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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによる釣行記。

by d-yun5-fly-elise
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<   2006年 09月 ( 16 )   > この月の画像一覧
<Vol.338>シェリー酒とアメマスの瞳
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今にも雨が降り出しそうな分厚い雲に覆われた早朝の本流。キリと引き締まった空気が心地良かった。
でも、すでに僕の足どりは千鳥足。気分は極上のフワフワなのである。
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それにしても"ラヒターナ"という名前のついたABUさんからの気の利いた差し入れのスペイン仕込みのシェリー酒は、メチャメチャ美味かった。控えめな甘さのあるこの手のお酒はなぜか僕好み。調子に乗って数杯飲んだだけで僕の寝不足の身体と頭にしっかり酔いは回り、気分は鱒釣りどころではなく、愉快という七色の色に染まっていた。

偏光グラス越しに見る本流の流れの中では、2匹のサーモンが前に行ったり後ろに行ったり、時にはその魚体を絡み合わせるようにダンスを踊っている。僕にはそれが恋人同士の愛を表現するタンゴのように映った。愉快、愉快。気分はますます鱒釣りどころではなくなった。
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そんな集中力のない腑の抜けたような僕に、鱒からのコンタクトはあるはずもなく、なぜか上機嫌なまま時間が流れていった。やっぱり、シェリー酒、効くなぁ・・・。

何気なくふと下流を見ると、水面が大きく割れている。その少し上流ではSHUさんのロッドがバットからグニャと曲がっていた。無事にネットに収まったのはグッドサイズの本流アメマス。そのピ~ンと大きく張った尾びれが本流の流れの強さを物語っているようで印象的だった。
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不思議とあどけない表情のアメマス。その無垢な瞳には分厚い雲が行き去って顔を出した青一色の秋空が映っていた。きっと彼、いやいや彼女なのかもしれないけれど、このアメマスはきっとこんな間近に青空を見たことってないんだろうなぁ。そんなことをまだシェリー酒の酔いが残って上機嫌な頭で思っていると、SHUさんがそっとそのアメマスを本流の流れに戻した。

愉快、愉快。
相変わらず僕には鱒からのコンタクトはないけれど、時にはこういう日があっても良いと思えた秋の本流での一日。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-30 23:58 | spey fishing | Comments(4)
<Vol.337>interaction
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                  interaction = 相互作用

1年に一度だけ、秋になると友人の主催する現代美術のアート・スクールで講義を頼まれる。もちろん僕はアート関係の仕事をしている人間ではないし評論家でもない。

テーマは、「精神分析と創造」。

はっきり言ってお堅いテーマであるし、そんなテーマを勝手に決めた友人をほんのちょっとだけ恨めしく思ったりもする。
でも、一応それなりには講義はする。例えば、脳を含めた神経システムの話や心的システムの話、それにそのシステムがいかに脆弱で様々な影響を受けやすいという話や、言語的、非言語的コミュニケーションといった簡単なコミュニケーション理論の話など。身近な事なので出来るだけ分かりやすく紹介している。

一番心掛けている事は、学生さん達(といっても殆んどがいろんな職業の社会人の方なんだけれど)に自分自身のことを語ってもらう事。やはり一方通行のコミュニケーションじゃつまらない。
「自分が何がやりたいのか」、「どうしてそれがやりたいのか」等など、少しずつ掘り下げながら語ってもらう。こういう事って、決して簡単に答えが見えてくるわけではないんだろうけれど、ある意味非常に大切な作業のように僕は思っている。そんな学生さん達とのやり取りを通じて、僕自身も刺激を受けたり影響を受けたりしているんだと思うし、とても有意義な時間を過ごさせてもらっている。

周りと相互作用し絶えず変化し続ける自分。変化しない自分なんてありえないし、ある意味自分がこれからどういう風に変化していくのか興味もあるしワクワクもする。まるで回転する駒の辿る軌跡が予想出来ないのと同じように、また、大海原でエンジンが故障した小船がどこをどう漂流するかが予想もつかないようにである。

そんな訳で、先週のアートスクールでの講義はいつになく面白かった。現代美術のアーティストの卵の彼等が、これからいったいどんな作品を様々なものと相互作用しながら産出していくのか、興味深く見守りたい。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-29 22:17 | 雑記 | Comments(2)
<Vol.336>火曜日のサーモンとアダージョのメロディー
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潮の香りのする秋の風が波音と共に吹いていた。いつもよりも優しく、まるでそっと何かを包み込むように。

