北西の雪混じりの強風に波打ち際で砕け散る白波、フリース地のグローブを着けていても指先の感覚は痺れと共にみるみる失われていって、ランニング・ラインを摘んでいても、一体何を摘んでいるのかさえ分からなくなる。身体が無意識に何かを遮断しようとしているのだろうか、しばらくすると意識がまるで遠くを彷徨うかのように睡魔が襲ってくる。
これが僕の2月の島牧での釣りに対する強いイメージ。でも、今日の島牧は時折西風は吹くものの早春の鮭稚魚のシーズンを思い出させるぐらいに暖かい日だった。
殆んど眠れない夜を過ごし、友人達とまだ夜も明けないうちから冬道を島牧に向けて車を走らせる。もしかしたらアメマスに出会えるかもという予感が密かに僕の中にあった。でも、その予感は結局行くあても無くどこかへ消え去るしかなかった。予感はあくまでも予感。それでも、不思議と気分は良かった。
島牧では多くの友人に出会えた。久しぶりに会う人、初めて会う人。それにいつもの笑顔。
実は、そんな時間が持てただけで、僕は十分満足だったのかもしれない。今日は予感が外れて鱒には出会えなかったけれど、やっぱり釣りに行って良かったと思えた。
今日のBGM:V.A./GUERILLA IN DUB