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2007年 10月 21日

<Vol.514> 秋の色・・・Autumn leaves

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たくさんの水辺を彩る秋の色を見た。

たくさんの強く吹き付ける風の音を聞いた。

たくさんの岸辺に打ち寄せる波の音を聞いた。

たくさんの水面に降り落ちる雨の音も聞いた。

そんな金曜日の夜から降り始めた秋の雨は、時折り強く降ったり弱く降ったりしたものの、
僕らが訪れた土曜日の朝の尻別川を瞬く間に濁らせていったのだった。


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尻別川では産卵という残された力を振り絞った最後の営みをしているサーモン達に申し分けない事をしたように思う。ティペットの先にエッグフライを結んで、彼らの営みの後ろにいるだろうと思われる鱒達の前にフライを送り込もうとするのだけれども、どうしてもサーモン達の傷付いた身体にフライが引っ掛かってしまうのだ。尻別川の岸辺を尾鰭が白くなり体力がほとんど残されていないサーモンが力なく跳ねる。僕はフォーセップで消耗しきったボロボロのサーモンの身体に引っ掛かったエッグフライを外した。でも、なぜかそんなサーモンを流れに戻す際、僕はサーモンを手で触れることが出来なかった。触れてもいないのにザラザラの、ほんの少しでも触れようものならその皮や肉がポロポロと崩れ落ちていくような手の感触が僕の頭の中に強くイメージされる。やはり触れることが出来なかった。そんな自分がほんの少し嫌になる。

ますます尻別川の濁りはひどくなり、水かさは増してたくさんの秋の色が流れていった。


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                  original photo by Mr.ABU


それからは山吹色に色付いた小さな峠を越えて支笏湖へと車を走らせた。
釣り人の姿がまばらな支笏湖では、昨夜からの強い風に吹き飛ばされたたくさんの落ち葉が湖岸に打ち寄せられ、沖合いには左から右へと流れる潮目に沿って同じくたくさんの秋色に色付いた落ち葉が漂っていた。
先日スカジット・シューティングヘッドとランニングラインとの繋ぎ目に少しだけ手を加えたスペイラインで、そんな潮目に向かって何度もスペイキャストを繰り返した。
ランニングラインをリトリーブする指で僕が感じた不意の違和感はType6のティップの先に結んだ黒いウーリーを一度だけ魚がバイトしてくれたことだけ。それもたった一度きり。それからというものは結局何も起こらなかった。

僕らが支笏湖で過ごす時間が流れていくのと同じくして、湖面に吹く風も少しずつ弱まっていった。でも、相変わらず沖合いの潮目には秋色に色付いた落ち葉が漂い、そしてずーっと沖へ沖へと伸びていった。

気まぐれな秋の天気、やはり秋の釣りは難しい。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-10-21 12:35 | spey fishing | Comments(12)
Commented by dadlife at 2007-10-21 15:15 x
Yunさん、こんにちわ。(^^)
北海道はすっかり秋めいてるんですね。日光でそろそろ紅葉が始まったと新聞に載ってました。
でも、平地の埼玉では、まだ秋色は見えて来ません(笑)。
何か物悲しい雰囲気が漂うエントリ・・、コレも秋の成せる業なのかも・・。
Commented at 2007-10-21 16:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by まーさん at 2007-10-21 17:27 x
yunさん、ご無沙汰です。

秋空の下で、いい釣りしたいですね。
支笏湖も秋一色になり私もラスト・スパートですよ!
yunさんほどでなくていいから、ドキドキする魚に逢いたいものです。


Commented by abu-z4 at 2007-10-21 18:07
Yunさん、こんばんは。
昨日はありがとうございました。
おかげさまで今年最後の土曜休日を、ノンビリ楽しく過ごすことができました。
鱒に出会えなかったのは残念ですが、久しぶりに過ごすフィールドは、天候に恵まれなかったのにも拘らず、とても気持ちの良いものでした。
これからのシーズンは、なかなかご一緒することができませんが、またの日を楽しみにしています。

Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-21 20:15
dadlifeさん、こんばんは。
北の大地は、最近ググっと朝晩の冷え込みが強まってきていて、紅葉も見どころを迎えたようです。ちょっと物悲しさも漂いますが、良い季節を迎えました。
今年の北海道沿岸の秋サケ漁は、低調なようです。その事が反映しているのか、本流でも例年よりも遡上するサーモンの姿がまばらなようです。
昨日は産卵行為を営んでいるサーモン達にはちょっと悪いことをしたように思います。決して邪魔するつもりはないのですが・・・。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-21 20:19
shinyaさん、こんばんは。
連絡、有難う御座います。未だ私が訪れた事が無い地、何とか参加したいと思っていますので、スケジュール調整をしてみます。
P.S.後日、akaさんにも連絡しておきますね。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-21 20:27
まーさん、こんばんは。こちらこそ、ご無沙汰しております。
秋の天気はめまぐるしく変わるというか、本当に雨がよく降りますね。
いちおう新作のフォーム・カメムシフライをフライBOXの中には忍ばせているのですが、なかなか支笏湖ではティペットの先に結ぶ機会がありません。来年まで持ち越す事になりそうな予感です(笑)。
秋の支笏湖では、月曜日のまーさん、復活でしょうか。私は12月くらいまで、通ってみようかと思っております。
P.S.グッドサイズのブラウン、おめでとうございます。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-21 20:34
ABUさん、こんばんは。
昨日はあまり天気に恵まれませんでしたが、お疲れ様でした。
本当は濁りさえなければゆっくりと秋の一日本流で過ごしたかったのですが、こればかりは仕方が無いですよね。その代わり支笏湖でゆっくり出来ましたね(笑)。
久しぶりに私も湖岸で深く煎ったフレンチローストのコーヒーの良い香りを楽しみました。
土曜日に御一緒出来ないのは残念ですが、またスケジュールが合えば宜しくお願いいたします。
P.S.ご馳走様でした(笑)。
Commented by akiranspey at 2007-10-22 22:34
YUNさん、こんばんは~。サーモンも最後の力を振り絞って河川を遡上しているのですね!
本流もすっかり秋景色、いい色です。
大物の季節、素晴らしい鱒に出会えることを祈っています(笑)!!
Commented by ave999 at 2007-10-23 18:41
こんばんは。
以前から素晴らしい世界を感嘆しながら楽しませて頂いておりました。
釣りは何でもしますが残念ながらフライには縁がなく、
言葉を失うような美しい写真と共に、
フライの世界を体感させて頂ければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-24 21:44
akiranさん、こんばんは。
私の知る限り、今年は本流でもあまりサーモンの姿は見かけません。
でも、流れの底では産卵を終え、最後を迎えたサーモンの姿も見かけます。
本流も良い季節を迎えました。でも、風が吹くと流れてくる落ち葉がちょっと厄介です(笑)。
風が穏やかな日にでも、また足を運んでみようと思っています。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-10-24 21:57
ave999さん、こんばんは。はじめまして。
お褒めのコメント、ありがとうございます。
写真も文章も苦手の分野に入るのですが、それでも楽しみながら続けております。それにフライフィッシングも好きなのですが、一向に上手くなる兆しがありません。まぁ、それでも全然構わなかったりするのですが・・・笑。
こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。
P.S.ave999さんのblog、こちらからもリンクさせて頂きました。


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