不思議なもので、どういう訳かこの季節になると積丹の海に足が向いてしまう。もちろん、海のサーモンにも出会いたいというのも正直な気持ちなのだけれど、ススキの穂が風にたなびき、いつかは美味しい熟成されたワインに変身する、たわわに実った濃い紫色のブドウの房を横目に見ながらフルーツ街道をゆっくりと走るのも好きだし、まるで別の惑星の宇宙ステーションにでも来ているかのような錯覚に陥る、いくつもの雪よけのシェルターが連なる峠道を車で走るのも僕は好きなのかもしれない。
そんな景色が様々に移り変わる風景の中を火曜日の午後、積丹の海に向けて僕は車を走らせた。
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秋の太陽は、まだ斜め45度の角度で照り付けている。いくら朝晩の冷え込みがきつくなったとはいえ、まだ日中は汗ばむほどではないけれどそれなりに暑い。でも、もしかしたら今ぐらいの気候が一番穏やかで過ごし易いのかもしれない。
それにしても火曜日の午後だというのに、積丹の海に注ぐ川の河口の駐車スペースには沢山の車。でも、こればかりは仕方がないのかもしれない。
ネオプレーンのウェーダーを履き、15feetのロッドにType1のヘッドを巻き込んだシャンパン・ゴールドのリールをセットし、-02Xのリーダーの先にはほんの少しだけウェイトの入った真赤なゾンカーを結ぶ。
そして沢山の足跡の付いた乾いた砂浜の上を歩いた。
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太陽の光がざわめく海面に反射してキラキラと瞬く積丹の海。一本の水平線が海と空とをくっきりと2つの世界に分けていた。サーモンは相変わらずまったく届きそうにもない遥か沖合いで跳ねている。午後の穏やかな秋らしい時間だけがゆっくりと流れていき、そのイメージは僕の頭の中で日曜の積丹の海となぜか重なって見えたのだった。
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「グゥン」。ランニングラインをリトリーブする指に感じる強くて鈍重な衝撃。
積丹のオレンジ色の夕日が少しずつ遠くの水平線に近づき始めたのを合図に、サーモン達の岸寄りが少しずつ始まったのだ。波打ち際に見えるいくつものサーモンの背鰭。そんな中をラインの先のサーモンの立てる水飛沫が派手に飛び散る。急いで余ったランニングラインをリールに巻き込み、ロッドを握った両手でサーモンの躍動感を全身で感じた。サーモンはシャンパン・ゴールドのリールのミュートされた逆回転音を何度も何度も唸らせたあと、気が付くと岸際にそのシルバー・メタリックな身体を横たわらせていた。
そっと口もとに刺さったバーブレスのフックを外す。すると、そのオスのサーモンは一瞬躊躇うようなそぶりを見せた後、その銀鱗の身体を揺るがせて一気に川を遡上していった。

