僕にとって、支笏湖はほんとに釣れない湖。でも何故か、釣れない事は分かっていても通わせてしまう魅力がある。職場から近いし景色が綺麗、もしかしたら大きな鱒が釣れるかもしれない等といった理由も思いあたるが、でも、どれも理由として僕を満足させてくれない。たいてい、他の釣り場に行くと「今日は釣るぞ~」とか、「今日は釣れそうな予感が・・・」等といった湧き上がる釣欲が頂点に達するのだけれども、どうしても支笏湖の湖畔に立つと「今日もダメなんだろうなぁ」という消極的な諦めの気持ちになってしまう。さらに、帰り支度をしながら「やっぱり今日もいつもの支笏湖だったね」と溜め息。いつもこういう事の繰り返し。鱒を釣っている人は釣っているんだろうけれど、釣れない僕には、単なる絵に書いた餅のような話。
支笏湖で僕が鱒を掛けた回数を、支笏湖に足を運んだ回数で割ると、ますますそういう気持ちを増長させてしまう。僕はギャンブルはやらないけれど、もしこれがギャンブルなら本当に確率の悪いギャンブルだろうね。僕なら絶対にやらない。野球選手なら2軍落ちか解雇、そもそもスカウトすらされないだろうね。
分かっていても通ってしまう、支笏湖の不思議かな。
G.Wに支笏湖に行った時、もちろん僕は釣れなかったんだけれど、帰り際に出会ったフライマンに声を掛けてみた。
「こんにちわ。どうでしたか?釣れましたか?」
そのフライマン、
「全然ダメですね。まぁ、暇つぶしみたいなものですから」
そのフライマンに挨拶をして別れた後、暇つぶし・・・、暇つぶし・・・、僕は心の中で何度かつぶやいていた。
やっぱり、僕の支笏湖通いも、単なる暇つぶしみたいなものなんだろうか。
今日のBGM:MASSIVE ATTACK/MEZZANINE