日曜日の午後、オホーツクの山上湖で僕が出合ったレインボーは、夏の日差しを浴びてギラギラと金属質に輝いていた。
それはまるでメタリックな素材で精密に仕上げられた機械仕掛けのレインボーのように美しいボディだったと思う。
ABUさんとずいぶんと行き先に迷った挙句、夏のSalty Heaven Riverに行くことにした。
雨の影響で少し水位が高めだけれど、濁りの方はまったく釣りが出来ないというほどではなかった。
それぞれのスタイルでトルクの増した流れをゆっくりと慎重にステップダウン。
3号のフロロカーボンのティペットの先には私的Dirty Hohのブラック・バージョン。
2ヶ所ほどポイントを巡ったけれど、もしかしたらと期待していたレインボーからは残念ながらノーコンタクト。流れの中でステイするフライを眺めながら、なかなかいい動きなんだけれどもなぁとひとり呟くものの、こればかりはどうしようもない。
そんな訳で、今回もまたさらにロングドライブとなった次第。どういうわけか、ABUさんとふたりの時の釣り旅は、毎回こうなるようだ。確か最初はGW前の別寒辺牛川だっただろうか。
レインボーからの最初のテイクはビーズヘッド仕様のウーリーをブラックからオリーブに結び換えて、間もなくだった。それがフライのカラーだったのか、それともたまたまレインボーの群れが回遊してきたのか、僕にはその理由は定かではないけれど、アベレージサイズよりも少し大きなレインボーは小顔だけれど、そのボディは野性味溢れるワイルドな色合いではなく、メタリックにギラギラと輝きを放っていた。
早朝と夕方、車のウィンドウ越しに燃えるようなオレンジ色の空を見た。
月曜日からは天気が崩れるそうだから、本流で釣りが出来るのは少し先になるかもしれないと思うと、なぜか僕は無性に静かなジャズが聴きたくなった。
今日のBGM : Tord Gustavsen Ensemble / La Roque d'Antheron 2011