイキャストを始めて3年目に入ったばかりの僕だけれど、もし仮に僕の目の前にこれからスペイを始めようとする僕自身が現れるとしたら、僕が訪れた事のあるフィールドに基づいて、きっと次のようなスペックのタックルを勧めると思う。

<尻別川や十勝川のような規模の中・下流域>
13~15feetの長さで#7~9番のロッド。ラインは各社のショートベリーかスカジットヘッドでティップの交換できるタイプ。

<渚滑川のような規模の中流域>
12~14feetの長さで#(5)6~8番のロッド。ラインは同じく各社のショートベリーかスカジットヘッドのティップの交換できるタイプ。

ちなみに僕自身の経験からすると、ロッドのジョイント部分のテーピングはお忘れなく。実際に僕は何度か忘れて苦い経験がある。
それに、スカンジナビアンシューティングヘッドやスカジットヘッドを用いた釣りの場合、長いランニングラインの処理に手間取るため、ラインバスケットが有った方が便利かもしれない。

                                     ・・・次回は湖編
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                 original photo by Mr.ABU
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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-25 22:42 | 私的北海道のスペイ考 | Comments(10)
<Vol.470> 中州で乾杯
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早朝の本流の空を被っていた低く垂れ込める淡いグレーの雲は、下流からの風と共にその姿を徐々に消し去り、やがて初夏の青空が僕らの頭上に広がり始めた。
夏至から数日しか経っていない高い位置にある太陽は、ジリジリと僕らを容赦なく照りつける。
少しずつ伸び始めた田んぼの稲の青っぽい緑に、ああいい季節になったもんだなぁとしみじみと想いに耽けながら、そんな10cm程の背丈に育った稲の横で泳ぐオタマジャクシの姿に愛らしさを感じたりもする。


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                   original photo by Mr.ABU


普段めったにバッグを担ぐことがないせいだろうか、やっぱり肩にバッグを担いでキャストすると慣れないせいかどこか何とも言えない違和感のようなものを感じてしまう。でもこのヨレヨレの僕のHardy社のバッグ、今日これにはとても大事なものが入っている。
缶ビールに生ハム、スモークされた牛タン、それに替えのリール。
リール以外のものは第1セクションと第2セクションの間にある、やっと水位が下がって顔を出し始めた中州でバックから取り出し、友人達がこの中州に辿り着くまでの間、本流の冷たい流れでしっかりと冷やすのだ。


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ギンギンとはいえないまでもそれなりに冷えたビールのホップの効いた苦味を楽しみながら、中州のBarでは会話が弾む。これも楽しみの一つ。
そんなBarでの話の一つに大きなレインボーの話が出た。

スイングを終えたフライが僕の真下まで来ようとした時、ちょうど下流にいたSHUさんが僕に声を掛ける。
「今、Yunさんのフライをいいサイズのレインボーが追っていたよ」。まさしくドキッとするような話だった。もちろん僕が手に持つラインには何のアタリもなく、期待を込めてその後も何度もキャストを繰り返したけれど、中州に辿り着くまでの間、結局何もドラマは始まりを告げなかった。でも、そんな僕のすぐ横3mを悠然と泳ぐ数匹のレインボーの姿、サイズは50cmどころかゆうに70cm近くはあったんじゃないだろうか。最初、それは海からの遡上魚かと思ったのだけれど、偏光グラス越しに見えるその姿はまさしくレインボー、真っ赤な頬とそのボディの横に走る鮮血のようなレッドバンドがくっきりと浮かび上がっていた。


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やがて今日の中州のBarはマッタリとした時間と共にcloseの時間を迎える。

