1963年5月生まれ。札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたFlyFishingとEliseのEssay。テーマは、ゆったりのんびりと。

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<Vol.725> 冬支度の湖
今日のBGM : Giorgio Li Calzi / Pabieda



淡いトーンの灰色の空がどこまでも広がる火曜日の午後、支笏湖へとまるで流れていないかのように静かに注ぎ込む美笛川の河口に佇んだ。
透明度に比例するかのように冷え切った冷たい流れ。
腰近くまで静かにウェーディングすると、それは息もせず流れていた。

ウォーターボーンのラインによる水切り音が少々気になるぐらい湖面は穏やかそのもの。静寂さが冬支度を始めた湖を支配する。時折遠くで水鳥の立てる小さな波紋が広がった。





どちらかというと遠投に向いたアクションの14フィート1インチのバークハイマーの#7番ロッドでさまざまなシンクレートのAFSをキャストする。
いい感じにくたびれ始めた湖用のフライが所狭しと入ったホイットレーのアルミ製のフライボックスからフライをつまみ出してはティペットの先に結び替える。
でも、やっぱり支笏湖の女神が微笑んだのは僕のフライではなく、火曜日の支笏湖の常連のひとりであるparuさんのフライだった。
僕はこの目でその鱒を見ることは出来なかったけれど、きっと冬支度を始めた湖で力強く泳ぐシルバーメタリックに輝く美しいレインボーだったに違いない。




                   original photo by Mr.paru
# by d-yun5-fly-elise | 2009-11-17 21:14 | spey fishing | Comments(2)
<Vol.724> 雨の日のアメマス釣り
今日のBGM : Underworld / Downpipe(MK & DR V Underworld)





金曜日の深夜から屋根に降り落ちる雨音が断続的に僕の耳にも届き始める。
おかげで早朝の十勝平野を彩る美しい朝焼けを今日は見ることが出来なかった。
厚い雨雲が、空をどこまでも覆っていた。
十勝川で過ごした土曜日、雨はひと時たりとも降り止むことはなかったように思う。





堤防沿いの砂利道から本流へと伸びるいくつもの荒れたでこぼこの小道。
深夜から降り始めた雨で、そんな曲がりくねった小道にはサンドベージュの水溜りがまるで数珠玉のように大小いくつも連なって出来上がっていた。
きっと午後にかけて本流には増水と濁りがゆっくりと訪れるのだろう。
雨足の早さは、そんなことを告げていたように思う。





予想に反して、朝のうちはそれほど風は強くはなかった。
風が強ければ、もう少し高番手のロッドとも考えるのたが、やはり今回も前回十勝川を訪れたときと同じ14フィート、#5/6番のMKSの試作ロッドでスタートする。
ラインはSTS(450gr、Type3、7m)改にType3(#7)のティップという組み合わせ。
フライは黒や白とチャートリュースを基調とした、シャンクのアイ寄りに若干のウェイトを巻き込んだイントルーダータイプのストリーマーを結んだ。





雨の降りしきる本流に立つと、フォレストグリーンのウェーディングジャケットはみるみるとその色を黒に近い濃い色のものへと変化させていった。
大潮が近いせいか、本流の流れはいつも以上に速いものに感じられる。

きっと僕がウェーディングしたポイントが悪くはなかったんだろうと思う。
幸運なことにこの日の最初の第1投目からアベレージサイズのアメマスからのコンタクトが訪れた。そんなアメマスからのコンタクトが釣り下るにつれて僕のロッドに断続的に続く。





どのアメマスも尾びれが美しく、そして大きかった。
アメマス達の身体に散りばめられた白い斑点に、これから到来する長い冬をイメージする。きっと11月の終わり頃からは、海から遡上してきたシルバーメタリックに輝く砲弾型のボディを持った力強いアメマスも混じり始めるのだろう。