フーッ。不思議なことに僕の頭の中では朝、出勤前に車の中で聴いたFMラジオから流れていたアルビノー二のアダージョのメロディーが波音に混じって静かに流れていたのだった。
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今日のBGM:TOMASO ALBINONI/Adagio in G minor
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-27 01:01 | salmon fishing | Comments(15)
<Vol.335>Eggの季節と中州のsurprise
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日曜のいつもの本流は結構な混み具合。グッと冷え込んで紅葉がチラホラと始まった早朝の峠道を越えて、本流の農道脇の駐車スペースに辿り着いたのは、どうやら僕らが一番最後のようだった。
ゆっくりと念入りにタックルの準備を済ませてSHUさんからジンの入ったスキットルを手渡される。
ひと口あおるとジンの何とも言えないネズの香りと舌を刺激するほのかな苦味がジワーっと口の中一杯に広がった。やっぱりこれがないと僕達の一日が始まらない。
キリっとした空気の中、どこかさびしい暖色系の色が混じり始めた本流の蕎麦畑のあぜ道をスペイロッドをかついでトボトボと歩く。いつの間にか一面に生えていたムラサキツユクサの姿は消えていた。
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穏やかな流れの晴れ渡る秋空の下の本流。そんな本流は先週訪れた時よりもさらに海から遡上してきたサーモン達に占有されているのだろうか。バシャ、バシャと遠くの僕の耳にも聞こえるように、脇の浅瀬ではサーモン達の最後の生命の営みの行為が繰り広げられていた。そんなサーモン達の営みを邪魔しないように、ゆっくりと釣り下がる。
そろそろ本流でもエッグフライを流す季節が近づいているようだった。
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秋の減水時期に大きく姿を現す本流の中洲。いつもはここの乾いた大きな石に越し掛けて、季節ごとに変わる本流に吹く風を感じながらタバコを一服するのが好きなんだけれど、日曜日はいつもとちょっと違った。
ABUさんがベストの後ろのポケットから荷物を取り出し、その中から鮮やかなオレンジのラベルが貼られた小さなスパークリングワインのボトルを取り出す。どうやらいつもの仲間内で今回の出来事を祝ってくれるのだそうだ。まさしく、サプライズ。お気に入りの本流のとっておきの場所でこんなサプライズが待っているとは僕も予想外。
本流で響き渡る「ポン」というスパークリングワインのコルクが弾ける音も本流のせせらぎもなぜか優しく響いてむしょうに心地が良かった。こんなこんな心憎いぐらいの演出が出来る友人達に感謝の気持ちを伝えようにもその言葉がなかなか見つからない。
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その後は本流の中州でしばしの"Bar time"。ABUさんからの差し入れのクラッカーにチリソース仕立てのオイルサーディン、それにハムを細かく刻んだペースト状のものを載せて、本流の冷たさと同じぐらいにキリっと冷えたワインと一緒に美味しく戴いた。
大きな鱒は相変わらずお留守のようだけれど、こんな秋の日ののんびりとした本流もいいものだ。
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雲ひとつない快晴の秋の空と柔らかい風、それに本流が奏でる心地良い水音。それだけでも十分気持ちが良いのに、さらには友人達からの予想外のサプライズ。
こんな日曜日はきっともう二度とはやっては来ないだろうけれど、僕の記憶に深く残る秋の日の日曜日だった。
「ア・リ・ガ・ト・ウ」
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                     original photo by Mr.ABU
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-25 20:37 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.334>秋の気配とhamamasu river
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秋空の広がる祝日の午後、エリーゼの幌を小さなトランクルームに仕舞い込んで、お気に入りのスペイロッドと共に浜益川を目指す。休日のためか道路は混み合っていたけれど、太陽が柔らかく照り付けて穏やかな表情の日本海が僕の視界に飛び込んでくる辺りからは流れがスムーズになってきて、秋の匂いとほのかな潮の香りがする風を心地良く感じていたんだ。
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本流の小高い土手沿いの小さな道をスペイロッド片手にゆっくりと歩く。トンボが飛び交い草薮からはコオロギ達の鳴き声、そこには穏やかな空気が流れていた。時折り殆んど流れのないように見える本流ではサーモンの立てる大きな波紋が現れ、黒い尾鰭が見え隠れした。いるいる。
そんな光景が見えてしまうと、どうしても僕の歩くスピードがほんの少しだけ速くなってしまうんだ。自分でも笑っちゃうぐらいにさ。
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                  original photo by Mr.aihara
スペイラインのティップをType3からフローティングに換え、4号のフロロ・ティペットを2mほど繋いだ。その先にはちょっと小さめの真赤なフライ。泥の溜まったぬかるんだ本流に足を取られないように注意しながら少しずつ前に進む。流れは殆んどない。いや、あるんだろうけれど殆んど感じないのだ。本流の真ん中辺りでリールからラインを引き出し、僕はゆっくりと対岸めがけてキャストを始める。
グゥ~ン。グゥ、グゥン、グゥ~ン。やがて、ゆっくりとリトリーブする指に確かな感触。そのあとサーモンの立てる水飛沫と共にリールから何度も何度も奏でられる悲鳴を聞いた。
でもね、なぜか楽しくなかったんだ。気持ちの良い穏やかな秋空の下の午後のはずなのに。
自分の中で、それがどうしてなのかはちょっとは心当たりがあったんだ。でも、そのことについて僕はあまり深く考えたくなかったんだよ。