不意に僕の携帯電話が鳴る。
電話の主はさらに下流に行ったABUさんからのものだった。
「Yunさん、逃げられちゃったよう。大きなレインボー、ゆうに60cmはあったけれどジャンプされてルアーを外されちゃったー。今シーズンで一番の大きなレインボーだったのにー」。
確かにその声は普段の冷静なABUさんとは違いどこか震えていた。悔しさよりも嬉しさと興奮に満ち溢れたものだったように思う。
そんな電話を切ると、今度は僕の下流にいたSHUさんがロッドを立てたまま本流の流れの中をジリジリと数歩後ろへと下がる。彼のPEERLESSの心地良い逆回転音と共に、やがてラインの横でグッドサイズのレインボーが本流の上を華麗にジャンプするのが離れた僕にもしっかりと見えた。均整の取れたプロポーションの良いグッドサイズの本流レインボーに、僕もついつい見惚れてしまう。

活性が少しずつ上がってきたお気に入りの本流。そんな本流でも、僕には一向に鱒のバイトはなく、最後の最後にやっと来たグゥンというバイトも、やっぱりその主はお腹がポッコリと出た大きなウーさんなのだった。

夕暮れの本流、そろそろここも賑やかなカエル達の鳴き声に包まれるのだろう。
それにしてもやっぱり良い季節になったものだと心のどこかでしんみりと思う。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-24 23:04 | spey fishing | Comments(6)
<Vol.469> ものぐさ釣師のスペイ・・・本流編その1
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                  original photo by Mr.ABU
残念ながらこれはミスキャスト。しっかり背後の土手からABUさんに写真に撮られてしまった(笑)。でも僕の場合はいつもこんな感じ。7割近くがこんなキャストだろうか。溜め息のあと、気を取り直してもう一度キャストをやり直す事もあるけれど、ほとんどがそのまま何度もメンディングを繰り返してフライ先行でラインを送り込んでいく。いつか大きな鱒が僕のフライをテイクしてくる事を信じながら・・・。


北海道の本流での釣り、おそらくシューティングヘッドを使用したツーハンドロッドのパワーウェットのスタイルが広大な重たい流れの本流に棲む大きな鱒に出会う確率を一番高めてくれるものだと思う。確か同じような事をスペイキャストのトーナメントで有名なせーいち氏も彼の
Blogの中で以前に述べていたと思うのだが・・・。
でも、ここではバックスペースをほとんど取れないポイントでのスペイフィッシングに話を限定する。何せ僕がスペイキャストを覚える事を痛感したのが、序論でも述べたように、そういった尻別川のバックスペースがほとんど取れないポイントだったから。


僕の中で本流でのスペイフィッシングを大きく二つに分けている。
まず一つめは、いわゆるミドルからロングベリーのスペイラインやDTのスペイラインを使用した英国式のトラディショナルなスタイル。やはり僕の中でスペイというとこのゆったりとした優雅なキャスティングのイメージが最初に浮かんでくる。まるでフルオーケストラを目の前にした指揮者が彼の持つタクトでオーケストラを自在に操るがごとくに、スペイロッドで長いラインを自在に操り、サーモンの泳ぐ流れを隅から隅までカバーする。でもこれはかなりの熟練したキャスティング技術とある程度のバックスペースを必要とするスタイル。いつかは僕もと思うのだけれど、それはきっとまだまだ先のことになるのだろう。

もう一つは、ショートベリーのスペイラインやスカジットラインを使用した北米式のモダンなスタイル。シンクレートの高いシンクティップを用い、たっぷり重量のあるフライを流れの底のスティールヘッドの目の前まで届けようというこのスタイルは、バックスペースのあまり取れない北海道の本流のポイントでも十分取り入れることの出来るスタイルだとも思っているし、そして今では僕のメインスタイルになっている。

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僕が最初に尻別川で友人のスペイキャストに出会って、すっかりスペイ熱に火が付いた時、僕の手元には2本のツーハンドロッドがあった。もちろんどちらも海アメや海のサ-モン、それに湖や本流のオーバーヘッド用に購入したものである。そして、最初にスペイラインを通したのが、その内のScottのARC1510の方だった。スペイ向きのアクションかどうかは別として、とにかく友人の薦めのWC9/10/11を行きつけのショップで購入し、いきなり何の練習もなしにフィールドへである。もちろんその前に、友人から借りたCNDの野寺氏のDVDを何度も何度も食い入るように繰り返し観て、シングルスペイのイメージを頭の中に焼き付けた。リフトからスウィープ、そしてアンカーからロンチ、フリックといった一連の流れとそのスピードをである。今でも時々キャストのスランプに陥ると、思い出したように観てはもう一度キャストのイメージを膨らませるというか修正をするようにしている。