残念ながら僕がスイングさせるフライを鈍い衝撃とともにテイクした大きなアメマスにはすべてやり取りの最中に、うまくフックを外して逃げられてしまった。きっと今日という日は、こういう巡り合わせの日なのだろう。それでも、何尾かのアメマスは雨音に混じった控えめなPeerlessの逆回転音を響かせてくれたから贅沢なことは言えない。





頭にかぶったニット帽、その上からはゴアテックス製のウェーディングジャケットのフードがかぶさる。フードの中では雨音の共鳴が鳴り止むことはなく、体温の低下と雨に濡れたウェーディングジャケットの重さで、体力と集中力が徐々に奪われていった。
なぜかしら雨の日はフィールドでの気持ちの開放感のようなものが失われる。
決して嫌いではないのだが、実に不思議なものである。

やがて雨の降り方が強まり、下流からの強い風が川面を大きく波立たせた。
それでもアメマスからのコンタクトは続く。
増し始めた本流の濁りが気になり始めたのは、正午近くだったのかもしれない。


11月15日、雨の中の十勝川下流域にて。


# by d-yun5-fly-elise | 2009-11-15 20:10 | spey fishing | Comments(10)
<Vol.723> PCが壊れている間に・・・2
今日のBGM : Everything But The Girl / Single Photek Mix

<2009.11.07>



真冬並みの寒波が訪れた11月3日の文化の日とは打って変わり、この日はとても11月とは思えないぐらいの、具体的には広大な十勝川のアメマスのポイントを探して本流の川岸をのんびりとロッドを片手に歩こうものなら思わず背中の辺りが汗ばむぐらいと言っていい、小春日和を通り越したような陽気だったのかもしれない。
ネオプレーン製のウェーダーの中に寒さ対策にとユニクロで買った厚手のインナーパンツを履いたことをちょっと後悔したりもする。
そんな十勝川の川面を吹き行く風は今日も穏やかそのもの。悪くはない釣り日和。
時折、名も知れぬ野鳥よりも大きな体をした白鳥の数羽の群れが、僕らの頭上を過ぎ去っていった。





数日前にマイザーさんから、修理に出していたS2H126456-Highlanderと北海道でフィールドテストしてみてと頼まれていたS2H14056-MKSの試作ロッドが自宅に届いていた。
元々のフェザーインレイよりもさらに新たなアレンジが加えられた12フィート6インチ、#4/5/6番のハイランダーに、14フィート、#5/6番のMKSのプロトロッドに関しては、後日にでも僕のささやかなインプレッションを書き記しておければと思うが、#5/6のMKSのプロトロッドに関しては、僕の手元に辿り着くまでに北米のスティールヘッダー達にフィールドテストされていたようで、どうやら向こうでは、かなり好評だったとのこと。





この日の朝は、このMKSの試作ロッドにリバースにしたSTSの450gr(Type3)を全長約7mにカットしたヘッド(カット後の重量は400gr前後?)に、15フィート、Type3(#7番)のティップをつないでテストしてみた。全長は約11.5mと、僕にとっては扱いやすい長さだ。
ぬかるんだ十勝川下流域の右岸にディープウェーディングし、一度ロールキャストでラインとフライを浮かせ、そこからスネークロールキャストに続いて一度投げる方向にダンプし、流れに対してほぼクロスにキャストする。
そこからややロッドを立て気味にしてランニングラインに程よいテンションを掛け、ヘッドとフライを一気にスイングさせる。きっとアメマスの眼には僕がスイングさせるフライの横のシルエットがしっかりと映っているはず。





ラインから伸びる1m程のティペットの先には、黒とグリーンを基調としたスクレイルテイルをパラっと巻いたSHUさんのチューブフライを僕なりにアレンジしたものやイントルーダータイプのストリーマーを結ぶ。
試作ロッドのアクションの感触が少しずつ僕の下手に馴染み始めた頃、スイングし始めた黒を基調としたイントルーダータイプのフライが強い力で引き込まれた。
60クラスにはほんの少し足りないアメマスの力強さで、#5/6のMKSはロッドのリールシート辺りから気持ちいぐらいに美しいカーブを描く。
僕にとっては十分スリリングなやり取り。PeerlessのNo.5からは何度もラインが引き出されていった。





