オホーツクの夕日がとっぷりと暮れて辺りが少しずつ闇に包まれる。小さなランタンとキャンプ場のオレンジ色の街路灯の下で友人達とのautumn camp。これもまた、OSJのひとつの楽しみかもしれない。
夜のキャンプ場に吹くオホーツクの風は思ったよりも冷たくって、厚手のフリースでも羽織らないとブルブルと身震いしてしまうぐらい肌寒い。そんなかでビールを片手に友人達との語らいは、オホーツクの秋の夜風の冷たさや時間が経つのもつい忘れさせてくれる。
今日の釣り、明日の釣り、昨日の釣り、これからの釣り、これまでの釣り、楽しい釣り、もちろん釣り以外の話もあるわけだけれど、やはり話し出すと止まらない。
ラム、テキーラ、ワインとアルコールが少しずつ身体の隅々にまで染み渡る頃には就寝の時間が近づいてきていた。相変わらずキャンプ場にはオホーツクの冷たい風が吹いていて、夜空にはたくさんの星達が散りばめられている。贅沢なひと時。
original photo by
Mr.kurisu
今年に入って2度目の参加になるOSJ、僕はどうやら2年分のツキを使い果たしてしまったようだった。特に目新しい事をしたわけでもないし、ただ単にいつものように大海原めがけてキャストしてゆっくりとゆっくりとリトリーブしてくるだけ。ただ、それだけ。
でも、不思議なこともあるもので、いつもよりもほんの少しだけサーモンが僕のフライに挨拶してくれた。珍しい事もあるもんだとつくづく思うけれど、それはそれでやっぱり嬉しくって、きっと僕の口調はいつもよりも少し上ずっていたんだろうなぁと思う。なぜなら僕にとっては去年初めて訪れて強いインパクトを受けたこの場所でオホーツクのサーモンに出会う事がとても大切に思えてならないから。
きっと誰にでもそんな思い入れのあるフィールドや場所が一つや二つあるんじゃないかと思う。たとえ丸一日ロッドを振り続け、一向にお目当ての相手からの何の返事がなくっても、ただその場に佇めただけで気持ちが良いフィールドや、場所ってね。僕にとってそんなフィールドのひとつがOSJで友人達に会えるオホーツクの海なのかもしれない。
original photo by Mr.kurisu
original photo by Mr.nishii
きっと来年には来年の風が吹くんだろうと思うけれど、またオホーツクの海のグリーンバックのサーモンと友人達の笑顔に出会いに来ようと思う。
9月のとっておきの場所のひとつとして。