そして最初のスペイキャストによる釣行であるが、これは今思い出しても目も当てられないぐらいひどいキャストだった。無謀な事に、いきなりType6のシンクティップに、そして腰上までウェーディング。沈んだシンクティップは抜き上げられないし、ラインを引き剥がす度に水面を何度もバシャバシャと荒らし、同行した友人達には本当に申し訳ないぐらいに迷惑を掛けたと思う。おかげで、釣行の後の2,3日は腕、肩、背中の上半身がこれまで経験した事がないぐらいの筋肉痛になったものだった。それでも同じ様な筋肉痛を伴う釣行を何度か繰り返し、時には仕事帰りに豊平川の河川敷で練習をしたりもした。

そして、スペイを始めて1ヶ月後、僕は初めてスペイで出会いたかった本流のレインボーに出会うことになる。

深くて重い流れの本流のいつものスタートポイントからしばらく釣り下がった頃だと思う。シングルスペイでキャストしたフライとシンクティップが流れになじんだ頃を見計らってメンディングを何度も繰り返す。そして数回目のメンディングでランニングラインを持った右手にこれまで感じたことのない鈍い違和感を感じる。そして次のメンディング、これですべてが変わった。
結局すこぶる幸運な事だと思うのだけれど、続けざまに50cmと48cmのレインボーをキャッチすることが出来た。
とにかく言葉にすることが出来ないぐらいに嬉しかった。何せ僕の始めたばかりのスペイキャストを陰ながら応援してくれていた友人達に一刻でも早く伝えたかったぐらいだから。
でもそんな嬉しさの反面で、僕の中でまた違った感想が芽生えていたのも事実である。
それは、「今のロッドのスペックでは、僕が普段出会うであろう本流のレインボーのサイズには少しオーバーパワーなんじゃないんだろうか」という疑問である。
仮に僕にとってのトロフィーサイズのレインボーに本流で出会えて、バッキングラインまで暴力的にリールからラインを引き出されたとしても、それはそれでバッキングラインからファイトを始めれば良いことだし、もしもトロフィーサイズのレインボーをキャッチ出来ずに途中でフライが外れる事になったとしても、それは僕にとってまた違った意味で深く記憶に刻み込まれる思い出になるんじゃないかと思われたから。
本流スペイ釣行を重ねる度に、そういう想いが徐々に僕の中で膨らみ始めたのか、スペイを始めて2年目になると、僕の本流で使用するスペイロッドのスペックはどんどんと軽い番手の方向、つまりライトタックルの方向へとシフトしていく事になる。

                                             ・・・続く
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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-21 21:54 | 私的北海道のスペイ考 | Comments(10)
<Vol.468> 6月の風
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6月の風は、気まぐれそのもの。
ちょっと良い風が吹いたかなぁと思っても、やがて静かになり、そして穏やかな沈黙が訪れる。
それは僕と支笏湖の鱒との一向に近づかない距離がさらに離れるという事を意味しているんだと思うのだけれど、その代わりに僕の耳にはいろんな音がより鮮明に届き始める。

岸際の小さなアメマスの立てる可愛らしいライズの音。
ウグイスの囀りに、セミの鳴き声。
おまけに支笏湖の上空を飛ぶジェット戦闘機の轟音まで。

そんな音に耳を傾けながら、きっとあの辺りに漂っているだろうと思われる遠くのセミフライを、まるで幻か何かでも見るかのようにボーっと眺める。
いつか何の前触れもなしに、その幻影が控えめな水飛沫とともに消える事を願いながら・・・。

