人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2006年 12月 26日

<Vol.385>last lake

<Vol.385>last lake_d0029241_2024281.jpg

晴れ渡る火曜の午後の青空の下、今年最後の支笏湖の湖畔に佇む。

本当に静かだった。
風ひとつなく、湖面はまるで鏡のように静まりかえっていた。

「ドッボ~ン」。突如大きな鱒が静かな湖面を割り、大きく高く空に向かってジャンプ。
そして自らが描いた波紋の上に着水。さらに大きな二重の波紋を作り出した。
そんな土曜日と同じような光景が鏡のような湖面に上で何度も繰り広げられている。
まるで "last dance, last lake,last fishing..."。

いつ何時、不意な出来事が起こってもおかしくない状況に思えた。でも、何も起こらない。
フライ?ライン?リトリーブ?。何がいったいマッチしていないんだろう。
ライズのあった方向めがけてキャストしても、今度はついさっきまで僕が何度もキャスト&リトリーブしていた場所で大きなライズ。
僕はしっかりと支笏湖の大きな鱒に翻弄されていたに違いない。

ふと気が付くと、冬の太陽は山肌に沈み、湖は空の色を映し出した濃いブルーに染まろうとしている。
周りの空気がピリっと引き締まり始め、幾分その深さを増したようにさえ感じる湖面に柔らかい月がぼんやりと揺らめきながら映っていた。
あと1回。そう、あと1回だけキャストしたら終わりにしよう。
そう自分に言い聞かせて、僕は"last casting"。
<Vol.385>last lake_d0029241_20302282.jpg
今日のBGM:Goran Bregovic / Ederlezi
東欧の音楽にはなぜか不思議な魅力がある。きっと様々な文化が融合しているせいだろう。
オリエンタルなメロディー。
最近知った"Time of the Gypsies"という映画のsoundtrackに含まれているこの曲を聴くと、なぜか僕はノスタルジックな気分にさせられる。4曲目がお気に入り。

by d-yun5-fly-elise | 2006-12-26 20:33 | fly fishing | Comments(6)
Commented by 110-ken at 2006-12-26 21:57 x
いつもながら,Yunさんの文章を読んでいると,自分もその場にいる感覚になります。

”Last Lake”とのこと,今年の支笏湖の振り納めだったのでしょうか。自分はしばらくは釣りが出来そうにもありません。仕事が落ち着くまではYunさんのエントリーを読んで,バーチャル釣りを楽しみます。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2006-12-26 23:58
110-kenさん、こんばんは。
お褒めの言葉、ありがとうございます。
でも、まるで小春日和とでも呼びたくなるぐらい暖かかったのですが、さすがに日が落ちると息が白くなり始めました。
大きな鱒はいるのですが、なぜか一向に私の相手はしてくれないようです(笑)。
どうやら支笏湖は、今年は今日が最後になりそうです。また来年、暖かい日にでも立ち寄ってみようと思っております。
そろそろサラブレットの川にでもスペイの練習に行ってみたいところなのですが、なかなか時間が許してくれそうにもありません(笑)。
お仕事がお忙しいようですね。年が明けたら、島牧周辺にでも御一緒しましょう。
Commented by daisaku613 at 2006-12-27 03:30
こんばんわ。
いつもながらの写真のクオリティの高さと読ませるテキストに、酔いしれました。
さすがに納竿の季節なのでしょうか・・・。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2006-12-27 21:25
daisakuさん、こんばんは。
今日の札幌は季節外れの雨が降っております。
いえいえ納竿というよりも、一年の締めくくりという意味で・・・笑。
でも、さすがに釣りをするには、ちょっと厳しい季節になってまいりました。
Commented by daikyu at 2006-12-29 12:36 x
yunさんこんにちは。オッと思わず声を出してしまいました。樹の
シルエットと月が雰囲気出てます。湖の写真もしばらく自然のフィ
ールドからはなれているので恋しいです。

新春は新宿の夜お会い出来れば、スペイバーで来シーズンの釣り
の話が出来るとウレシイです・・・
Commented by d-yun5-fly-elise at 2006-12-29 22:31
daikyuさん、こんばんは。
冬の月っていいですよね。どことなくせつない感じがしてしまいます。
こちらこそ年が明けた1月にでも、新宿の夜でお会い出来るのを楽しみにしております(笑)。


<< <Vol.386>...      <Vol.384>... >>