水の引いた本流の湿った柔らかい土手の上に腰掛け、まるで初夏といってもおかしくないような6月の太陽の日差しを浴びながら、エゾ春ゼミの鳴き声をバックに、友人のキャストをゆっくりと見守る。
流しきったラインを、一度ロールキャストで沈んだティップを水面に引き上げ、ラインが前方に伸び切ると同時にすぐにリフト。そうそう、なかなか上手くいったんじゃない。
それでも、今年からスペイキャストを本格的に始めたシェフ・ハマダ氏はType8のティップにかなり苦戦のご様子。
そんな彼の悪戦苦闘の溜息混じりのキャストを、SHUさんと本流の土手の外野席からゆっくりと眺める。
こういう時間もある意味、Early summerの楽しいひと時。
original photo by Mr.SHU
日曜日は、最近オークションで手に入れたsage greenのブランクカラーのCNDのSalmo Salor 15'6" #9/10/11を使ってみた。柔らかい色合いとは裏腹に、見かけ以上にパワフルなロッドだった。手持ちのWC9/10/11を乗せてみたけれど、シングルスペイでも、ペリー・ポークでも僕が思った以上に力強いループを描いて前方に飛んでいく。
珍しいことに、このロッドにはグリップエンドからのスケールが刻まれていて、その始まりは35インチ、つまり約89cmという事になる。そんなサイズの大きな鱒やサーモンのお相手をするロッドとなると、僕のお気に入りの本流のレインボーでは、ちょっとどころかかなりパワーをもてあまし過ぎかなとも思うし、きっと僕はまだ足を踏み入れたことはない手塩の本流イトウや海のサーモンぐらいにはちょうどいいロッドなのかもしれない。
でも、肝心のキャスト自体はとても感触というかフィーリングが良かったし、悪くない買い物だったと思う。ちなみに僕がこのロッドのサード・オーナーとなる。
午前中のひと流しを終えて、やっぱり楽しみといったら、これに限る。
今回もABUさんが差し入れてくれたのは、珍しいスコットランド産の地ビール、「ARRAN」。
アンバーカラーの酵母の効いたビールは、不思議とまろやかなテイストで、渇いた喉をすっきりと潤してくれた。
ジリジリと初夏のような太陽の日差しが照り付け、田植えの終わった田んぼの上を吹き抜ける風を感じながら、季節の移り変わるのをゆっくりと感じる。
ちょっと早めの昼食を済ませたら、さぁ、あとは午後のひと流し。