6月の気まぐれな風と穏やかな表情の支笏湖。
それはやはり僕が知っているいつもの支笏湖だったように思う。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-19 22:59 | cicada fly | Comments(6)
<Vol.467> Morning light
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まだ朝の太陽が山間から顔を出して間もない早朝の本流、高く生い茂った樹木が被い重なって出来た木のトンネルの向こうには朝の陽光が柔らかく差し込んでいた。
昨日の雨のせいだろうか、湿気を伴いどことなく重い空気が立ち込めているのだけれども、なぜか清々しく、生き物の気配で満ちていた。

友人と訪れた土曜日の早朝の本流、ほんの僅かな駐車スペースにはすでに3台の車。
ちょっと出遅れてしまったかなぁと友人と顔を見合わせて苦笑いする。
でも、まぁのんびりいきましょうかとスペイロッドを片手にゆっくりと歩き出した。


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久しぶりに降った前日の雨の影響は、ほとんど収まりかけようとしていた。それでも相変わらず、僕らが佇む本流の流れは重く深緑の濃い色を呈している。
14feetのロッドにスカンジナビアンシューティングヘッド、その先のティップにはType8。
友人が僕のためにとっておきのポイントを譲ってくれた。とにかくそのポイントは背後がすぐに岩盤で切り立っていて、ほんの僅かしかバックスペースが取れない。ウィンドカッターでも何とかなるのだけれども、前回ラインをあの出来事で失してしまっているため、残念ながらこのシステム。背後の岩盤を気にしながらペリーポーク、それもすこぶる小さなDループでシュートする。
何度も何度も期待を込めてフライとラインを流れの向こうに送り込んだけれど、ロッドとラインを握った僕の右手に鈍い衝撃が走る事はなかった。

それにしても小さな虫が顔の周りに纏わりつく。ブユではなく体調1mm程度の虫。ヌカカというのだろうか。それにしても痒いたりゃありゃしない。釣りをする前にとっておきの米軍仕様の虫除けまでも顔や手に塗っていたのだけれど、どうやら何の効果もなかったようだ。
痒さというものは、やはり釣りへの集中力を低下させてしまうものなのだろうか。


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少し開けた下流のエリアに移動する。
初夏らしい青空が頭上に広がり、心地良い風が流れていた。初夏の風は本流の畔の木々の葉をカサカサと鳴らし、この時期特有の青い香りを運んでくれる。
僕はお昼のランチの時に飲んだハイネケンとshinyaさんからの差し入れのタンカレーの10年もので、すっかり気分はフワフワ上機嫌。
でも、残念なことにヤブこぎの最中にベストからフライの入った虫かご君は落とすし、おまけにお気に入りのセージグリーンのロッドは、抜けるはずのないスピゴットがブランクから抜けてしまい、大事なブランクまで破損してしまった。
ツキのない日はこういうものかもしれないし、こうなるとさらの痒さが増してくる。
天気は相変わらず上々なのに・・・。

そして、イブニング。僕はさらに痒さが増す事になる。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-17 22:09 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.466> ものぐさ釣り師のスペイ・・・序論
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                  original photo by Mr.ABU

「ものぐさ釣り師のスペイ」。
自分でも、なるほど面白いタイトルだとつい笑ってしまう。
まぁ、それぐらい僕は根っからの面倒臭がり屋だと思うし、よく自分の事を言い当てている表現だと思う。でもその反面、一つの事にのめり込んでしまうと、どこまでもそれに熱中してしまうという危ない傾向も実は秘めていたりする。
いつかはその熱も冷めてしまう事があるのかもしれないけれど、今のところは上手くいかないことが多いし、それ以上に毎回ああだの、こうだのと何かしら得るものがあって楽しかったりする。
それが今の僕にとってのスペイなのかもしれない。

