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2007年 09月 05日

<Vol.496> Fishing start は PM2:30

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前日の雨がそうさせるのだろうか。
本流の畔を吹き抜けていった穏やかな風には、近づき始めた秋の気配がどこか含まれていたような気がした。
黄金色の色合いを前回訪れた時よりもいっそう増した周囲一面に広がる稲の絨毯の上では、赤とんぼがゆっくりと舞っている。おまけに鮮やかな白くて小さな花をつけていた蕎麦畑には、いつの間にか褐色の蕎麦の実が目に付くようになっていた。

そんな火曜日の午後の本流。
この日の僕のFishing start はPM2:30。


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下流からは秋の訪れを僕に感じさせるには十分の心地良い風が吹いていた。
そんな減水の著しい尻別川のいつものポイントで、15FTのスペイロッドを振る。
数週間ぶりに訪れる本流だったけれど、僕にはちっとも変わっていないような気がした。
いくら減水しているとはいえ、相変わらずいつものように力強く流れている。
いや、もしかしたら何かしらの変化があるはずなのだけれど、僕自身が気付かなかっただけなのかもしれない。
ティップはType3、フライはいつものようにビーズヘッドの黒いウーリーを結んだ。


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本流では、決して大きくはないサイズのレインボーが2尾ほど僕のフライを流れの中から見つけ出してくれた。どちらのレインボーも2倍ぐらいの大きさに成長して、もしもあの流れの中でリールの悲鳴と共にキャッチ出来れば、僕にとってはその場で歓喜の雄叫びを発したくなるぐらいのサイズである。
でも、なぜか不思議と僕は嬉しかった。
というのもどちらの鱒も僕にとっては理想的なフライへのテイクをしてくれたからだ。
1尾目は、キャストしたフライとシンクティップが流れに馴染んだ頃を見計らって何度もラインのメンディングを繰り返し、フライがゆっくりとスイングし始めた時に、グゥンと来た。
もう1尾は、流したフライがスイングを終えようとした頃に不意にランニングラインを通じてググゥンと来た。
小気味良いファイト、鱒のサイズはともかく、こういう時の気分はメチャメチャ良いものだ。


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突如、バシャーンとプールで大きな水飛沫が上がる。
静寂を瞬時に突き破る豪快な跳躍。
とにかく派手な音で、一瞬僕は心臓が止まりそうなぐらいドキッとする。
それが幾度となく繰り返された。
海からのサーモンの遡上。
とうとう今年もいつもの本流が彼らに占有される時期がやってきたようだ。

9月の太陽が少しずつ傾き始めると、やはり本流に吹く風にはどこかひんやりとするものが含まれているように感じ始められた。
あたりに少しずつ夕闇が近づき始める。

そんな僕のこの日のFishing end はPM5:00。


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by d-yun5-fly-elise | 2007-09-05 21:45 | spey fishing | Comments(12)
Commented by 110-ken at 2007-09-05 22:27 x
Yunさん,こんばんわ

今回のエントリーを読みものすごーく川で釣りがしたくなりました。しかもいんちきスペイで(笑)
それにしても文章と写真,「素晴らしい」の一言です!
改めて「SlowFishing」のファンとして今後とも「素晴らしい」エントリーを期待しています(^。^)
Commented by tokyo_terry at 2007-09-05 23:50
Yunさん、こんばんわ!!
110-kenさんの仰る通り、素晴らしいエントリーですね。
ブログへのエントリーを考えながら(笑)火曜日の午後からの釣りの“はじまり”と“終わり”を紹介するなんて!!
次回ボクも釣りをするとき、思わず左手の時計を見てしまいそうです(笑)
Commented by ito at 2007-09-06 08:12 x
yunさん、おはようございます。
火曜、午後からBポイント行ってきました。
水位も減水し楽にお立ち台に登ることができましたが表層水温が・・・21℃!
時折、鱒たちの跳ねも確認でき、釣り人が思っている以上に水面下では鱒たちは元気なようです(笑)。
週末に来そうな台風の被害が気になる所ですが・・・。
Commented by Toshi at 2007-09-06 10:33 x
Yunさん、こんにちは。そして、おひさしぶりです。
6振動/秒の7S26ムーブメントがstartからendを刻む。クオーツが一秒単位でカクカクと時を刻むのとは違い、時間が滑らかに進んでいくのを感じますよね。
私も同じムーブメントのDIVER’Sを日頃愛用しておりますが、生憎随分と古いものですから防水機能がもうダメではと釣り場にはして行きません(笑)。見たところYunさんのモノもかなり年季が入っているようですね。
いつかは 王冠マークの腕時計が欲しいなと思う一方で、この何の価値もない防水腕時計をこれから先ずっと愛用し続けようと思っております。

ところで相変わらず、天文学的数値の釣行回数のようですね(笑)。私の方は久しぶりに出掛けた遠征(茶路川)で親子熊に遭い秋のシーズンインの出足を挫かれました。只今、吉村昭の『羆嵐』を読んでヒグマ対策を思案しております(マジで)。
Commented by tommy at 2007-09-06 12:36 x
yunさん、お久しぶりです。tommyです。
本流の記事、楽しみにしてました(笑)