そんな秋の日の午後だった。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-23 22:45 | spey fishing | Comments(4)
<Vol.333>針葉樹の森とソルトウォーター・フィッシング
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秋の陽光を命一杯浴びた道北の針葉樹の森。そんな針葉樹の森に囲まれた静かな道を車はゆっくりと進む。
やがて薄暗い森を抜けると視界が一気に開け、淡いグラス・グリーンの絨毯を敷き詰めたような、太陽の光を燦々と浴びた、なだらかな丘陵地帯が幾重にも僕の目の前に広がっていた。

なんて、気持ちがいいんだ。

車の窓を全開にして、秋の気配の漂う風を車の中に呼び込む。そして大きく息をした。
傍から見ればきっと奇妙な行為に見えるのかもしれない。でも、僕にはなぜか「あぁ、生きているんだ」という証のようなものに思える。

車はサンル川の穏やかな流れをかすめ、いくつもの橋を越え、慎重さを要する急カーブを曲がってオホーツクの海から下川町へ。目指した先は、やっぱりCafe "MORENA"。
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「釣れましたか」とマスターとのいつもの挨拶。
「えぇ、まぁボチボチ」と静かに答える私。
「カラフトマスですか」とマスター。
「いえいえ、鮭ですよ」とニヤッとする私。
「へぇー、もう釣れ始めているんですか。・・・・・・。ルアーですか」とマスターのちょっと驚いた表情。
「いえいえ、フライです」とさらにニヤッとする私。
「へえー、フライで釣れるんですか。きっとフライで釣ったら面白いんでしょうね」と想像をめぐらすマスターの表情。
「面白いですよ」としか答えられない私。
「ソルトウォーター・フィッシングですね」とマスターの訳の分からない問いかけ。
「えぇ、まぁ、そうなりますかね」とちょっと困惑した私の表情。
そのあともマスターは、ソルトウォーター、ソルトウォーターと呪文のように何度も呟きながら厨房へ消えていった。

そのあと出てきたとれたてのズッキーニ入りのチキンカレーは、もちろん申し分ないぐらい美味しかったんだけれど、どこかちょっと味付けがしょっぱかったのはどういう訳かやっぱりなと思えて妙に納得がいった。

やっぱりここも時間の流れ方がslowだし、居心地がよい。
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今日のBGM:BRILLIANT TREES/DAVID SYLVIAN
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-22 00:25 | slow fishing | Comments(16)
<Vol.332>OSJ と autumn camp
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オホーツクの夕日がとっぷりと暮れて辺りが少しずつ闇に包まれる。小さなランタンとキャンプ場のオレンジ色の街路灯の下で友人達とのautumn camp。これもまた、OSJのひとつの楽しみかもしれない。
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夜のキャンプ場に吹くオホーツクの風は思ったよりも冷たくって、厚手のフリースでも羽織らないとブルブルと身震いしてしまうぐらい肌寒い。そんなかでビールを片手に友人達との語らいは、オホーツクの秋の夜風の冷たさや時間が経つのもつい忘れさせてくれる。
今日の釣り、明日の釣り、昨日の釣り、これからの釣り、これまでの釣り、楽しい釣り、もちろん釣り以外の話もあるわけだけれど、やはり話し出すと止まらない。
ラム、テキーラ、ワインとアルコールが少しずつ身体の隅々にまで染み渡る頃には就寝の時間が近づいてきていた。相変わらずキャンプ場にはオホーツクの冷たい風が吹いていて、夜空にはたくさんの星達が散りばめられている。贅沢なひと時。
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                  original photo by Mr.kurisu

今年に入って2度目の参加になるOSJ、僕はどうやら2年分のツキを使い果たしてしまったようだった。特に目新しい事をしたわけでもないし、ただ単にいつものように大海原めがけてキャストしてゆっくりとゆっくりとリトリーブしてくるだけ。ただ、それだけ。
でも、不思議なこともあるもので、いつもよりもほんの少しだけサーモンが僕のフライに挨拶してくれた。珍しい事もあるもんだとつくづく思うけれど、それはそれでやっぱり嬉しくって、きっと僕の口調はいつもよりも少し上ずっていたんだろうなぁと思う。なぜなら僕にとっては去年初めて訪れて強いインパクトを受けたこの場所でオホーツクのサーモンに出会う事がとても大切に思えてならないから。
きっと誰にでもそんな思い入れのあるフィールドや場所が一つや二つあるんじゃないかと思う。たとえ丸一日ロッドを振り続け、一向にお目当ての相手からの何の返事がなくっても、ただその場に佇めただけで気持ちが良いフィールドや、場所ってね。僕にとってそんなフィールドのひとつがOSJで友人達に会えるオホーツクの海なのかもしれない。
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                  original photo by Mr.nishii