僕が初めてフィールドでスペイキャストを目にしたのは、ちょうど2年前。確か友人達と訪れた尻別川での事だ。もちろん、フライ関係の雑誌などでスペイキャストに関する記事をちょっとは読んでいたし、その記事の内容はいつかは僕もやってみたいと思わせる内容でもあった。
夜な夜なベットの中でそんな雑誌に載っているスペイキャストのイラストとその解説を見たり読んだりしながら、頭の中でスペイキャストをイメージしていた頃の事が今では懐かしいとさえ思えてしまう。
そんな僕もフィールドで雑誌のイラストと解説を頼りにスペイキャストを試した事はある。ちょうどフライ関係の雑誌でスペイという文字が出始めた頃だったんじゃないだろうか。でも、その頃の僕のスペイキャストはあまりにもお粗末なものであったし、もちろん訪れたフィールドでまったく鱒に相手にされない時の事、「あれ?左岸の時はどうするんだったっけ。右岸の時は・・・?」という今では考えられない代物だった。案の定、やがて僕の頭からスペイという文字は少しずつ霞んでいき、フィールドでは特に必要性のないものとして処理されていった。そして、僕が訪れるフィールドではオーバーヘッドキャストで何ら釣りそのものに支障はなかったし、もちろんそういうフィールドにしか僕の足が向かなかったという事もそうなのだけれども、それでも十分楽しい釣りが出来ていた。

それが2年前に友人達と訪れた尻別川を境として僕を取り巻く状況がガラリと変わる。

とにかく素晴らしい流れだった。それでいていかにも大きな鱒が悠然と泳いでいそうな、釣り師であればおそらく誰しもその流れを目の前にしてワクワクするような流れでもあった。でも、そんな素晴らしい流れを目の前にしても、僕にはまったく歯が立たなかった。なぜなら本流を囲う生い茂る木立が邪魔して、僕のオーバーヘッドキャストの技量ではほとんどカバーする事が出来なかったからに他ならない。せいぜいカバー出来たとしても15feetのツーハンドロッドのロールキャストで本流の流れの1/4程度だっただろうか。深くてトルクフルな流れの底の大きな鱒までは、月ほどの距離があるようにさえ感じられた。そんな中、スペイキャストを始めてまだ間もないという友人は、背後に迫る木立も気にせずに本流の流れのゆうに3/4をそのキャストでカバーしていた。僕はこういう状況においての大きな鱒へと近付くためのテクニックとして、スペイキャストそのものにも魅力を感じたが、それ以上に、まるでオーケストラを前にした指揮者が持つタクトのように、長いツーハンドロッドをゆったりと振り、自在にラインを操るその姿にすっかり魅了されてしまった。僕もああいう風に背後も気にせず優雅にかつ自在にラインを操ってみたい。そういう得体の知れない衝動のようなものがフツフツと僕の中で湧き上がり、それが僕のスペイ熱に火をつけてしまった。

あの衝撃的な体験から2年が経とうとしている。おかげですっかり僕はスペイ熱にヤラれてしまい、この2年間で僕がフィールドでシングルハンドを手にしたのは数えるほどしかない。それぐらいいつもフィールドで手にするのはツーハンドロッドだった。もちろんスペイもやればオーバーヘッドだってやる。でも、やっぱりどちらかというとスペイキャストの方が割合が多いかな。
スペイキャストを始めて何が一番変わったのだろうか?もちろんスペイキャストの持つ奥深いディープな世界もそうだし、なかなか思ったようにキャストが上手くいかない歯痒さというか愉しさもあるのだけれども、それ以上に、
(1)フィールドを選ばなくなった事(バックスペースをあまり気にしなくなった)
(2)出会える鱒のサイズが幾分大きくなった事(もちろん訪れるフィールドにもよるのだけれども・・・)
の2点が大きく変わったように思う。

そしてこの2年の間に僕がスペイキャストを試みるフィールドは尻別川や十勝川、それに渚滑川や静内川といった本流だけでなく、支笏湖や屈斜路湖、それに朱鞠内湖などそれは湖までにも広がっていった。

右も左も分からない初心者から始めたスペイキャスト。そんな2年間の試行錯誤のスペイキャストの経験を踏まえて、もし仮に僕の目の前にこれから北海道という地でスペイキャストを始めてみようという自分がいたとしたら、僅かな経験しかなくまだまだ初心者の僕だけれど、きっとこれを薦めるだろうという視点で考察してみようと思う。