最近の本流、休日でもあまり釣り人を見かけません。
おそらく釣れないからでしょうが、おかげでのびのびとキャスト
出来ます。

今までシンクティップのヘッドに懐疑的だった自分ですが、
ローウォーターでのフルシンキングヘッドは、フライが何個あっても
足りないので(笑)だいぶ前に買ったLOOPのラインを使っていますが、
これがなかなか調子良くて、目から鱗状態のこの頃です。

そう言えば、これからの本流はストリーマーも反応が良いですよ。
鮭の遡上が落ち着いた頃を、楽しみにしています。

でもyunさんは海も忙しいシーズンですもんね(笑)


では、良い釣りを・・・・。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-06 21:08
110-kenさん、こんばんは。
お褒めのコメント、ありがとうございます。
いんちきスペイだなんて、とんでもありませんよ。しっかりとスペイキャストのループが出来ているじゃないですか!それに尻別川ではしっかりとグッドサイズのレインボーをキャッチされていますしね(笑)。

週末は台風の進路によって、ちょっと状況が厳しくなりそうですね。
サーモンの季節が終わりに近づいた頃にでも、また尻別川スペイキャンプ第2弾開催しましょうか(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-06 21:15
terryさん、こんばんは。お褒めのコメント、ありがとうございます。
特にブログのエントリーの題名を気にしていた訳ではないのですが、フィールドに着いて時計を見たらちょうど針が2時30分を指していたものですから、これはと思いまして・・・笑。
不思議なもので、この日もちょうど私の目の前をローカル列車が通り過ぎていきました。
terryさん、今年もそろそろ秋のシーズンが始まりますよ(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-06 21:18
itoさん、こんばんは。
火曜日は支笏湖でしたか。Bポイントの光景が目に浮かぶようです。
そろそろ支笏湖も秋のシーズンがやってまいりましたね。
やはり最初はカメムシ・フライでしょうか?
積丹のサーモンが一段落したら、私も支笏湖に足を運ぼうと思っております。また、湖畔でお会い出来るのを楽しみにしていますよ。ゆっくりとコーヒーでも飲みましょうね。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-06 21:33
Toshiさん、こんばんは。こちらこそお久しぶりです。
私も滑らかに時を刻むムーブメントが好きです。時計の防水の方はまだ大丈夫なのですが、3日おきに時間を合わせ直さなければならないのが、ちょっと面倒といえば面倒でもあるのですが・・・笑。
確かこの時計は札幌に東急ハンズが出来て、最初のハンズメッセの時に購入したものだと思うのですが、時計はこれしかもっていないので、かなり傷だらけですが、これからも愛用しつづけるつもりです。

相変わらず、暇を見つけてはフィールドに赴いております。何となく最近はこういうリズムが身体に刻み込まれているようで、釣りに行けない日があると、ちょっとリズムが狂ってしまうような気がします。贅沢な話ですね(笑)。

熊と遭遇ですか!あの辺りは、かなり沢山の熊が出没するようですものね。お互いに気をつけましょう。そういう知床の番屋近くでも、私たちが行く前に熊が出没したそうですよ。釣り人さえいなければそういうことはなかったと思うのですが、最後には射殺されたそうです。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-06 21:44
tommyさん、こんばんは。こちらこそ、お久しぶりです。
尻別川も、少しずつ良くなってきていますね。仰るようにサーモンの遡上が一段落すれば、さらに期待が持てそうです。
蘭越付近には足を運びませんでしたが、火曜日のいつものエリアには、やはり釣り人は一人だけでした(姿は見かけませんでしたが)。

tommyさんは普段はフルシンキングヘッドを使われているのですね。実は私も来シーズンの増水時期にはフルシンキングのヘッドを使ってみようかと思っているんですよ。やはりType2ぐらいのベリーがベターでしょうかね?もちろんティップのシンクレートは変えるつもりですが。
でも、ちゃんとキャスト出来るでしょうか。ちょっと心配でもあります(笑)。
私はシンクティップラインばかりですが、やはりローウォーターのシーズンはやはり使い勝手が良いような気がしています。
Commented by tommy at 2007-09-07 12:37 x
yunさん、こんにちは。
フルシンキングのヘッドですが、本流ではTypeⅢを多用しています。
増水時はこれの8mヘッドにシンクティップを接続したり、
ポイントによってはそのまま使ったり、様々な状況に対応できますよ。

guide line等の専用ラインもいいんですが、価格が高いです。

そこでお勧めは、sawadaDSTラインのTypeⅢを買って、
11mと8m(これはあくまでも自分の場合です)にカットして使うのが
お徳ですよ(笑)
ライン番手は自分の#9・10ロッドで#12にしてます。
キャストもそれほど難しくはありませんよ。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2007-09-07 20:45
tommyさん、こんばんは。
やはりType3を多用されていましたか。実は私も・・・・・。
STLを改造しようと思っていましたが、DSTを好みの長さにカットするという方法も良いようですね。ちょっと検討してみます。
フルシンキングのヘッドの場合、ラインのリフトがちょっと心配なのですが、まぁ何とかなるのでしょうね。春までの課題としておきます(笑)。


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