きっと来年には来年の風が吹くんだろうと思うけれど、またオホーツクの海のグリーンバックのサーモンと友人達の笑顔に出会いに来ようと思う。
9月のとっておきの場所のひとつとして。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-20 22:28 | slow fishing | Comments(2)
<Vol.331>黄金色に染まる稲穂とお天気雨
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火曜日の午後、台風が少しずつ近づいてきている本流は南よりの強い風が吹き、何とも言えない生暖かさに包まれていた。
それにしても天気がめまぐるしく変わる。濃いグレーの雲が凄い勢いで流れていき、ほんの少し青空が見えて日が射したかと思うと、瞬く間に雨に変わる。本当にめまぐるしく。

本流に吹く風がヒュー、ヒューと口笛を鳴らし、幾分色付き始めた木々の葉をザワザワと揺らす。ふと思いたって流れの中に手を浸すと本流の水の冷たさが何ともいえないぐらい気持ちが良い。そんな台風が接近している本流の畔にひとり佇み、最近見つけたバーブレスフックに巻いたゴールドビーズのウーリーをティペットの先に結んで、ゆっくりとスペイロッドを振るのも悪くないと思えた。いつものように自分のリズムとペースを保ちながらゆっくりとお気に入りの本流を釣り下る。ことさらゆっくりとslowに。

相変わらず本流の鱒達は海から遡上してきたサーモン達に場所を譲ったのか、それともお留守なのだろうか。一向に何も起こらないまま、本流の上を凄い勢いで流れていく雲のように時間があっという間に流れていった。
でも、最後の最後に本流の鱒からほんの少しの挨拶。コツ、コツと小さく二度だけ僕のフライをノックしていった。本流の畔の黄金色に染まった稲穂の刈り入れが始まる頃までに、本流の鱒に出会えるといいのだけれども。そんなことを思っていると、また本流に吹く風がヒューヒューとまるで何かの息吹のように口笛をいっそう強く吹き鳴らしたのだった。
流れる厚い雲の下で。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-19 21:52 | spey fishing | Comments(2)
<Vol.330>Okhotsk trip と鉛のような僕の身体
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コツ、コツと部屋の窓を叩く柔らかくて小さな雨音で僕は深い眠りからゆっくりと目が覚める。半覚醒の意識が、少しずつ自分のものになるまでの不思議な感覚。でも、身体がまったく別物のようにいうことをきかなかった。まるで身体が鉛の塊のように重くて、耳を澄ませば関節からミシミシときしみ音が響いてきそうなぐらいだ。でも、そんな僕の身体の疲労とは裏腹になぜか気分は悪くはなかった。

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                    original photo by Mr.shu
友人達の待つオホーツクまでの道のりは片道約330km。決して短い距離ではない。キャンプ用品一式を積み込んだ車は東の空に昇ったばかりのオレンジ色に染まった三日月に導かれるように深夜のハイウェイを北へと進む。単調なハイウェイの道のりを軽くステアリングを握りながら、ほんの少しだけあの途方もなく広いオホーツクの海へと気持ちが向かう。意識の片隅ではMILES DAVISの'Round Midnightが響いていた。

グゥォン。あのフローティング・ラインのヘッドの先に結ばれたフォームを巻き込んだフローティング仕様の真赤なゾンカーを出会いたかったオホーツクのサーモンがテイクする感触を僕は言葉でうまく表現する事が出来ない。ランニングラインをリトリーブする指に伝わる衝撃とラインを握った手に感じる確かな重量感。サーモンは何度か首を振ったあと、いっきにジェットランのごとく沖へと疾走。僕の耳にはリールの逆回転する高音の残響音だけが取り残されて、サーモンは遥か彼方へと。バットからグンニャリと曲がった15feetのロッドと一直線に長く伸びるランニングラインがフライを咥えたサーモンとの間に描く角度があまりにも鋭角的過ぎて僕をほんの少しだけ不安にさせるけれど、これもある意味この釣りに魅せられた釣り人の忘我のひと時なのかもしれないとさえ思えるのだ。
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                   original photo by Mr.nisii
今年になって2度目のサーモンキャンプ。頭の中が真っ白になるそんな至福の瞬間というか忘我のひと時に僕は幸運にも何度か巡りあう事が出来た。それも去年こんな広大な海を目の前にポツンと佇みながらサーモンの強引なファイトに翻弄されるというあまりにも強烈な印象を僕に与えたオホーツクの海で。

