盛夏の日差しが川面を彩る火曜日の尻別川。
そんな本流のいつものポイントよりもほんのちょっと先にまでゆっくりと車を走らせてみた。
これもなかなか面白いもので、別の角度やいつも立ち込む岸とは反対の対岸から本流の流れの様子を眺めていると、何やら新しい発見があったりして、こでまでとはまた違った新鮮な感覚を覚える事がある。
そんな火曜日の午後だった。
また一つ、バラバラだった本流の点と点が線で結ばれたような気がした。
上流の瀬に本流の鮎釣り師の姿が、そして下流へと視線を向けると、さらに下の瀬にも小さく鮎釣り師の姿が小さく見えた。
長竿の鮎釣師、これも夏の本流の風物詩なのだろう。
そんな本流鮎釣師達に挟まれて、僕もティペットの先に今年になって2度目となるゾンカータイプの鮎ストリーマーを結んだけれど、スペイロッドが大きく引き込まれることはなかった。
盛夏の日差しは、相変わらず川面をこの世のものとは思えないぐらい崇高にキラキラと煌かせている。
荒瀬の中で小さなレインボーが突如宙を舞う。
それも3度も4度も続けざまに。
それにしても一体、この小さな身体のどこにこれだけのパワーが秘められいるのだろうか。
もう少し大きくなったら再会できる事を願って流れの緩やかなところでそっとリリース。
でも、渇水と水温のせいだろうか写真に映ったレインボーの表情はどこか虚ろな表情をしているように見えたのは僕の気のせいだろうか。
やはり僕の額の汗も止まるということを知らない。
イブニング前の本流の空は不思議な形をした雲に覆われていた。
雲の隙間からこぼれる陽光は、なぜかしら不思議なほど神聖な気分を僕の中に呼び起こす。
さて、そろそろ帰る事にしよう。
僕の周りを飛び始めたヌカカが猛威を振るい始める前に。
とにかく今日は本流の中の点と点が1本の線に結ばれただけで十分なのだから。
今日のBGM : Einstuerzende Neubauten / Sabrina