あくまでも、私個人の私的な観点での考察であり、スペイキャストの一般的なものでもなく、さらに普遍的なものでないことだけは予め断っておきたいと思う。
まぁ、ものぐさ釣り師の独断と偏見に満ち溢れた考察だと一笑して頂ければ幸いである。

今後の予定として、本流編、湖編、ライン編、総括などを予定している。
ちなみに、キャストについては、是非ともご勘弁願いたいと思っている(笑)。
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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-15 20:25 | 私的北海道のスペイ考 | Comments(12)
<Vol.465> 火曜日の本流
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日曜日の本流での出来事が、ずっと頭の中でスローモーションのように何度も何度も繰り返し流れていた。
そんな火曜の釣り師は、エゾ春ゼミの鳴き声が湖畔に響き渡る支笏湖、そこに広がる大きなライズリングのイメージをかなぐり捨てて、友人達と本流へと車を走らせた。
同じ出会いが2度も続けて起こるはずはない。そんな事は、重々承知だったのだけれど、とにかく、もう一度あの重たい流れの中に黒いフライを深く沈めたいという衝動の方が僕の中で強かったのだ。

ヒゲナガは相変わらず、悠々と流れる本流の上をあちらこちらへとせわしなく飛び交い、時々ユラユラとどこから現れたのか頼りなく飛ぶモンカゲロウの姿も見えたりもした。セージ・グリーンのゴアウェーダー越しに本流の水の冷たさをジワーッと感じる。それでも、そこから季節か少しずつ夏へとシフトしていっているのがゆっくりと感じられ、本流はすでに夏の匂いで包まれていた。
もうすぐセミの鳴き声からカエルの賑やかな鳴き声に変わる。

黒いフライは深く沈み、トルクフルな流れの中でスイングを終えると、相変わらず何事もなかったかのように僕が腰近くまで立ち込んだ本流の下流へと戻ってくる。それにしても、腰上近くまで立ち込んでいるとペリーポークのキャストが楽だ。90度近い近い角度変換で、重いシンクティップにウェイトをたっぷり巻いたフライでもそれほどトラブルもなくキャストが出来る。膝上ぐらいまでならシングルスペイの方がやりやすいのだけれども。

結局のところ、数回バイトはあったものの大きな鱒が僕のフライをテイクしてくれる事はなかった。僕の右手には、まだ日曜日に出会ったあの大きな鱒の何とも言い難い感触が残っている。この記憶というか感触が、僕の右手から消え失せないうちに、もう一度出会えるといいのだけれども。
最後の第3セクション、傾きかけた太陽は大きな鱒が潜む本流に、大きな黒い陰といささかの心残りを冷めやらぬ余韻のようにそっと残そうとしていた。

今日のTackle:
Rod : Winston Derek Brown Favorite Spey 15' #8/9
Reel : LOOP Classic 1013
Line : Rio Windcutter 9/10/11 with Type8 tip
Tippet : 1X 4feet
Fly : Original Separate hook Wooly Bugger(gold Bead-head), black
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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-13 21:33 | spey fishing | Comments(2)
<Vol.464> 聞き慣れない異質な音
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日曜日の本流。
僕は腰上まで本流のトルクフルな流れの中に立ち込み、流れの中の大きな鱒に繋がったスペイラインが、お腹にバットを押し付けて右手でフロントグリップを強く握った15feetのスペイロッドを極限にまで曲げて美しいカーブを描かせるのを黙って見ているしかなかった。
リールシートに取り付けられたMarquis Salmon No.2が、今まで聞いたことがないくらいにけたたましい悲鳴を上げる。あっという間にウィンドカッターのグリーンのランニングラインがリールから引き出され、白いバッキングラインとの繋ぎ目にさしかかった。
その時僕は胸元のリールから聞き慣れない異質な音を耳にする。