それにしても疲れた。けっしてslowとはいえなし、きっと僕の目つきは笑っちゃうほどギラギラとしていて少しでもサーモンの気配を感じようと目を皿のようにして海を凝視しているような釣りなのかもしれないけれど、それはそれで楽しいものだと思うし、何といっても友人達と一緒だからね。

2日間の濃厚な釣りを終えて家に辿り着くと、僕はまるで機械仕掛けのおもちゃの電池が切れるように、部屋の明かりを消すのもすっかり忘れて、おまけに服を着たままベットに倒れ込み、あっという間に深い眠りの中に落ちていった。まるで何かに吸い込まれていくように。
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今日のBGM:MILES DAVIS/'ROUND ABOUT MIDNIGHT
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-18 16:16 | salmon fishing | Comments(14)
<Vol.329>autumn serenade
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秋空の下、ススキの穂の伸びた本流でコオロギ達の奏でるセレナードを聴きながらスペイロッドを振ったこと。

午後の本流へとつながる峠道はいつもと違ってスムーズに流れる。このところの朝晩の冷え込みで、峠道の両脇の木々はいつものようにグリーンのグラデーションというわけではなく、ところどころ先端が黄色や山吹色に色付き始めていた。いつの間にか秋の気配がグンと近づいてきている。もうすぐにでも手の届くところに。
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そろそろ刈り入れ間近な蕎麦畑のあぜ道を通り、本流の畔に佇む。相変わらず水位が下がっているようだったが本流は濃いグリーンに染まりながらゆったりと流れていた。時折り柔らかく吹く風は僕に十分秋の気配を感じさせてくれる。心地がよかった。

今日は気分を変えてロッドを久しぶりにARCの15’#10番にしてみた。理由なんてない。
ただ久しぶりに本流で振ってみたかっただけ。単純なのである。リールはLOOPのClassic。ちょっと肩が凝るぐらい重いのが難点だけれどデザインは割と気にっている。ティップは久しぶりにType6にしてみた。

先行していたatsuさんに声を掛けて後ろから入らせてもらう。相変わらず海からの遡上魚がドキッとするぐらいの水飛沫を立てて僕を驚かせた。
しばらくぶりに振るロッドにはなかなかタイミングが合わない。でも、僕がやっとキャストのタイミングを身体で思い出した頃、ターンの終わりかけでリトリーブを始めたフライにグ、グンと鱒のテイクがあった。秋の夕刻間近の日差しがやたらと眩しかったのが原因ではないけれど、それは僕の期待に反してそれ以上続くことはなかった。
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傾きかけた秋の夕日がキラキラと水面に反射して、これでもかって言うぐらい眩しい本流の最後の瀬。すべてが黄金色に輝いていて、なぜかすべてが静まりかえっていた。決して煌びやかではなくどちらかというと厳かという雰囲気の漂うこんな黄金色のステージで、大きなレインボーに出会えればこれほどの贅沢はないなと思っていたら、それが現実になった。夢ではなかった。
速い流れが緩やかになりはじめた辺り、キャストしたフライが流れに馴染んでターンし始めた頃、突如グッ、グーンとラインにグッドサイズのレインボーのテイク。鱒は秋の夕日が一番本流に照り付けているステージの真中で大きくジャンプした。夕日を浴びたその黒いシルエットが僕の脳裏に強く焼き付く。もう一度さらに遠くで大きく力強く跳躍。次の瞬間すべてのものからテンションというものを失った。
アッと言う溜め息にも似た呻き声が僕の口からきっとこぼれ出たと思うけれど、不思議と満足感に満ちていた。

autumn serenade。
優しい風とコオロギ達の奏でる秋のセレナードがことさら僕の心にジワーッと染み入る。
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by d-yun5-fly-elise | 2006-09-12 22:23 | spey fishing | Comments(10)