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2005年 11月 12日

<Vol.164>月と雨鱒

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 川から朝靄が立ち込める中、軟らかい川底に足を滑らさないように慎重に歩いた。一歩、また一歩。きっと向こうの流芯近くには、大きな鱒がゆったりと泳いでいるに違いないと信じて。

 僕にとっては初めて訪れる初冬の十勝川下流。アメマスが行き来するというその川は、僕の想像以上の川幅が広がっていた。一見何の変化もないようにゆったりと川は流れている。そんな川の中に立ち込んでいると、時間が流れていく感覚が少しだけ麻痺していくのが感じられた。

 寒さに震えながら、15feet10番のダブルハンドにtype3のヘッドを巻き込んだリールをセットする。特に意味はないけれど、なぜかこの川にはダブルハンドが似合うような気がした。それも思いっきりパワー・ウエットのスタイルで。

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 相変わらず、僕の#10フックに巻いた細身のオリーブ色のゾンカーを咥えていくのは、この川の住人の丸々と太ったウグイ達。そんな彼らの束の間のトルクフルなファイトに翻弄されながらも、僕は実のところ楽しかった。このまま今日の釣りが終わりを迎えたとしても、僕は十分満足出来たんだろうけれども、決して大きくはない十勝川のアメマスがほんの少しだけ僕に挨拶してくれた。牡丹雪のような白い斑点。優しそうな表情がとても印象深かった。

 夕暮れ間近、ふと空を見ると、十勝の空に決して真ん丸ではないけれど綺麗な月がポッカリと浮かんでいた。そんな月を眺めながら、アメマスの白い大きな斑点が僕には重なって見えた。
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by d-yun5-fly-elise | 2005-11-12 23:28 | fly fishing | Comments(8)
Commented by tokyo_terry at 2005-11-13 07:48
Yunさん、おはようございマス。
アメマスというと、秋から冬の釣りになってきたんでしょうか?朝から晩までダブルを振っていたようですネ。アメマスにも出会えたようで、何よりです。今回は釣りの途中で、リバーサイドカフェorリバーサイドバーは開かなかったのかな。
Commented by KOHEI at 2005-11-13 08:52 x
Yunさん、晩秋の十勝下流へ行って来たのですね。
ボクも、『今度は』って狙っている釣りなんです。
十勝川本流の雨鱒、憧れのサカナのひとつです。

良い時間を過ごせたようでですね。
良かった。

ホントは近々秘かに狙ってたんです。 ボクも。
だもんだから、『お~っと!』ってビックリしちゃいました。
ナイショですよっ♪(笑)
Commented by flysmith at 2005-11-13 10:24
凄い、凄い! 本当に凄いっ! こんな景色の中で思いきりキャストしてみたい!! 鱒が釣れたらもっと嬉しいけど、贅沢は言わないです。いやぁ〜・・・本当に羨ましいです!
Commented by SHU at 2005-11-13 17:59 x
Yunさんこんばんは!昨日はお疲れ様でした。月の画像僕も撮ったのですが、さすがYunさん綺麗です。
次回是非リベンジしましょう!あっYunさんは釣ってましたから僕だけリベンジですね(汗)
Commented by d-yun5-fly-elise at 2005-11-13 18:59
terryさん、こんばんは。
北海道は、すっかり寒くなってしまいました。吐く息も白く、もうグローブがないと厳しいぐらいです。
冷え込んだ早朝、この日の為に用意した「禁断の果実」を3人で少しずつ分けあって乾杯しました(笑)。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2005-11-13 19:09
KOHEIさん、こんばんは。
十勝の本流の雨鱒には、まだ少しタイミングが早かったようです。シーズンはまだ始まったばかりのようなので、これからが楽しみです。
音別、茶路、さらに東の川という選択肢もあったのですが、今回は日帰りということもあり、十勝川を選択しました。でも、楽しかったですよ。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2005-11-13 19:17
flysmithさん、こんばんは。
道東の川の印象は、いつも行く本流の印象とはまた違ったものがあります。河口に近いというのもありますが、なんともいえない懐の深さを感じさせる景色が待ち構えています。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2005-11-13 19:23
SHUさん、こちらこそ、お疲れ様でした。
今回は予想以上の数の丸々と太った銀色のウグイ達が私達を出迎えてくれましたが、次の機会は本流が同じぐらいの数のアメマスで溢れているといいですね。寒くなりましたが、またご一緒しましょう。


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