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2010年 11月 04日

<Vol.798> 晩秋の十勝川にて

今日のBGM : Pulshar / The Price you pay
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前日にほとんどスリップサインが顔を出した履き古しのスタッドレスタイヤから、真新しい艶々のスタッドレスタイヤに交換した。
深夜のハイウェイはミゾレ交じりの雨が降る。
北海道の上空は、まるで初冬のような気圧配置。
札幌は晩秋にふさわしいちょっと悲しげな小雨模様だったが、北西の風が強い峠を越えると、予想通り雨がやみ、雲の隙間から星が輝きだした。


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十勝川の広々とした河原を、お気に入りのスペイロッドを片手に歩む。
早朝の太陽がゆっくりと地平線から顔を出し、空と本流を眩いオレンジ色にジンワリと染め上げていった。
まだロッドも振っていないというのに、なぜかしらとても満たされた気分に包まれる。
冷え切った空気感の中、川面からはユラユラと水蒸気が立ちこめ、よりいっそう幻想的な雰囲気をかもし出していた。
やっぱりちょっと無理をしてでも、フィールドに来て良かったと思える瞬間。


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風も穏やかだから、早朝はスカジットコンパクトにType8というシンクティップのラインシステム。しっかりと沈んだタングステン・コーンヘッド仕様のチューブフライがゆっくりと流れに乗って泳ぎ始めると、アベレージサイズのアメメスが顔を出してくれる。まだまだ痩せぽっちだけれど、身体に似合わない大きな尾びれで、ロッドをグイグイと引き込んでくれる。


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アベレージサイズのアメマスに混じって、時にはちょっと大きなサイズのアメマスが顔を出してくれることも。これぐらいのサイズになると、尾びれの大きさもなかなかのもので、そのパワーは僕が手にする#6/7番のスペイロッドをバットからグイグイと絞り込んで、リールからは心地よいサウンドを奏でてくれたりする。


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予想通り、お昼近くになると上流からの北西の風が強くなり、川面は大きく波立ち始める。
フローティングボディのシンクティップシステムでは表層のラインが上流からの強風と流れに影響されて、フライのスイングスピードが速くなってしまうので、より影響を受けにくいフルシンクのスカンジヘッドにラインを交換する。
さらに、少し風の影響で濁りも強まりだしたから、フライもチャートリュースから黒のイントルーダータイプのストリーマーに結び換えた。

フィールドは一日を通して、刻々とその表情を変えていく。
フィールドからは初冬の匂いが感じられ始めた。
純白のアメマスのお腹と道東らしい空が印象的な晩秋の十勝川だった。

                                                2.08

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by d-yun5-fly-elise | 2010-11-04 22:20 | spey fishing | Comments(8)
Commented by yanbaidesu at 2010-11-04 23:36 x
こんばんは。

なんというか、写真のイメージがとてもいい雰囲気があって、思わずあの十勝の下流域の匂いや静まり返った音や上空を舞う渡り鳥の飛ぶ時の音が自分の中で膨らんでまるで、その場に居るようです、人間のイメージというか記憶というのはすごいものでよく覚えているのですね、、、「あー、あんな感じだったなー」と、、  

でも夕日が綺麗ですね、、、
Commented by yukky at 2010-11-05 06:42 x
先日はお疲れさまでした。

色々と勉強になった2日間でした。まだまだ状況にあったライン選択など未熟だなぁ~と反省です。

十勝川は色々試しても、結果で良否が判るのでビギナーには有難いですね。

またご一緒させて下さい。
Commented by タッド at 2010-11-05 11:17 x
来週の休みにどこで釣りをしようか。。。当たっているYUNさんのブログを覗いて、占う。。。そんな今秋ですが、、、さて、十勝かぁー。。。
 新しいタイヤはうれしいですよね。。。6年目のタイヤが心配かも。。。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-11-05 21:37
yanbaidesuさん、こんばんは。
yanbaidesuさんに初めてお会いしたのは、確か十勝川の下流域でしたね。ちょっと懐かしい気がします。
実は一枚目の写真、夕日のように見えますが、久しぶりに見る美しい朝焼けでした。
静けさの中、数羽の白鳥の群れが編隊を組みながら頭上をゆっくりと飛んでいきます。早朝はフィールドで誰にもお会いしませんでした。
こういう贅沢な朝もいいものですね。
晩秋の十勝川、またフィールドで再会出来るのを楽しみにしております。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-11-05 21:43
yukkyさん、こんばんは。
水曜日はお疲れ様でした。前日と同様に、お昼前から風が強まってしまいましたね。
風が強まると、表層のラインが干渉されるようです。特にスカジット系のフローティングボディの場合は・・・。
それに潮の干満の影響を多少は受けるので、流速によってティップのシンクレートを変えたほうがいいのかもしれません。
私もフィールドからいろんなことを学びました。
是非いろいろと試されてみて下さい。きっと十勝川のアメマスが微笑んでくれると思います。
こちらこそ、またご一緒できるのを楽しみにしております。
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-11-05 21:49
タッドさん、こんばんは。
例年通り、12月の初めまでは、タッドさんの地元だった十勝川に通うことが多くなりそうです。
産卵を終えたアメマスは、ちょっと痩せ気味ですが、それでもまだまだロッドをグイグイと絞り込むぐらい元気なようでした。
やはり晩秋から初冬にかけての十勝川の姿を見ておかないと、私の一年も終わらないようです。
スタッドレスタイヤは、とにかく走行距離が長いので、やはり1年ぐらいしか私の場合持たないようです。最近は何とか2シーズンぐらいは持たせたいなと思ってはいるのですが・・・笑。
Commented by やすこう at 2010-11-06 13:54 x
寒くても、いいつりをされていますね。
しかし、十勝川の風景は、なんだか、外国のようですね…

コーンヘッドにTYPE8とはかなり沈めてスウィングする釣り方なんですね。キャストが難しそうです。

私のほうは先週、山形の鮭つりに行きました。なんとか釣れました!Yunさんにいただいたフライを模して作ったフライも活躍しました。
引き続いて来週は新潟の荒川に鮭つりに行く予定です。
なかなか、難しそうですが…
Commented by d-yun5-fly-elise at 2010-11-07 21:25
やすこうさん、こんばんは。
十勝川下流域の何ともいえない茫洋とした風景、静けさもあいまって、何度足を運んでも飽きるということがありません。
これから少しずつ寒くなっていきますが、やっと十勝川のアメマス釣りもシーズンインしたという感じです。あと1ヶ月程度といったところでしょうか。
やはりボトムにフライを届けたいので、どうしてもこのようなシステムになってしまいます。でも、本流レインボーでもこのシステムはよく使いますよ(笑)。
本州での鮭釣りは楽しまれたようですね。きっと得るものが沢山あるように思われます。でも、無理をして大事なロッドだけは折らないように気をつけて下さい(笑)。


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