午後からは左岸に移動する。
潮位の影響か、本流の流れは少しずつその勢いを失っていった。
とても11月とは思えない午後の気配を感じながら、お気に入りのバンクのポイントでキャストを繰り返す。
午後からは14フィート#6/7のMKSにAFSの#7/8Hover改とType6(#8)という組み合わせ。ティペットの先にはビーズへッド仕様のイントルーダータイプのチャートリュース・ウーリー。
スローなリトリーブに反応してくれたのは、午前中のアメマスよりも少し大きな60クラスのアメマスだった。





オレンジ色とその周りにうっすらと広がる淡いパープルの色合いに染まる本流を見ているだけで、どこか穏やかな気分になれた。
日中の陽気は暗闇の訪れとともにどこかへと姿を消していく。
僕の吐息も少しずつ白く存在感を誇示し始める。
そろそろ僕にもリールにラインを仕舞い込む頃合いが訪れたようだった。

11月7日の十勝川本流にて。





<2009.11.10>



僕が尻別川を訪れるの久しぶりになるのだろうか。
火曜日の遅い朝、昆布エリアの水位をもう一度チェックして、昆布エリアの放水が今年もメンテナンスのためにストップしていることを再確認する。
道路脇に白い雪が積もる中山峠を越えて僕が尻別川のお気に入りのエリアに辿り着いたのは正午近くだった。
淡いグレーの空の下、晩秋の本流の流れが今年もワクワクするぐらいに変化していた。





勢いを増した本流の減水区間に慎重にウェーディングし、ここから第1セクションの中間辺りまでの間をゆっくりと緊張感を保ちながら釣り下る。
この日は14フィートの#7/8番のMKSに550grのスカジットSHとType8(#9)のティップという組み合わせ。1m程のティペットの先には、この日のために2本だけ巻いたコーンヘッド仕様のエッグ・サッキング・リーチのチューブフライ・バージョンの1本を結ぶ。

「ゴン、ゴン」と荒いヘッドシェイクとともにスイングを終わりかけたフライを最初に見つけてくれたのは、尻別川のアベレージサイズのアメマスだった。





そんなアメマスをゆっくりと流れに戻すと、僕はさらに確信部に向かって釣り下る。
僕の中での今日の確信部が近づくにつれて、僕のキャストはさらにいっそう慎重になった。
流れの止まった放水口の脇にフライが着水する。こつんと何かがフライに触れたのがランニングラインに伝わった。僕の中でいつものリズムが少しだけピッチを早めるのが瞬時にわかる。もう一度同じ場所にフライをペリーポークでキャストした。





フライが着水して間もなく、グゥンという衝撃とともに、グゥーンとラインにまるで根掛りのような負荷がかかる。
数秒の間をおいて、ロッド全体に鱒の強い躍動感がしっかりと伝わり始めた。
マーキスサウンドを本流に響かせて何度もラインを引き出していったのは、本流の流れを味方につけた40半ばのレインボー。
僕にとっては何よりもうれしい出会いである。
頬の辺りに浮かび上がる淡く美しい紅色をしっかりと脳裏に焼き付けて、いつかまた出会えることを願いつつ、そっと静かに流れに戻した。

もしかしたらこの時点で僕自身にやっとゆとりというか余裕のようなものが芽生えたのかもしれない。辺りをゆっくりと見渡すと、今年も本流を季節ごとに美しく彩っていた木々の葉はすっかりと落ち、どこか冬を迎える前の哀愁の様相が漂う本流だったと思う。きっと僕が知らないうちにここにも初雪が舞い降りたのだろう。

この後、さらに40クラスの元気のよいレインボーに出会う。

11月10日、晩秋の尻別川本流にて。


# by d-yun5-fly-elise | 2009-11-14 22:09 | spey fishing | Comments(0)
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