ヒゲナガが飛び交う、幾分平水に近くなった本流。気温は上がり、着込んだヨレヨレのオイルジャケットを脱ぎ捨てたくなるぐらいに暑かった。忙しかった泊まりの仕事を終えて本流に辿り着いたのは午前11時頃だったと思う。農家の横の駐車スペースには早朝の釣り人たちはもうすでに場所を移動したのか、仙台からの友人の車がポツンと一台だけ止まっていた。
寝不足の頭とスパイクの付いていないネオプレーンのウェーダーで滑りやすい川底によろめきながら、Type8のティップを繋いだスペイラインをキャストしながら少しずつステップダウンを続ける。

それにしても、仙台の友人のキャストは僕が見たことがない位に柔らかくって無用な力の抜けたキャストだった。屈斜路湖で彼のキャストを見た時よりも、その柔らかい落ち着いたキャストの雰囲気に、どこか穏やかさのようなものを感じさせられる。彼が使っていたロッドはB&Wのノルウェー・スペイキャスター。このロッドに対して僕は、内包する力強いパワーと遠投力というイメージが付きまとっていたけれど、とにかく彼のキャストはそんな僕のこのロッドに対するイメージを払拭するものだった。それに反して僕のキャストは強引そのもの。攻撃的といえば攻撃的なのかもしれないけれど、それにしても無用な力が入り過ぎている。そんな彼のキャストに僕は自分には無いものを見たような気がした。

そんな僕のキャストでも、最後の第3セクションでは本流の流れの中で育ったそれほど大きくはないレインボーが数尾、スイングしているセパレートフックタイプのビーズヘッド・ウーリー、ブラックをテイクしてくれる。サイズは小さくてもトルクフルな本流の流れを味方につけたレインボーは、暑さを忘れさせてくれるぐらい小気味良いファイトをロッドを通じて僕に感じさせてくれた。

「もしかしたら、良いかも」。
前日にこのエリアを訪れたABUさんのアドバイスが僕の頭の中で何度も繰り返し流れる。もしかしたらという期待を込めて第3セクションの最後のプールに立つ。
Type8のティップを繋いだスペイラインを対岸に向けてキャストし、フライを重い流れにじっくりと沈めた。そして何度もメンディングを加え、ラインとフライを送り込む。かなりの距離を送り込んだんだと思う。深く沈んだ黒いフライがゆっくりとスイングを始めた時、ロッドとラインを握った右手にこれまでに感じた事がない鈍重で引き込まれそうな鱒のテイクを感じた。僕にとっては本流で出会うトロフィーサイズの鱒だったと思う。鱒はゆっくりとした振幅で首を振ったあと、一気に下流へと疾走した。腰上まで立ちこんだ僕にはどうする事も出来ない。マーキスはこれまで聞いたことがないぐらいのハイトーンの悲鳴を上げ、みるみるランニングラインがリールから引き出されていった。僕はバッキングラインのファイトを覚悟する。
その時リールの方から僕の聞き慣れない音が振動と共に伝わってきた。
「ガサ、ガサ、ガサ、ガッ、ガッ、ゴッ、ゴォン・・・、シュル、シュル、シュル・・・」。
いったい何が起きたのかさっぱり分からなかった。聞き慣れない異質な音がするほうに目をやると、マーキスから白いバッキングラインがダラ~ンと力なく伸び、その先にしっかりと結んであったスペイラインが姿を消していた。そして、ロッドのガイドには通っているべき物が何も通っていない。予想だにしなかった事だからだろうか。瞬時に起こった出来事のすべてを理解することは困難だった。出来事のすべてを理解するには少しの時間を要した。

結局、大きな鱒は僕のスペイラインを引きずったままさらに下流へと疾走していったのだ。

本流の流れの上をゆっくりと吹く風を感じながら、僕はあの大きな鱒の口元にかかった僕のフライがいつか外れてくれる事を、心の中で願うしかなかった。

今日のTackle:
Rod : Winston Derek Brown Favorite Spey 15' #7/8
Reel : Hardy Marquis Salmon No.2
Line : Rio Windcutter 8/9/10 with Type8 tip
Tippet : 1X 4feet
Fly : Original separate hook Wooly Bugger(gold Bead-head),black

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by d-yun5-fly-elise | 2007-06-11 19:54 | spey fishing | Comments(10)